“攻めてる”CMはどうやって生まれた? 五ヶ瀬ハイランドスキー場CM担当者に聞いてみた
毎年話題になる五ヶ瀬ハイランドスキー場のユニークなCM。制作者に裏側を聞きました。
“攻めてる”CMを連発していることで毎年話題になっている日本最南端のスキー場・宮崎県の五ヶ瀬ハイランドスキー場。その裏側を探りました。
五ヶ瀬ハイランドスキー場のCMが最初に話題になったのは2013年シーズン。ふわふわのパウダースノーを女性の胸元で表現したちょっとエッチなCMでしたが、テレビ局から放送規制がかけられる結果に。翌年は「その節は、すみませんでした!」と反省し、主人公テッちゃんとヒロイン「南ちゃん」(藤田可菜さん)の恋愛ドラマ仕立てのCMを投入しました。
2015年シーズンには「新・南ちゃん」を投入し二股をにおわせ、翌シーズンはゲス浮気がバレて振られたテッちゃんが元祖・南ちゃんと再会。最新CMではその路線を踏襲しながら地元を巻き込んだほっこりCMに仕上げつつも、「もしかして俺たち……入れ替わってない?」と流行のネタをぶち込んでくるなど飛ばしています(関連記事)。
これらのユニークなCMをどのようにして作っているのか、制作秘話を電通九州のCMプランナー、左俊幸さんに聞きました。
―― インパクトの強過ぎるCMですが、内容はどなたが考えているのでしょうか?
左さん 制作会社「ランニング」のメンバーと一緒に、何度も打ち合わせを重ねてギリギリまで考えています。プレゼンした後も、撮影中も、ずっとみんなで話し合いながら、セリフ、コピー、ナレーション、音楽もギリギリまで考えて変え続けています。メンバーそれぞれ笑いのツボも女性の好みも違うので、それが結果的にCMの各タイプのバリエーションになっているような気がします。
―― 一連のCMの発端になった2013年シーズンのCMはどういうきっかけで作ったのでしょうか?
左さん 当時の五ヶ瀬ハイランドスキー場は、九州内でもあまり認知度が高くありませんでした。しかし、「宮崎にある天然雪のスキー場」という事実があるので、認知さえしてもらえればお客さんに来てもらえるのではないかと、「天然」をフックにしたインパクトの強いCMを作ろうと思いました。ただ、2013年シーズンのCMに関して振り返ってみると、採用されたクライアントさんの勇気がめちゃくちゃすごいと思います。
―― 2013年シーズンのCMは、深夜のみのオンエアになったとも聞きました。
左さん はい、ほかにも各方面でいろんな問題がありまして、「続編禁止」「下ネタじゃないCM」という条件のもと、2014年は再度企画することになりました。前年のCMは確かにさまざまな問題があったのですが、とにかく話題にはなったので、ここで真面目なCMを作ると、それこそ前年のCMが「ただの悪ふざけ」みたいになってしまうので、「前年のCMに乗っかっりつつも爽やかなCM」を目指しました。そして「南ちゃん」というキャラクターで「日本で一番南にあるスキー場」を訴求していきたいと考えたんです。
―― ネットでの反応についてはどう思っていますか?
左さん ありがたいことに、ネットでの反応は悪くないみたいです。ただ、ネットの反応だけを意識せず、あくまで「来たくなってもらうこと」「好きになってもらうこと」を目的にCMを制作しています。
―― CMに対する地元の反応はどうですか?
左さん 最初のころは、宮崎出身の後輩に「僕の地元で何をしてるんですか!」と怒られたこともありました(笑)。ただ、5年間も続いているので、最近では地元でも結構浸透していて、好感度も高いようです。好感度に関して言うと、CMの企画や内容ではなく、南ちゃん(藤田可菜さん)のキャラクターに負うところが大きいのではないかと思います。
―― では、今後も南ちゃんシリーズを続ける予定でしょうか?
左さん 今は正直ノーアイデアですが、「南ちゃん以上の好感度を持つアイデア」が見つからない限りはずっと続けると思います。しかし、今シーズンの来場者数によっては、CMはもちろん、スキー場自体が存続の危機に陥ってしまう可能性もあります。行こうかどうか迷われている皆さんには、来シーズンではなく今シーズン、五ヶ瀬ハイランドスキー場に遊びに来ていただけるとありがたいです。また、近くにお住まいの皆さんには、何度も遊びにきていただけると、さらにありがたいです。
―― 「制作メンバーそれぞれ笑いのツボや好みの女性が違うからこそ、CMのバリエーションにもつながった」とのことですが、ここまでたくさんのバージョンを詰め込むと、撮影期間もかかりそうですよね。
左さん 2015年シーズンまでは、1日で全タイプを撮影していました。2016年、2017年シーズンは2泊3日で五ヶ瀬に行って撮影しています。短期間でたくさんのバリエーションを撮影できるのは、クライアントさんの手厚いご協力とスタッフの皆さんの頑張りのおかげです。本当にありがたいと思っています。
―― 2017年シーズンのCMには五ヶ瀬中学校の生徒も出てきて、地元の人の温かさを感じました。地元出演者のみなさんはオーディションなどを行って募集したのですか? 撮影秘話などがありましたら教えてください。
左さん 地元出演者のみなさんは、五ヶ瀬ハイランドの方を通じてご紹介いただきました。ロケハン時に、何人かの地元出演者と会わせていただいたのですが、みなさんとても良い感じの方々でしたのでオーディション等は行っていません。撮影時、五ヶ瀬中学校のみなさんに「五ヶ瀬町の良いところを教えてください」と聞いた際、「美人が多いです!」とものすごい勢いで言われたのは印象深かったですね(笑)。
―― 昨年は客足が落ちてしまったことを2017年シーズンのCMの中でも描いていますが、今年の客足はどんな状況ですか?
左さん 目標は4万人ですが、今年はオープンが例年よりも遅く、オープン後になかなか雪が降らなかったこともあり、まだ目標の半分も達成できていないという、非常に厳しい状況です……(※1月末現在)。でも、最近の五ヶ瀬は雪もバンバン降っているので、今この記事を読んでくださっている皆さんには、ぜひぜひ五ヶ瀬ハイランドスキー場に遊びに来ていただきたいです。
ユニークさが注目されている五ヶ瀬ハイランドスキー場のCMですが、一番の目的は集客。スキー場存続のためにも、多くの人に足を運んでもらえることを願っています。
(姫野ケイ)
関連記事
- 「もしかして俺たち……入れ替わってない?」 五ヶ瀬ハイランドスキー場のCMが今年も飛ばしている件
町長も出てます。 - 今度は宮城県か! 60歳の婆さんがカイジの黒服みたいなのをバッサバッサなぎ倒す「登米無双」公開
“無双”って言っちゃってるよ。 - ジェットコースターの中に温泉 大分県が「湯〜園地」なるクレイジーな施設を計画中
100万再生で実現予定。 - これは最後まで見ないと分からない……! フランス人が小林市をPRする動画「ンダモシタン小林」の仕掛けに衝撃
おしゃれな動画かと思いきや……。 - ついに河童と人魚を発見→市職員と面談して移住へ 宮崎県延岡市のPR動画「河童と人魚の移住計画」がシュールすぎる
めっちゃフランクな河童さんと人魚さん。 - 二股がバレた主人公の行方は……「五ヶ瀬ハイランドスキー場」の2016年版CMがこれまでの集大成だった件
テッちゃんと南ちゃんの恋物語が完結!? - 2年前に物議かもした「五ヶ瀬ハイランドスキー場」CM 2015年版もジワジワくる
南ちゃんが……南ちゃんがぁあああああああ!!!!!!!! - 昨年物議を醸した五ヶ瀬ハイランドスキー場、今年反省した結果→
新キャラ登場……だと? - 「武将と〜言えば三成〜♪」 滋賀県作「石田三成CM」が頭おかしすぎて三成ファンが急増、士気高揚中
忠義心No.1宣言!(※故人の感想です)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
-
「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
-
“ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
-
高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
-
「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
-
「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
-
「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
-
“歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
-
黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
-
走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
- 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
- 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
- ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
- 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた