「民事訴訟管理センター」を名乗る架空請求ハガキが相次ぐ 書かれていた番号に電話してみたところ……

ハガキに書かれた連絡先に電話するのは絶対にやめましょう。

» 2017年04月25日 18時58分 公開
[Kikkaねとらぼ]

 民事訴訟管理センターなる団体が発行する「総合消費料金未納分訴訟最終通知書」というハガキについて、行政などが架空請求だと注意喚起しています。ハガキの発行元を取材しました。


架空請求 民事訴訟管理センターからのハガキ(江戸川区公式サイトより)

 ここ数日SNSを騒がせている1枚のハガキをご存じでしょうか。差出人は民事訴訟管理センターなる団体で、内容は「未納となっている総合消費料金」について民事訴訟の訴状が提出されたことを通知するというものです。

 ハガキに書かれている裁判取り下げ最終期日を過ぎると訴訟が開始されるといい、連絡がない場合には原告側の主張が全面的に受理された後、給与の差し押さえや動産・不動産の差し押さえが執行官立ち会いのもと強制的に履行される、と不安をあおるような文言が並んでいます。

 さらに文末にはプライバシーの保護のためと、必ず宛先人本人から連絡するように記載されていますが、高槻市(大阪)江戸川区(東京都)などの行政が、架空請求であるとして、絶対に電話をしないように呼びかけています。


架空請求 高槻市の注意喚起(高槻市公式サイトより)

 またTwitterでも「ハガキが届いた」「ビックリしてもハガキに書いてある番号に電話しちゃダメ!」「焦ってこれに電話かけたら駄目なやつ 」といった情報が寄せられており、注意喚起のツイートが拡散されています。

 編集部が報告されているハガキについて調べてみると、訴訟番号なる受付番号らしきものは全て「そ355」であるのに対して、電話番号や、裁判取り下げ最終期日の日付にはいくつかのパターンがあることが分かりました。またどこの裁判所が取り扱っているのかなど必要な情報も全く書かれていません。このハガキは一体何なのか、民事訴訟管理センターを取材しました。

民事訴訟管理センターを直撃(1回目)

 編集部が入手した番号は3件。1件目はコールをしましたが誰も出ず。2件目は話し中が続き不通。3件目になって若い男性が電話に出ました。

民事訴訟管理センター・若い男はい、民事訴訟管理センターです。

編集部:民事訴訟管理センターさんですか? アイティメディアの●×といいますが、ハガキの件についてお伺いしたく……。

 ガチャ。ツーツー。途中で電話が切れてしまいました。

民事訴訟管理センターを直撃(2回目)

 もう一度同じ番号にかけてみると今度は年配の男性が電話口に出ました。

民事訴訟管理センター・年配の男はい。

編集部:民事訴訟管理センターさんですか?

民事訴訟管理センター・年配の男はい。

編集部:そちらから送られてきた「総合消費料金未納分訴訟最終通知書」というハガキについてお伺いしたいのですが、こちらのハガキについて高槻市などの行政が「架空請求のハガキ」だと注意喚起しています。訴訟番号「そ355」のハガキについては本当に架空請求なのでしょうか。

民事訴訟管理センター・年配の男うちも困ってるんだよ。もうかけてくるな。

編集部:と、言いますと?

民事訴訟管理センター・年配の男「そ」だの「355」だのそういう電話をしてくるなって言ってるんだよ。かけてくるな。

民事訴訟管理センターを直撃(3回目)

 またもや電話が切れてしまいました。最後にもう一度だけかけてみると、今度は若い男性が出ました。おそらく1度目に電話に出た男性と同一人物です。

民事訴訟管理センター・若い男民事訴訟管理センターです。

編集部:すみません。「総合消費料金未納分訴訟最終通知書」というハガキについてお伺いしたく、ご連絡しました。訴訟番号は「そ3555」です。

民事訴訟管理センター・若い男はい、お名前教えて頂けますか。

編集部:ねとらぼ編集部の●×です。

民事訴訟管理センター・若い男●×様ですね(何かにメモするような感じ)。

編集部:行政がこのハガキについて架空請求ハガキだと注意喚起しているのですが、本当に架空請求なのでしょうか。

民事訴訟管理センター・若い男いえ、そうではないですよ。

編集部:そうではない、ということはきちんとした訴訟があって、その通知がこのハガキということですか?

民事訴訟管理センター・若い男そうです。

編集部:行政の注意についてはどう思いますか。

民事訴訟管理センター・若い男申し訳ありませんが、そういったことにお答えできるようなものがこちらにはおりませんので。

編集部:そうなんですか。再度確認ですが、今お話しているのは民事訴訟管理センターで間違いないんですね?

民事訴訟管理センター・若い男そうです。

編集部:何者かが民事訴訟管理センターやこの電話番号を騙ってハガキを送っているというわけではなく、ハガキは間違いなくそちらが発行しているものなんですね?

民事訴訟管理センター・若い男はい、こちらのハガキです。

編集部:もう一度お伺いしますが、架空請求ではないということですね?

民事訴訟管理センター・若い男それはちょっとお答えできません。


 編集部との通話中、男性の後ろでは電話や別の通話の声が絶えず聞こえており、コールセンターのようなところにつながっているだろうと想像できました。なお若い男は物腰こそ柔らかいものの、主張は支離滅裂で、2度目に出た年配の男性はすごむような声色を使って話しており、やはり詐欺の可能性が極めて高いと感じられました。

 身に覚えのないハガキやメールが届いても連絡をしたり、個人情報を教えるのは絶対にやめましょう。また万が一お金を振り込んでしまった場合は、最寄りの警察署に相談してください。

(Kikka)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」