「ワニはサメを捕食できる」 米大学の研究チームが発表
水中版「エイリアンvsプレデター」?
米カンザス州立大学の魚類研究者であるJames Nifong氏と研究チームは、「大西洋の湾岸周辺に生息するワニは、小さなサメやアカエイを捕食している」と発表しました。この論文は「頂点捕食者同士である、ワニがサメを捕食する」ということに関する、初めての研究発表なのだといいます。
この研究によれば、アメリカ南東部にあたるジョージア州のジョージア海岸からフロリダ半島周辺の沿岸において、サメを捕食するワニが観測できたそうです。
ワニは淡水に、サメは海水に生きる生物ですが、なぜそのようなことが起きるのでしょうか。Nifong氏によれば、多くのサメが淡水でも生息可能で、実はワニも条件付きながら海水域での活動が可能なのだといいます。
ワニは塩腺(体液中の余剰な塩分を排出する分泌腺)を持っていませんが、海水と淡水が混じった汽水域(きすいいき)ならば、真水を探して摂取することで一定時間ながら活動が可能となります。その証拠としては、川が海へと注ぎ込む河口付近に住むワニにGPSを付けて行動を記録したところ、汽水域と淡水域を行き来しているデータが数多く検出されたのです。
またワニは日和見的捕食者であり、環境次第で食べるものが変わります。これはワニが自分の口に収まる獲物なら何でも食べてしまう、ということで、すなわちワニの前に手頃な大きさのサメがいれば、公開された写真のように食べられてしまう可能性があるのです。
その逆もまたしかりで、実際には身体の大きさが問題なのだといいます。仮にサメがワニより大きければ、ワニの方が食べられてしまう可能性が高いそうです。
Nifong氏によれば、この研究結果は淡水の河川システムと食物連鎖を調査する大きな研究プロジェクトの一環として、ワニの食性を調査した際に発見されたものとのことです。
(たけしな竜美)
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