凍らせて2つに折って食べるアレの謎 実はメーカーでも答えが割れる「中央のくびれの存在理由」

あのくびれは、半分に折るためのものじゃない?

» 2017年11月13日 16時22分 公開
[マッハ・キショ松ねとらぼ]

 「ポッキンアイス」「棒アイス」などと呼ばれており、凍らせてから2つに折って食べるアレ。「中央のくびれはもともと、折るためのものではなかった」といううわさがネット上で話題になっています。

 メーカー各社に取材し、真偽のほどを調査してみたのですが……かえって謎が深まってしまいました。


2つに割るアイスのくびれの正体

 先日、Twitter上でハッシュタグ「#実は最初はそうじゃなかったこと」に投稿が集まり(関連記事)、その中に「棒状の容器中央のくびれを最初に設けたのは、1975年発売の『チューペット』。当初は中身を均等に凍らせるためのものだった」という情報が。

 これによれば、「くびれ=ポッキンと折る場所」という認識は、当時の購入者が「くびれ部分を利用して凍らせてから折る」という食べ方を発見し、それが広まったことで定着。メーカーにとっては想定外なことだったとされています。


2つに割るアイスのくびれの正体 Togetterにもまとめ記事が登場。え、折るための形状じゃなかったの?

 この件について、「チューペット」の製造元に取材したものの、同商品は2009年に生産終了(関連記事)。「分かる人間が社内にいない」とのことで、話を伺うことができませんでした。

 そこで別のメーカー3社に取材したのですが、そのうち2社は「均等に凍らせるためにくびれを入れるという話は聞いたことがない。あの形状は折りやすくする目的」と驚いた様子。凍り方は冷凍庫内の環境にも影響されてしまうため、そもそも容器の形状だけではコントロールしきれないといいます。

 また、山口県の企業・農水フーヅは「くびれは運搬のために入れている。空容器の状態で運ぶ際、ただの棒状だと衝撃でへこんでしまうから。でも、時期は分からないが、いつしか折るために利用する人が現れるようになった」とコメント。ぐぬぬ、「均等に凍らせる」「折りやすくする」「運搬時の形状維持」という3つの説が現れてしまって、どれが正しいのかまったく分からん……。

 ちなみに、このタイプの製品は正確に言うとアイスではなく、清涼飲料水。メーカー各社のWebサイトでは「ポリジュース」「ポリドリンク」「棒ジュース」といった名称が使われており、商品紹介を見ても「そのままでも、凍らせてもおいしく召し上がれます」くらいの記載内容になっています。われわれが一般的だと思っていた食べ方は、本当は「メーカーおすすめのアレンジレシピ」のような位置付けなのかな?


2つに割るアイスのくびれの正体 ポリエチレン製の容器に入った清涼飲料水であることから、農水フーヅは「ポリドリンク」と表現


2つに割るアイスのくびれの正体 ニュアンスは似ていますが、しんこうは「ポリジュース」


2つに割るアイスのくびれの正体 「(凍らせずに)そのままでも美味しいですが、凍らせることによってより一層美味しく」と説明。あくまでも「シャーベット状にするのがおすすめな清涼飲料水」という扱い(光武製菓Webサイトより)

 アイスじゃないのに「ポッキンアイス」「棒アイス」などの呼び名で親しまれ、中央のくびれが採用された理由は諸説あって真偽不明……。今回の調査で分かったのはただ1つ、「身近なところに、めちゃくちゃ謎に満ちた製品が存在した」ということだけでした。

マッハ・キショ松

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた