ソシャゲのメンテナンスはなぜ起こる? 「定期」「臨時」「緊急」の違いを解説する
緊急メンテ……ああ、胃が痛くなる……。
「12:00から17:00までメンテナンスを行います。その間ゲームをプレイすることはできません。ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願いします」
という表示とともに落ちるアプリ。
「今遊びたいのに!」
と思う人も多いと思いますが、これはユーザーがゲームをずっと遊ぶために必要な作業でもあるのです。今回は、そのメンテナンスがなぜ行われているのかについてお話したいと思います。
メンテナンスを「水道管の清掃」でたとえてみる
メンテナンスは大きく分けて3種類あります。1つは「定期メンテナンス」、もう1つは「臨時メンテナンス」、そして最後に「緊急メンテナンス」となります。
サーバやネットワークの細かい話をしても分かりづらいと思いますので、ここからはそれぞれのメンテナンスについて、「水道管の清掃」にたとえて説明していきましょう。
定期メンテナンス
こちらはその名の通り、定期的な整備を行うためのものです。水道管の清掃タイムのようなもので、「水道をきれいにしますがその間は使えなくなります、ごめんなさい」というやつですね。
なぜ止めるのかというと「水を出している人がいる状態だと水道管の掃除ができない」からです。中には、止めずに定期メンテナンスを行うゲームもありますが、これは「水道管が2本あって、片方ずつ掃除をしている」と考えてください。
また「定期的に洗剤を流すようにしているので、そもそもわざわざ掃除タイムを設けなくてもいい」みたいな作りにしている場合もあります。
臨時メンテナンス
これは定期メンテナンス以外で、事前に告知して行うものです。水道管の例でいうと、
- 毎月1日に掃除をします=定期メンテナンス
- 今月はなんだか水道の通りが良くないので、15日にもう一回掃除をします=臨時メンテナンス
となります。他にも、「毎月の定期掃除でなんだか悪くなっている水道管が見つかった。定期掃除の時間内では終わらないので、後日あらためて水道管を交換しよう」などという場合は臨時メンテナンスとして行ったりしますね。
この「定期メンテ」「臨時メンテ」までは特に問題なく、ユーザーの皆さんにも受け入れていただけるかと思います。しかし、ここからはそうは行きません。
緊急メンテナンス
こちらはトラブル対応のためのメンテナンスです。トラブルが発生してから「すいません、今つながりません! これから大急ぎで直します!」というやつですね。考えるだけで胃が痛くなります。
水道管のたとえでいうと「水道管が破裂して水が出なくなった」という状態です。当たり前ですが、どこの水道管が破裂したのか調べてからそこの水道管を交換し、ちゃんと水が出ることを確認しないといけません。さらに「交換したはいいけれど濁った水が出た!」とならないようにしないといけません。
よく「緊急メンテが終わったと思ったらまた緊急メンテが始まった」という事態が発生しますが、これは往々にしてこの「確認不足」から発生するものだったりします。もちろん確認不足は直す側が悪い場合も多いのですが、「2階で水が出ないって言うから直したら今度は3階から水が出ないっていわれた」みたいな二次トラブルが発生したりすることもあるのです。
この修理に必要な水道管が近所ならば良いのですが、最近はクラウドだのなんだのといって海外のよく分からないところから水を引いていたりするので、海外のよく分からない場所で水道管が直るのを待たなければいけないこともあるのです。
このようなさまざまな事情もあり、直す側としてはとても胃が痛くなる案件です。止まっている間ユーザーはプレイできないのはもちろん、その間ガチャも回らないと考えると、その分の売り上げも止まってしまいます。後からユーザーにお詫びの石を配ります。さらにもうけが減ります。踏んだり蹴ったりです。
また、水道管を修理している間は忙しいので、ユーザーに「今ここが壊れています、いつごろ直る予定です」という説明がしにくいという問題があります。待っているユーザーに状況を説明できないのはとてもつらいのですが、どうしても直す方が優先になってしまいます。
本来は「いつ直る? それお客さんに言ってくるね!」とユーザーに定期的にきちんと説明してくれる代理人がいれば理想的なのですが、なかなかそうはいきません。ここは今後、各ソーシャルゲーム会社が工夫し、改善していかなければいけないところだと思っています。
もちろん、こんな臨時メンテナンスが起こらないように日々メンテナンスをしている人は頑張っています。どうか、どうか温かい目で見てあげてください……。
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