十日戎に行く前に! “二次創作”された神「エビス様」誕生の秘密(3/3 ページ)
» 2019年01月10日 11時30分 公開
[植田麦,ねとらぼ]
福の神としてのエビス
福をもたらす神はエビスだけではありません。ほかにもインドにルーツをもつ大黒天がいます。この大黒天はインドから中国を経て日本にたどり着くと、日本土着の神である大国主神と同一のものとして扱われることになりました。どちらも音が「ダイコク」であるためです。
すると、同じ福の神である大黒天とエビスは、コンビ芸人のように「福の神」としてユニットを組むことが多くなります。しかし、大黒天=大国主神とエビス=ヒルコではバランスが悪いと考えられたらしく、エビスの中身がコトシロヌシに入れ替えられてしまいます。
コトシロヌシは『日本書紀』でも『古事記』でも、漁をする神として描かれています。そのため、エビスの「海の幸をもたらす」というご利益(りやく)についても矛盾しません。
さらに大きいのは、コトシロヌシが『古事記』『日本書紀』で、大国主神の息子として設定されていることです。つまり、赤の他人のコンビから、親子のコンビに変わってしまったのです。
おわりに
こうして、今にいたるまで、同じエビスなのに素性が異なる神が生まれてしまいました。ヒルコもコトシロヌシも、『古事記』や『日本書紀』といった神話ではわずかな登場場面しかない神ですが、ずいぶんと大物に育ったものです。
エビスはかなり特徴的ですが、ほかにも掘り下げると面白い神仏は結構います。そういった神仏は数百年を越える時間をかけて、文化に育てられた存在です。身の回りの寺社をみると、意外とそういった存在に出会えるかもしれません。
参考文献
- 稲生知子「「哀れ」なるヒルコへ ―神話生成の現場としての日本記竟宴―」(『日本文学』49-6、2000年6月)
- 中村一基「童子神の変容 ―水蛭子から夷三郎殿へ―」(『岩手大学教育学部研究年報』51-1、1991年10月)
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