「成人式に晴れ着が着られない」「商品券が紙くずに」 “倒産被害”にあわないために消費者ができること(2/2 ページ)

» 2018年01月20日 11時00分 公開
[高橋ホイコねとらぼ]
前のページへ 1|2       

倒産被害にあわない方法はあるのか?

 消費生活センターによれば、そもそも被害にあわない方法――つまり倒産を事前に見抜くと言うことは本当に難しいそうだ。完全に防ぐ方法はないものの、「早期契約」「長期契約」はリスクが高まる契約とのこと。

 例えば、晴れ着レンタルの一般的な相談事例として「成人式は2年近く先なのに、契約時に全額入金するのは不安」というものがある。こういう契約は、先に選べばたくさんの衣装の中から自由に選べるというメリットもあるが、業者が倒産するリスクを長期間負うことにもなる。

国民生活センターWebサイトキャプチャ 晴れ着のレンタル契約時に注意すべきポイントも公表している(国民生活センターより)

 前述の英会話教室は1年分の前払いであったし、あるエステの倒産の際にも前払いで12回分が支払い済みだったという相談が寄せられている。自明のことではあるが「長期契約」であるほど、倒産時の被害は大きくなってしまう。「前払いすれば5%割引」などといわれても、冷静に判断する必要がある。

クレジット払いでも過信は禁物

 ネット上では「クレジット払いにしておけば安心だろう」という声も見られるが、その点はどうなのだろうか。

 結論を書けば、「クレジット払いなら絶対安全」とは言い切れない。例えば、クレジットカードの翌月一括払いでは、割賦販売法の救済策は利用できないなどの例がある。消費生活センターに寄せられた倒産に関する相談では、現金払いが圧倒的に多いのかと思いきや、実際にはそうでもないとのこと。

 ただし、過去にはクレジット会社が協力してくれたという事例もあり、現金払いよりも打つ手が多いことは事実。とはいえ、クレジット払いなら絶対大丈夫とは思わないでほしいとのことだった。

倒産時に大きなトラブルになる契約とは?

 別のケースとして、倒産時に大きなトラブルになりやすい契約をもう1つ見てみよう。

 近年トラブルが問題視されているのが、「レンタルオーナー契約」(2016年9月の公表資料)。これは、消費者が事業者から「パチスロ機」「コンテナ」などの商品を購入し、その商品を事業者に一度貸し出す。事業者はその商品をレンタルしてもうけ、収益の一部を消費者に支払うというもの。トラブルの相談者は「元本保証で高利回り」などと投資や出資、預金かのように勧誘されたと話している。

レンタルオーナー契約の注意喚起 レンタルオーナー契約の仕組み(国民生活センターより)

 公表資料にある相談事例では、パチスロ機を40万円で購入している。翌月に配当が振り込まれたものの、その後業者が破産したと書面が届いたそうだ。高配当でもうかるはずが、40万円を回収する前に事業者が倒産してしまったのだ。

 2011年に起きた「安愚楽牧場」の破綻も大きな問題となった。この事業者は和牛を販売し、その飼育を代行し、契約期間終了後には買い戻すという事業を行っていた。

 「今、契約してお金を払えば、毎月お金が振り込まれ、トータルではもうかる」「今、契約してお金を払えば、契約期間後には大きくなって返ってくる」というような契約では、途中で倒産してしまったら、返ってくるつもりだったお金が返ってこないという事態に直面する。倒産リスクが非常に高い契約といえるだろう。


 どの事業者が倒産するのかを事前に予測するのは難しい、というよりほぼ不可能と言っていい。そんな中で消費者にできることは、何年も先の契約や、長期間にわたる契約などのリスクの高さを認識した上で判断を下すことだ。

 さらに、倒産被害にあってしまった場合は、

  • 領収書や申込書、事業者からのお知らせの手紙など、証拠となるものは保管しておく
  • 早めに消費生活センターに相談する
  • 二次被害に注意する

 といったことに気を付けてほしい。

高橋ホイコ

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/17/news163.jpg 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  4. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  5. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. /nl/articles/2412/17/news049.jpg 「品数が凄い!!」 平愛梨、4児に作った晩ご飯に称賛 7品目のメニューに「豪華」「いつもすごいなぁ」【2024年の弁当・料理まとめ】
  7. /nl/articles/2412/17/news183.jpg 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  8. /nl/articles/2412/17/news144.jpg 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】
  9. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  10. /nl/articles/2412/17/news033.jpg セリアのふきんに、糸で“ある模様”を縫っていくと…… 思わずため息がもれる完成形に「美しい」「やってみます」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」