貯金は「取り崩す」、それとも「切り崩す」? 間違えやすい日本語
どっちでもいい気もするけど、間違いたくはない。
私たち日本人とは切っても切れない日本語。しかし灯台下暗しで、意外と難しいものです。完璧に使いこなせているという人は、なかなかいないのではないでしょうか。
本記事では「あれ、どっちが正しいんだっけ?」となるような微妙な表現を集めてみました。間違った日本語を使っていないかチェックしましょう!
※現在、慣例的に使用されている表現であっても、本来の表現でない場合は誤りとしています。
怒りのあまり、声を「あららげる/あらげる」
「あららげる」が本来の使い方です。
しかしながら、文化庁による平成22年度「国語に関する世論調査」では、「声をあららげる」を使う人が11.4%、本来の言い方ではない「声をあらげる」を使う人が79.9%という結果が出ており、非常に間違いの多い日本語といえます。
こうした結果や発音のしやすさを受け、放送業界では「声をあらげる」という表現も許容されています。
会社のピンチに、社長自ら采配を「振る/振るう」
正しくは「采配を振る」。「陣頭に立って指図・指揮する」という意味があります。
「采配」とは「大将が手に持って使用した、兵士たちを指揮するための道具」のことで、それを戦場で振って使用していたことから「采配を振る」という表現が生まれました。
ひきょうな手によって「足/足元」をすくわれる
「足をすくわれる」が正しい表現。この言葉には「卑劣なやり方で失敗させられること」という意味があります。
「足元」は、「足の下の方」よりも「足がついている地面」という意味合いが強いです。足元にある地面をすくわれても、被害は少なそうですね。
学費を納めるために貯金を「取り崩す/切り崩す」
「取り崩す」には「まとまったものから少しずつとる」、「切り崩す」には「ものを切ったりけずり取ったりして、もとの形でなくする」という意味があります。
これらの意味から「今ある貯金から少しずつとって生活費などにあてる」といった意味で使用する際には、「貯金を取り崩す」という表現が正しいです。
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