4Dで見る「劇場版名探偵コナン 純黒の悪夢」 最高のアクションを最高の空間で体験してきた
コナンこそ4D系で見るべき。
劇場版名探偵コナン「純黒の悪夢(ナイトメア)」が2月10日より、4D系シアターにて限定公開されている。揺れる座席に吹き付ける風、水しぶきや香りが一体となり、ひと味違った映画体験を楽しめるこのシステム。最新作「ゼロの執行人」公開を再来月に控え、名探偵コナン史上最高のスペクタクル・アクションが再びシアターに帰ってきた。
4D系に最適な「コナン」というコンテンツ
これまでMX4Dや4DXといえば、基本的にはハリウッドスタジオのビッグ・バジェット作品に用いられることが多く、邦画では「劇場版ガールズ&パンツァー」や「シン・ゴジラ」といった一部の成功作を除き、どうもその実力を最大限発揮できる作品が少ない印象がある。
やはりこの手の臨場体験型システムには「マッドマックス 怒りのデスロード」のようなゴリゴリのカーアクション、「パシフィック・リム」にみられるロボットと怪獣の手に汗握る殴り合い、「ワイルドスピード ICE BREAK」の圧倒的な爆破アクションといった「いかにも」な特色が必要になってしまう。
そしてこれらの全てを満たすのが「純黒の悪夢」である。確かに「カーアクション」「殴り合い」「爆破」を最高レベルで体現している邦画といえば、間違いなく「コナン」をおいてほかにない。むしろなぜこれまで4D系上映がなかったことに疑問を抱かなかったのか……。
花火に爆破、水しぶき……“アクション全振り”に応える演出
さて、本作「純黒の悪夢」。「あの方」の正体発表が記憶に新しいシリーズだが、黒の組織総出演に加え、人気キャラクター赤井秀一・安室透が主軸に据えられたこともあり、長らく30〜40億円にとどまっていた劇場版シリーズの興行成績を一気に60億円以上までぶちあげた記念碑的作品だ。
本日分の首都圏シアター日中座席は予約開始と同時にほぼ即完。TOHOシネマズ新宿0時過ぎ終了の回に足を運んだが、空席は片手で数えるほど。いかに座席数が限られているとはいえ、本作の人気の高さがうかがえる。限定公開に合わせ、TOHOシネマズ新宿の物販には一部グッズが再び並べられていた。
荷物を預け劇場へ入ると、渡された特典は江戸川コナン、安室透(降谷零名義)のサイン入りポストカード。降谷零のサインって何……?
予告編を挟み、冒頭のカーアクションに応じ震える座席にどよめきが起こる。実際にエンジンがかかるようなこの感覚は何度体験しても見事の一言。
しかし本作を語るうえで絶対に外せないのは、観覧車上の安室と赤井の格闘アクションだ。夜風吹きすさぶ観覧車の輪の上、スクリーン外に併設されたライトを花火の色に合わせて点灯させることで、「おまえらこんなとこで何やってんだよ」感がマシマシで若干笑えてしまう。たぶん君たちポアロで2時間くらい気取った会話抜きで話し合えば和解できるよ……してほしくないけど……。
そしてもはやコナン映画おなじみとなった舞台となる新施設、つまり「ああ今回はこれが爆破されるのか」というこちら(驚くことに爆破されないのだが)、なんと水族館と併設されている。
「瞳の中の暗殺者」の名シーンを例に出すまでもなく、コナン映画では水が重要なファクターとして使用されることが少なくなく、それに合わせて客席に吹き付ける水しぶき。崩壊する観覧車と揺れる座席、安室に殴られ赤井に撃たれ、いや見れば見るほど4DX向きだな……と思っている間にあっという間の1時間50分。ミステリー要素をほぼ捨て、アクションに振り切った本作と4DXの相性はバツグンだった。
新規映像で深まる安室の謎
さて、事前告知されていたように本作には新規映像が含まれる。本編終了後、安室がホテルの一室でつぶやく「恐ろしい男ですよ、あの少年は」の言葉。
これは本編FILE:852(コミックス81巻収録「赤井秀一の消息」)にてバーボンとしての彼がベルモットに告げていたものと同一だ。原作のこの時点では「ベルツリー急行シリーズ」(コミックス78巻収録)以降コナンになんらかの驚異と秘密を感じていた安室だが、その後「緋色シリーズ」(コミックス84-85巻収録)、ならびに本作を通じて彼はコナンに一定の信頼を置くようになったふうに描かれていた。
しかしこのセリフを再び使ったことで、再び彼の裏は読めなくなる。これが誰かに対してかけられた言葉なのか、独り言なのかは映像からは確認が難しかったが、もし前者であれば安室が敬語を使って応対するキャラクターは限られる。そしてそれがベルモットではなく、かつコナンの存在を認知している相手、となると……。こうしてその真意をいまだ隠したまま、物語は「ゼロの執行人」へと続く。
コナンは「異次元の狙撃手(スナイパー)」においてある人物の正体を原作の連載より先に明かすといった仕組みを使ったように、劇場版本編と長期連載原作が綿密に連動している珍しい作品だ。またTVアニメ版でも866話「裏切りのステージ(前編)」にてネクストコナンズヒント後に赤井と安室がそろって声で登場、「観覧車以来ですね」と本作のネタをぶちこんでくるなど遊び心も満載。
読売テレビさん、なにとぞお願いいたします
次回作「ゼロの執行人」は再び安室透を主軸に据え、原作でいまだ明らかにされていない黒の組織のナンバー2・ラムを再びフィーチャーした作品となると思われる。脚本は本作や「業火の向日葵」「絶海の探偵」同様、TVドラマ「相棒」シリーズ屈指の名作「ボーダーライン」で知られる櫻井武晴。予告編から察するに本作に引けをとらないカーチェイス、そして爆破が期待できそうだ。4DXでの上映をぜひ期待したい。
あと「天国へのカウントダウン」のツインタワー爆破+大ジャンプ、「14番目の標的(ターゲット)」の倒壊するアクアクリスタル、「ベイカー街(ストリート)の亡霊」の爆走機関車、「ルパンVSコナン」冒頭のスケボーアクション、「11人目のストライカー(Striker)」の連続爆破も4DXで、いやむしろもう一度スクリーンで見られるだけでもいいのですが、読売テレビさん、お願いできませんか。なにとぞ、なにとぞよろしくお願いいたします。
(将来の終わり)
関連記事
- 「名探偵コナン」劇場作品で一番面白いのってどれなの? 気合いの全21作レビュー&オススメベスト3!
とりあえず爆破させておこう。 - 劇場版「名探偵コナン」情報解禁! 新作「ゼロの執行人」の内容を最速で予想する
爆破くる? 停電は? - 初めて「全米が泣いた」映画が登場したのはいつ? → 本気で調査してみたら、俺が泣きそうになった
全米がッ! 泣くまでッ! 調査が終わらないッ(涙目)! - 前情報不要! インド映画の最高傑作「バーフバリ 王の凱旋」を今すぐ見てくれ
今一番面白いやつ。 - 「GODZILLA 怪獣惑星」ネタバレレビュー 実質“まどか☆マギカ1〜3話”だった
ネタバレ注意。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
-
ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
-
夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
-
ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
-
妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
-
人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
-
「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
-
「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
-
160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
-
「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
- イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
- 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
- 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
- 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
- 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
- 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた