コラム
» 2018年02月18日 12時00分 公開

「宇宙文明が存在する数」は計算できる? 「ドレイク方程式」を解説してみる

人類がどこまで頑張れるか。

[てんもんたまご,ねとらぼ]

 SFの名作映画には、「スター・ウォーズ」「アバター」「E.T.」など宇宙文明や地球外生命体が登場するものが少なくありません。SFの世界ではさも当たり前のように存在している宇宙文明ですが、現実にはどれほどの数が存在しているのでしょうか?


宇宙文明はいくつ? 今回考えるのは、あくまで「人類と電波で交信できる」宇宙文明

「ドレイク方程式」とは?

 「地球以外に文明はあるだろうか? その文明に出会えるだろうか?」という問いに対して、初めて科学面から考察したのはコッコーニとモリソンによる1959年の論文でした。

 意外と最近に思われるかもしれませんが、これは人類にとって、電波天文学が発展したことで初めて「電波を使って地球外の宇宙文明と交信する」試みが可能になったからです。

 そして実際にこの試みに乗り出したのが電波天文学者のドレイク。彼はアメリカ国立電波天文台の26メートルもあるパラボラアンテナを借りて、実際に「宇宙文明から発せられた電波」を探す観測計画「オズマ計画」を敢行しました。

 ドレイクが「オズマ計画」を実行するにあたって提案したのが、銀河系内の宇宙文明の数を算出する「ドレイク方程式」だったのです。


ドレイク方程式を読み解く

 まずはドレイク方程式を眺めてみましょう。長いので数式が苦手な人にはややこしいものに見えるかもしれません。でも落ち着いて見るとかけ算とわり算を組み合わせただけの式ですので、紅茶でも飲みながらのんびり眺めてみてくださいね。


ドレイク方程式 この長い式にはどんな意味があるのかじっくり考えてみよう

N=Ns×R×fp×ne×fl×fi×fc×L÷Lg

N=銀河系内で電波で交信する文明を持つ惑星の数

Ns=銀河系の恒星の数

R=文明を持つ生命を生み出す条件を満たす恒星の割合

fp=その恒星が惑星系を持つ割合

ne=その惑星系で生命を生む環境がある惑星の数

fl=その惑星上で生命が誕生する確率

fi=生命を持つ惑星の中で知的生命が誕生する割合

fc=知的生命が宇宙に強い電波を出すようになる確率

L=その文明が存続する期間(つまり文明の寿命)

Lg=銀河系の寿命



実際の確率は?

 では実際にどんな数値が入っていくのか少しずつ見ていきましょう!

Ns=銀河系の恒星の数=1000億

 「星の数ほど」とはいいますが、私たちの太陽が位置する天の川銀河系内の恒星の数は約1000億個程度。ちなみにヒトの小脳内の神経細胞数と同じくらいです。

R=文明を持つ生命を生み出す条件を満たす恒星の割合=0.1

 銀河系の星は、あたたかな日差しを与えてくれる太陽のような恒星ばかりではありません。実際には、暗く冷たくなってしまった褐色矮星や恒星の燃料である水素をほぼ使い果たしてしまった白色矮星なども数多く含まれています。

fp=その恒星が惑星系を持つ割合=0.1

ne=その惑星系で生命を生む環境がある惑星の数=1

 惑星で生命体が発生する可能性がある領域は「ハビタブルゾーン」と呼ばれています。これは液体の水が維持できる恒星からの距離で定義されています。

fl=その惑星上で生命が誕生する確率=1(?)

fi=生命を持つ惑星の中で知的生命が誕生する割合=1(?)

fc=知的生命が宇宙に強い電波を出すようになる確率=1(?)

 このあたりになるともはや正確な数値をあてはめることはできません。かなり楽観的に1としています。

L=その文明が存続する期間(つまり文明の寿命)

 これこそさっぱりわからず、推測することもできません。ここではLのままにしておきます。

Lg=銀河系の寿命=100億年

 何を銀河系の寿命とするかも難しいところですが、天の川銀河は50億年後くらいにはアンドロメダ銀河と衝突する可能性があることがわかっています。


 さて、楽観的な推定値も含まれますがこれらの値をあてはめて計算すると、

N=銀河系内で電波で交信する文明を持つ惑星の数  =0.1L =0.1×文明の寿命

 となります。


宇宙文明の数は人類にかかっている?

 文明の寿命に関しては知る由もありません。われわれが唯一知る宇宙文明である人類すら、電波天文学に着手してから100年程度しか経っていないのです。

 仮にL=1万年とすると宇宙文明の数は1000個ほどとなりますが、はたして人類はこの先1万年以上も繁栄を維持することができるでしょうか?

 「宇宙文明の数」と「その宇宙文明と交信できるかどうか」は、ある意味で「私たち人類の文明がどこまで長く頑張れるか」にかかっているともいえるのかもしれませんね。


電波天文台 いつか出会える日は来るだろうか

主要参考文献

『シリーズ現代の天文学 人類の住む宇宙』 岡村定矩他編


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2107/23/news003.jpg ぬいぐるみを抱いて眠る保護子猫、寂しくなって……? 飼い主さんのもとへ行く姿がもん絶級にかわいい
  2. /nl/articles/2107/22/news018.jpg 【漫画】夫の買い置きを勝手に食べ、謝る妻だったが…… 思いがけない夫の愛ある言葉に「前世は仏様か?」の声
  3. /nl/articles/2107/22/news009.jpg 「私たち、どうして終わったんだっけ」―― 元カレと再会して本当の“別れの理由”に気付く漫画が切なくも心に刺さる
  4. /nl/articles/2107/22/news011.jpg リモートワークになったので田舎に移住してみたら…… ワケありなメイドさんと暮らすことになった漫画に「かわいい」「うちにも来てほしい」の声
  5. /nl/articles/2107/23/news050.jpg 小学生に読書感想文の書き方教えるテンプレが最高にわかりやすい 学生時代に「欲しかった」と2万“いいね”
  6. /nl/articles/2107/23/news014.jpg 「目がおかしくなりそうなぐらいアザラシの最中作っています」 まんまるでコロコロな「アザラシ最中」がずっと眺めていたくなるかわいさ
  7. /nl/articles/2107/23/news006.jpg シリアスなの? ギャグなの? 漫画「エスパー少女が花嫁を奪いにくる話」にツッコミが追いつかない
  8. /nl/articles/2107/22/news039.jpg 「ベンツが似合いすぎる」 矢沢永吉、28歳・ソロデビュー間もないころに買った愛車を披露 「やっぱ最高にセンスがイイ」の声
  9. /nl/articles/2107/23/news002.jpg 【なんて読む?】今日の難読漢字「蕩ける」
  10. /nl/articles/2107/22/news005.jpg 赤ちゃんウサギの世話をするハト 大きくなってもあたため続ける姿に愛があふれている

先週の総合アクセスTOP10

  1. 上野樹里、“娘”の誕生日に愛情たっぷり手作りオムライス公開 「がんばろうね ママより」と祝福メッセージ
  2. 石橋貴明&鈴木保奈美が離婚報告 今後は“事務所社長と所属俳優”として「新たなパートナーシップ」構築
  3. 元ブルゾンちえみ・藤原史織、最新ショットに反響 「更に痩せた?? 可愛すぎる」「素敵です!! 足細いですね」
  4. 「美容師人生の集大成を見せる」 タンザニアハーフ女子を縮毛矯正したら「美容師ナメてた」「人生変わるレベル」と360万再生
  5. 出勤時、妻にいつになく強く抱きしめられた夫→妻が家に帰ってくると…… 何気ない日常を描いた漫画にツッコミつつもジーンとする
  6. 怒られたシェパード、柴犬の後ろに隠れたけど…… でっかくて丸見えなしょんぼりワンコが応援したくなる
  7. 塚本高史、中2長女&小6長男の背の高さに驚き 「なんじゃこいつらの成長の早さは!」「俺身長抜かれるんか?」
  8. 「声出して笑った」「狂人度高くて好き」 自転車泥棒を防ごうと不吉そうな箱を自作→まさかの結末迎える漫画が話題に
  9. 石橋貴明の娘・穂乃香「お父さん大好き」 幼少期キスショット公開し「愛されてますね〜」「ステキな写真!」と反響
  10. 基地で生まれ育った子猫、兵士が足踏みすると…… まねをして一緒に行進する姿がかわいい

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「産んでくれた親に失礼」「ちょっと我慢できません」 上原浩治、容姿批判のコラム記事に不快感あらわ
  2. ホワイトタイガー「あっ、落としてもうた」 うっかり子どもを落とした母と、落ちてゆく子どもの表情がじわじわくる
  3. がん闘病の大島康徳、肝臓に続いて肺への転移を告白 息苦しさに悩まされるも「大して成長してない」
  4. 「目パッチリです」 宮迫博之、最高難度の美容整形を決行 クスリ疑惑もたれたクマやほうれい線の一掃で“別迫”に
  5. 石橋貴明の娘・穂乃香「お父さん大好き」 幼少期キスショット公開し「愛されてますね〜」「ステキな写真!」と反響
  6. 大島康徳、ステージ4のがん闘病でげっそり顔痩せ 相次ぐ通院に「正直かなりしんどかった」
  7. 山に捨てられていたワンコを保護→2年後…… “すっかり懐いたイッヌ”の表情に「爆笑した」「かっこよすぎ」の声
  8. 「ブス、死ね」 りゅうちぇる、心ない言葉への返答が感銘を呼ぶ 「心もイケメン」「りゅうちぇるのおかげで自己肯定感上がった」
  9. 『はらぺこあおむし』の版元、毎日新聞の風刺漫画を批判 「おそらく絵本を読んでいない」
  10. 小林礼奈、4歳娘を連れて夕食中に客とトラブル 痛烈コメント受けて「私たち親子を悪にしたい人がいる」