常識を覆す「投げ」の排除、徹底再現されたドラゴンボールの世界観―― 「ドラゴンボール ファイターズ」はいかにして最高の格闘ゲームになったのか(2/4 ページ)

» 2018年03月15日 12時00分 公開
[イッコウねとらぼ]

待ち望まれる日米のヒーロー決戦

 あらゆる格闘ゲームの猛者が集まる中、最強の筆頭候補とされているのが、CYCLOPS athlete gamingに所属し関西を拠点に活動する「GO1」(ゴーイチ)と、ECHO FOXに所属しアメリカで活動する「SONIC FOX」(ソニックフォックス)だ。GO1は並み居る競合をはねのけて闘会議2018の「ドラゴンボール ファイターズ」部門で優勝し、現在国内最強と目されるプレイヤー。対するSONIC FOXも海外の複数の大会で優勝し、最強プレイヤー候補として存在感を放っている。これまで特段の因縁はなかったはずの2人だが、今では「最強のドラゴンボール ファイターズプレイヤー」の肩書を巡ってお互いを強く意識しているようだ。


DBFZ ドラゴンボール ファイターズ GO1(画像はCYCLOPS athlete gamingのサイトより)

DBFZ ドラゴンボール ファイターズ ソニックフォックス(画像はECHO FOXのサイトより)

 GO1は2月末に行われたMixUpNightというイベントで優勝し、直後のインタビューで「次はSONIC FOX、お前だ」と挑発的なコメントを残した。それを見たSONIC FOXも「来いよGO1、お前に誰がパーフェクトなのか見せてやる」とツイート。SONIC FOXはその後もネット配信で「GO1、お前はもう死んでいる」と発言するなど、2人の対立構造は国内外を問わず話題になっている。もともとGO1は「MELTY BLOOD」や「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」などの国産格闘ゲームで腕を磨いてきたのに対し、SONIC FOXは「Mortal Kombat」や「Injustice」といったアメリカ産の格闘ゲームで活躍しており、「日本産格闘ゲーム勢VSアメリカ産格闘ゲーム勢」の構図が色濃く出ているのも、注目を集める一因だろう。

 猛者たちが切磋琢磨し研究が進む中、どのキャラクターが強くどういった戦術が有効なのかといったセオリーは世界的に見ても固まりつつあるが、この2人のプレイスタイルで明確に異なるポイントがある。「ベジータ」の評価だ


DBFZ ドラゴンボール ファイターズ ベジータ(画像はドラゴンボール ファイターズのサイトより)

「ベジータ」を酷評するSONIC FOX

 ベジータは、控えのキャラクターを呼び出して攻撃させるシステム「Zアシスト」で真価を発揮するキャラクターだ。ベジータのZアシストは両手から連続でエネルギー弾を発射するというもの(いわゆる「グミ撃ち」)で、他のキャラクターと比較して広い攻撃範囲と非常に長い拘束時間を持ち、ベジータが起こす爆風によって視認性を極端に下げることもできるため、全キャラの中でも最高の性能を持っているといえる。恐らく格闘ゲームに精通しているプレイヤーなら「ベジータのZアシストが強力すぎる」と発売後数日以内には気付いただろう。


DBFZ ドラゴンボール ファイターズ ベジータのZアシストを使用した例。爆風でキャラクターが隠れてしまい、相手の動きが判別しづらい状態になる

 さらに、「Zアシスト」だけでなく、本体キャラクターとしてベジータを使用したとしても攻めの面でも守りの面でも特段欠点がない。そのため、国内では最強キャラの一角とみられており、GO1も発売当初から今に至るまでベジータを使用し続けている。その評価は、闘会議2018で上位入賞者全員がベジータを使っていたほど確固たるものだが、SONIC FOXによるベジータの評価はそんな常識を真っ向から否定するものだった

 SONIC FOXはTwitterで、自身の考えるキャラクターの強さランキングを公開している。「人造人間16号」「セル」「魔人ブウ(純粋)」「悟飯(青年期)」など、上位キャラクターの評価は日本国内のものとほぼ同列だが、「ベジータ」は平均以下という評価だ。SONICFOXは早い段階でベジータの能力に見切りを付けており、「ベジータはチーム枠の無駄」とすら発言している。もちろん、勝負を分けるのはキャラクター性能だけではないが、1人のキャラクターがここまで評価を分ける例は極めてまれだ。

 3月16日(現地時間)から開催される世界大会「Final Round」で、2人の10本先取マッチが行われる予定だ。10本先取マッチで負ければもう言い逃れはできない。日本のゲームコミュニティーで育ったGO1が強いのか、海外産の格闘ゲームで鍛えられたSONIC FOXが強いのか――その答えはここで明確になるだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. /nl/articles/2404/21/news005.jpg 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  3. /nl/articles/2404/22/news028.jpg 0歳双子を19時15分に寝かせ続けたママ→1年後…… メリットだらけの挑戦記録に「偉い&すごい!」「寝る子は育つ、その通りですね」
  4. /nl/articles/2404/21/news013.jpg 【今日の計算】「101×99」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/16/news027.jpg 中古軽自動車をキャンピングカー仕様にして日本一周するカップル 車内で料理中、思わぬアクシデントが…… その後の姿に「すごい」「尊敬します」
  6. /nl/articles/2404/22/news122.jpg 「あの頃の橋本環奈すぎる」21歳の無名アイドル、幼少期ショット公開で再びどよめき「凄い完成してる」「美少女の片鱗が見えすぎてる」
  7. /nl/articles/2404/22/news026.jpg ご機嫌でルンルンステップを踏む柴犬、それをパパがまねすると…… ルンルンはひとりで楽しみたい派の塩対応に「めっちゃ可愛い」と100万表示
  8. /nl/articles/2308/31/news023.jpg 庭の草刈り中に小さな卵を発見、孵化させてみたら…… 命の誕生の記録に「すごい可愛い!」「すてきな家族」
  9. /nl/articles/2404/21/news029.jpg 飼い主を引っかいてしまった黒猫“自分の犯した過ち”に気が付いて…… いつもと違う行動に「反省してるのが分かる〜!」と190万再生
  10. /nl/articles/2404/22/news020.jpg 「飼い主ビビる」猫たちに猫草をあげたら……“ちがうもの”を食う1匹の姿が182万表示! 予想外の展開に「ちょっww」「狂気を見た」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」