歴史的な大雨の原因は? 現時点で考えられるメカニズム解説
主な2つの要因が重なったことで大雨に繋がった可能性があります。
7月5日から現在まで、西日本を中心に広いエリアで歴史的な大雨となってる原因について、ウェザーニューズが現時点で考えられるメカニズムを解説しています。
なお、昨夜21時10分まで大雨特別警報が発表されていた広島県呉市では、わずか半日で7月の1カ月分(227.7ミリ)を大きく上回る雨量246.5ミリを記録。24時間の雨量は、高知県本山で593.0ミリ、岐阜県郡上市ひるがので419.0ミリ、愛媛県宇和で347.0ミリなど、いずれも記録的な大雨となり、多発的な土砂災害や河川の氾濫につながっています。
今回の大雨の引き金となったのは、「太平洋高気圧」と上空の「気圧の谷」の位置関係。太平洋高気圧が本州の南東海上で勢力を維持し、台風7号が去ったあとに朝鮮半島から日本海に気圧の谷が形成されたことで全体の気圧配置が変化しにくい状況に。そのため、その間に挟まれる形で「梅雨前線」が北上も南下もできない“ロック”された状態になってしまったとのこと。
もう一つの要因が、上空1500メートル付近に沖縄から西日本方面に風の強い領域があること。これにより沖縄周辺の「非常に湿った空気」が継続的に送り込まれ、激しい雨をもたらす雨雲の供給源になったとしています。
これらの要因が重なったことで広範囲かつ長時間の大雨につながった可能性が高いということですが、7日の時点で太平洋高気圧がやや北に勢力を拡大し、気圧の谷も東進して拮抗状態が崩れてきたとのことで、ようやく終わりが見えてきたと言えそうです。
もちろん「大雨特別警報」が発表されている地域では油断は禁物です。また交通機関では、土砂の流入など災害が発生した高速道路の路線で復旧作業により通行止めが長引くといったおそれがあるので、あらかじめ状況を確認することも大事になってくるでしょう。
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