サッカー日本×ポーランド戦、ラストの時間稼ぎは数学的に正解? 予選突破の確率を分析した結果「攻めた場合を上回る」

正直ざっくりとしか理解できていませんが、アプローチのしかたが興味深い。

» 2018年07月09日 19時45分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 サッカー日本代表はワールドカップグループリーグ最後のポーランド戦で、0-1で敗れながらも決勝トーナメント進出を決めました。終盤、負けていながらパス回しで時間稼ぎをした消極的な采配への賛否はさておき、実際「攻めにいく」と「守りに徹する」のでは、戦略的にどちらが有利だったのか? 高校教師のさいとうあきを(@akio_saitou)さんが数学的に分析し、Twitterで公開しました


 試合前のグループHの状況を整理すると、トップはコロンビア、最下位は予選敗退が確定しているポーランド。日本とセネガルは勝ち点・得失点差・通算得点ともに同一の2位で、日本は反則が少ない分、フェアプレーポイントで優位に立っていました。そして迎えた日本対ポーランドとセネガル対コロンビア(同時進行)では、日本が1点を失ったのち、セネガルも後半29分に失点。両試合ともこのまま終わると試合前と得失点などの状況は変わらず、日本の決勝進出が決まる状況でした。

 これをふまえて、投稿主はその後4チームが1得点するか否かによる結果の分岐を、日本代表が「攻めにいった場合」と「守りに徹した場合」に分けて抽出。前者は16通りのパターン中、10通りで日本の決勝進出が決まります。

 後者では、既に1点リードしているポーランドに2点目を狙うインセンティブがないことを前提に日本とポーランドは無得点仮定。セネガルが「勝ちにいくしかない」状況もあり、現実の結果通りにセネガル×コロンビア戦の成り行きで日本の決勝進出の成否が決まるシンプルな図式にまとめています。


分岐 例えば全チームが1得点した場合、日本とセネガルの勝ち点や得失点差などは変わらず、フェアプレーポイントの優位で日本の2位通過が決まる

 こうした条件をもとに、投稿主は「日本が点をとる確率/とらない確率×セネガルが点をとる確率/とらない確率<ポーランドが得点かつ、コロンビアが点をとらない確率/それ以外の確率」という条件式を立て、これが成立した場合「日本代表は『守りに徹する』が有利」としました。計算例として、各チームの直近5試合の平均得点から、試合終了までの15分で点をとる確率を割り出して代入した結果、両辺の数値はおよそ「1<3」に。日本代表の戦略は、確率的には正しかったとの推論が導かれました。


計算例 パス回しは数学的にも合理的な戦略だった……?

 ツイートには「あのパス回しを数学的に捉える人もいるのか」「観戦経験さえあれば、日本代表の戦略を合理的な判断ととることはできるが、それを理論的に説明するのは面白い」など、感心する声が多数。その一方で、「サッカーの得点率を割り出すにはもっと多くの条件が必要」といった指摘もあります。上記の計算例から「守るが有利」と結論づけることはできないかもしれませんが、一定の指標として意義のある試みといえるでしょう。

さいとうさんは生徒さんたちと【数字×ラップ】動画も作っています
画像提供:さいとうあきをさん(@akio_saitou)さん

(沓澤真二)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/15/news011.jpg 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. /nl/articles/2412/16/news107.jpg 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. /nl/articles/2412/15/news035.jpg 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. /nl/articles/2312/15/news032.jpg 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. /nl/articles/2412/15/news028.jpg 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. /nl/articles/2412/16/news023.jpg 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」