「こ、これは!」「この発想はさすが!!」 「峠の釜めし」容器の再利用に目からウロコ、生コン詰めて“おもり”に(1/2 ページ)
地元に根付く「峠の釜めし愛」を再発見。再利用を推進する建材会社さんに聞きました。
益子焼の土釜を使用した容器で知られる横川駅(JR信越本線)の名物駅弁「峠の釜めし」(関連記事)。あの容器に生コンクリートを詰めて“おもり”として再利用する活動が「これはいい!」と注目を集めています。
確かに峠の釜めしの容器はとても立派な陶器製。思わず保存してしまう(捨てにくいともいいます)容器です。なぜこれを「おもり」にしようと考えたのか。「峠の釜めし リサイクルプロジェクト」を実施する磯貝建材さんに話を聞きました。
空き容器にコンクリートを詰めて、“おもり”として再利用
どうやって釜めしの容器をおもりにするのでしょうか。峠の釜めし リサイクルプロジェクトではこのおもりを「空き釜ウエイト」と名付けています。峠の釜めしの容器に生コンクリートを流し込んで、吊り手を付けて仕上げるのです。
完成後の重量は約2キロ。テントやレジャーシートを抑えるおもりにピッタリです。夏場は軒先やベランダに下げる“すだれ”“日よけ”用のおもりなどとして使うのも良さそうです。
「容器が立派すぎて捨てられない……」 それならばウチにできることは、“これ”はどうか、を思い付いた
横川駅の駅弁として有名な「峠の釜めし」。それは鶏肉やしいたけがギッシリと詰まったおいしいお弁当。そして益子焼の立派な土釜が容器になっています。食べておいしい。そしてその旅の思い出も残るので、「この立派な容器、何かに使えそう」と持ち帰る人は多いはずです。
その後、お弁当箱として使うのもいいですよね(関連記事)。でも、「さて、何に使おうか。多分、いつかは何かに使えるはず」と想像はしつつも、食器棚に保管したままの人も少なくはないはずです。
磯貝建材さんは群馬県安中市にある地元企業です。「峠の釜めし」は名物駅弁なので観光客が買うものとしてのイメージが強いかもしれませんが、横川駅前には製造元であるおぎのやの横川本店があり、実は地元の人にも愛される、近くに住んでいても食べたくなるソウルフードなのです。
容器を捨てるなんてもったいないと感じるのは地元の人も同じ。だから地元の小学校では峠の釜めしの容器で火起こしからお米を炊く授業が行われていたり、安中市のある店ではこの容器でかき氷を出していたりと、この容器は愛されているがゆえにさまざまな形で再利用されているのです。
そういった地元で行われている取り組みを見て、磯貝建材さんも「何かできることはないか」を考えました。新たに何かを準備するのは難しいが、業務でいつも「生コン」を扱っている。生活の中で利用できる「おもり」として再利用するのはどうか、と思い付いたそうです。
うう……。地元愛がすばらしい。こうして生まれる空き容器の「空き釜ウエイト」、磯貝建材さんに釜めし容器を持ち込めば、コンクリ流し込んでおもりに加工してくれるそうです。
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