なぜシャープペンに初期装備されている芯の固さは「HB」なのか?
他の硬さを使う人にはかなり不便だよね。
みなさんも、文房具店や雑貨屋でシャープペンシルを買ったことがあると思います。購入時に既に芯が入っているのが非常にありがたいですよね。買ったときに充電されていない電気製品なども、シャープペンシルを見習ってほしいです。
ところで、この購入時に入っている芯は、大体「HB」です。筆者は「HB」派なのでありがたいのですが、≪「HB」以外派の人々にとってはどうでしょう。例えば「B」を使っている人は、買ってきたら芯を毎回入れ替える必要があります。
シャープペンの購入時に入っている芯が、「HB」となっているのはなぜでしょうか。
文具メーカーに聞いてみる
大手の文具メーカーに理由を尋ねてみました。
――初期装填(そうてん)の芯をHBとしているのには、何か理由や根拠があるのでしょうか。
パイロットコーポレーション:長年HBが最もたくさん販売されていて、普及しているといえる硬度です。そのため、出荷時の芯にはHBを入れています。
トンボ鉛筆:シャープ芯中で最も販売量が多い『HB』を装填しております。弊社は芯経0.3mm、0.5mmを販売していまして、硬度は2B、B、HBの3種です。この中でHBの販売量(=消費量)が約5割を占めます。そうしたことから、広くユーザーさんに受け入れられている硬度と判断し、この硬度を事務学習用のシャープペンシル販売時に装填しております。
要するに、「HB」が圧倒的主流だから、「HB」を入れていますという回答でした。
ただし、一部の高価格商品や特殊な商品には、「HB」以外を装填していることもあるとのこと。例えば三菱鉛筆さんは、グリップの部分がやわらかくなっている「アルファゲル」というシリーズには「B」の芯を装填しているというご回答でした。
なぜHBが主流なのか
では、どうして数ある濃さのなかで、「HB」が最も使われているのでしょうか。
「これが正解だ」と言い切れる答えではありませんが、パイロットさんのご回答で、こんなお言葉がありました。
パイロットコーポレーション:日本工業規格(JIS)では、中心硬度をHBに設定しています。HBを中心として、そこから、濃くて軟らかいほうは6B、硬くて薄いほうは9Hまであります。
どうやらJIS規格に「中心硬度」という概念があり、それが「HB」を最も一般的な濃さ・硬さにしているらしいと考えられます。JIS規格も調べてみると、
硬度記号(hardness degree)
6Bから9Hに至るまでしんの硬さが増加し、9Hから6Bに至るまで線の濃さが増加していくことを表す区分記号。中心硬度はHBである。
出典:JIS S 6005 シャープペンシル用しん
と書かれており、わざわざ「全区分のちょうど真ん中」では決してない「HB」を中心に定めています。
推測ではありますが、
- JIS規格が「HB」を中心硬度と定めた。
- ビジネスシーンや学校など社会全体で、人々が「HB」をよく使うようになった。
- 各メーカーが「HB」を初期装填するようになった。
という流れがあったのではないでしょうか。
おわりに
最近では技術の進歩により、「B」や「2B」の柔らかめの芯も従来より折れにくくなっているそうです。こうした流れで「B」や「2B」のユーザーが大幅に増えれば、「HB」以外が初期装填される未来もあるのかもしれません。
ただし、JIS規格がどんな経緯で「HB」を中心としたのかははっきりしませんでした。海外の規格をそのまま仕入れたのか、JISで定まる前から「HB」が主流だったのか。このあたりは継続して調べていければと思います。
関連記事
- 「40−32÷2=?」この問題、解けますか?
理系にはすぐ解けて、文系には解けない、とんち問答のような問題がネットで話題に。 - 「稟議=りんぎ」「洗浄=せんじょう」ではない? 現代人には分からない“漢字の本来の読み方”
学校のテストで書いたら、逆に減点されそう。 - 「妹は俺の娘」は法律上可能である。○か×か?
嫁は無理でも。 - 「…」「々」「¶」 よく見掛ける記号、名前知ってる?
他人に言うときは「アレ」で済ませちゃうやつ。 - 【マンガ】警察の「白バイ」が白色になった理由
最初は別の色だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「ふざけてる」「作品を知らないのになぜ?」と怒りの声 マクドナルドと「HUNTER×HUNTER」コラボの“PR施策”が物議【台湾】
-
「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた
-
たった築8年で“ぶっ壊れた”マイホームのリアル おそろしい戸建て事情に「声出た」「我が家もそうでした」
-
大家に「好きにしていいよ」と言われて薄暗い部屋をDIY改装したら…… あまりの変貌に仰天「すっげえええ」 投稿者に話を聞いた
-
【今日の計算】「3+3÷3−3」を計算せよ
-
荒れ放題の“悪夢の庭”をたった1人で11時間掃除したら…… あっぱれすぎる働きぶりに「あなたはヒーロー」と称賛
-
一度も髪を切ったことがない女性が、髪をほどくと…… 美容師も驚がくのスーパーロングヘアに470万いいね「リアルラプンツェル!」【海外】
-
生後0日→1歳10カ月の赤ちゃん成長ビフォーアフターが衝撃の700万再生 それから2年たった現在は…… さらに驚く姿に反響
-
2歳娘が一時保育に行ってる隙に“空き巣”が…… まさかの正体に「留守を狙ったんですね」「かくほしちゃうぞ」
-
自宅の犬小屋に住み着いた野良猫が、1年後…… まさかまさかの“現在”に「うわあ!よかったねえ!」「お幸せに」と100万表示
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「Snow Man」の映像が中国で物議→公開停止 所属会社「歴史的事象に対する配慮に欠けた」と中国語と日本語で謝罪
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「かわいいってこういうこと」 生後1カ月の子猫が暖をとる場所は……幸せしかない姿に「この角度から見るのが最幸」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 「ボットン便所を簡易水洗にしたい」→「どれどれ……」 建設会社スタッフが驚がくした“歴史的遺物”に大反響 「相当貴重なもの」
- 「その手があったか!」 ほぼ卵焼きだけの弁当?→“まさかのサプライズ”が800万再生 「天才すぎて泣いた」
- 飛行機で傷口が感染し「身体の一部を切除」 133万フォロワーの元アイドル「痛みで涙が止まらない」悲痛の現状報告
- “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
- 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
- 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
- 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
- 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
- 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
- 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
- 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
- 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
- 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声