架空絵本ネタ「どーなっつ文庫」、名物読者のボブが絵本の世界に吸い込まれる超展開の末に感動のフィナーレ

絵本のタイトルや読者の感想に仕込まれていた仕掛けが、全て折り重なってつむがれる壮大な結末。

» 2019年01月16日 09時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 架空の出版社「どーなっつ文庫」のアカウントで展開されてきた一連の絵本ネタが、超展開の末に壮大な結末を迎えました(関連記事)。絵本の感想紹介コーナーにやたら出てくる名物読者「ボブ」や、絶版絵本のキャラクター「ぱんだくん」など、ちりばめられてきた謎が次々と解明され、物語をつむいでいく流れに圧倒されます。


どーなっつ文庫 フィナーレの一節。ものすごく壮大な物語だった……

 どーなっつ文庫は、手錠と足かせのついた犬の絵が表紙に載った「あしを あらおう!」など、ブラックジョークを織り込んだ絵本を紹介するアカウント。架空出版社としての世界観を補強するため、絵本に寄せられた感想を紹介するツイートも投稿されており、そのたびにボブの名が見られました。


どーなっつ文庫 どーなっつ文庫アカウントで最初に紹介された絵本「あしを あらおう!」(悪事から)

どーなっつ文庫 同作への感想紹介で、「I can't read.」と投稿していた、コネチカット州のボブ。これがまさか、壮大な物語の始まりとは……

 序盤に掲載されたボブの感想は「I can't read.」ばかりで、当初は「日本語が読めないのにわざわざ買って文句を言っている」というネタに思われていました。ところがある時期から、投稿に異変が。「ボブの家へ絵本が勝手に送られている」「ボブは日本への留学経験があったはずなのに、その記憶が消えている」など、感想コーナーで謎だらけのストーリーが展開されるようになったのです。


 ボブは留学した当時の荷物を調べているうちに、どーなっつ文庫の作家「嶋戸奈津音」に会ったことを思い出します。そして、失われた記憶の鍵を求めて日本へ。どーなっつ文庫の社長との対談を実現し、謎の糸口をつかみます。


どーなっつ文庫 嶋戸奈津音がデビュー前に書いた絵本「ありがとうの おくりもの」が全ての発端?

どーなっつ文庫 社長が口にした「はとのゆうびんやさん」が謎の糸口に


 ボブはしばらく日本に留まり、どーなっつ文庫で起きている怪現象の解決に協力することに。ところが、彼は突然絵本の中に閉じ込められてしまいます。犯人はぱんだくん。絶版となった寂しさから闇落ちし、絵本から飛び出して暴走していたのです。


どーなっつ文庫

どーなっつ文庫

どーなっつ文庫

どーなっつ文庫 寂しいあまりに暴走し、絵本から飛び出したぱんだくん


 ぱんだくんは絵本の人気投票を操作して、ボブや他のキャラクターの絵本を下位にし、代わりに自分が返り咲こうともくろみます。このままでは、最下位となった者はいずれかつてのぱんだくんのように絶版とされ、キャラクターとしては消されてしまいます。ところが、どーなっつ文庫の主要キャラクター、こいぬのワンきちがボブを救おうと対抗Twitterのアンケートでボブがビリにならないよう投票してほしいと、読者に呼びかけます。物語は架空出版社の状況と絵本の世界、ツイートを閲覧している我々が入り交じった異常な様相に。


 さらに、ワンきちは「こいぬのワンきち 匿名掲示板で自演したりヘイトを書き込んだりするのまき」という、自分を下げるような絵本を制作。自身が最下位となることで、ボブを救います。それでもぱんだくんは諦めずにすぐさま次の人気投票を実施しますが、熱烈にボブを推す読者の抗議を受けて、なぜかアンケートの選択肢は全てボブに。ボブは窮地を救われます。


どーなっつ文庫 ワンきちが犠牲となることで、ボブの最下位を阻止


どーなっつ文庫 過去のあやまちを償おうとする「埼玉県のおかあさん」が猛抗議


 もくろみが崩れたぱんだくんは、他のキャラクターにこらしめられることに。「あとかたづけ できるかな?」「ごめんなさい できるかな」など、過去に紹介された絵本のタイトルに責められ、最後に「あしを あらおう!」に取り押さえられます。最初に紹介された絵本がフィニッシュに使われるとか、グッと来すぎて鳥肌やばい。


どーなっつ文庫 アテが外れて途方に暮れるぱんだくん

どーなっつ文庫

どーなっつ文庫

どーなっつ文庫

どーなっつ文庫 絵本たちが協力してぱんだくんをこらしめる

どーなっつ文庫 一部の絵本が、元のタイトルのままぱんだくんを責めていることに注目

どーなっつ文庫 あらためて、「あしをあらおう!(悪事から)」

 結局、「嶋戸奈津音」とは何者で、なぜボブを巻き込み怪現象を起こしていたのか――それは、脱出したボブから語られます。怪現象が去ったことで、不穏な内容だった絵本たちも普通に。「絵本のキャラクターとは何か」を語りつつ、壮大な物語は幕を閉じました。


 「めでたしめでたし」と言いつつも、考察の余地や少しの謎を残しつつ終わったどーなっつ文庫。作者のマスティ(@DoughnutsCinema)さんも「最後のアレも一応意味はあるのですがまだ内緒です」と、含みのある言葉を残しており、もう一波乱あるかもしれません。


画像提供:マスティ(@DoughnutsCinema)さん


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/18/news145.jpg “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  3. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. /nl/articles/2412/17/news197.jpg 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  6. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  7. /nl/articles/2412/18/news059.jpg 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2411/25/news189.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  10. /nl/articles/2412/18/news056.jpg 日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」