ニュース
» 2019年02月24日 15時51分 公開

「ストV AE」大会でももち選手が7位入賞も10万円しか賞金受け取れず 物議を呼んだ“プロ制度”、JeSUの見解は

「ライセンスがあれば賞金を出せる仕組みだが、ももち選手は自身の判断でライセンス取得をしていない」。

[ねとらぼ]

 2018年12月に開催された格闘ゲーム「ストリートファイターV アーケードエディション」の公式世界大会「カプコンカップ」で、7位タイとなった「ももち」選手が、本来約50万円の賞金を受け取れたにもかかわらず、10万円しか受け取っていなかったことが分かり議論を呼んでいます。減額の理由は、日本eスポーツ連合(JeSU)のプロライセンスを取得していないこととされていますが、なぜこのような措置が取られたのでしょうか。JeSUに取材しました。



 JeSUは既存のeスポーツ関連団体を統合する形で2018年2月に発足。eスポーツ選手の育成や地位向上、eスポーツのオリンピック種目化などを目指すとして、「プロゲーマーライセンス」の交付も行われることになりました。JeSUによると、このライセンスはそれまで明確な定義のなかった「プロゲーマー」の一つの基準となり、“景表法などにより国内で高額賞金がかかった大会を開けない”という問題を解決するものとされています。


カプコンカップ

 「カプコンカップ」は格闘ゲームの中でもトップクラスの賞金が掛けられた大会として知られ、2018年開催時の優勝賞金は25万ドル。7位タイとなったももち選手にも5000ドル(約50万円)の賞金が与えられるはずでした。しかし、2月15日から17日まで福岡で開催されていた「EVO JAPAN」への出場時に、妻であるチョコブランカさんの配信で「ももちはカプコンカップで10万円しかもらえなかった」「本来の賞金は50万円ほどだった」との話題がでたことから、「賞金がJeSUによって不当に減額されているのでは」とライセンス制度が物議を醸すことに。

 ももち選手はライセンス制度が発表された際、「プレイヤーやコミュニティーについての議論が抜け落ちている」などとする声明を発表し、その正当性に疑問を投げかけていました(関連記事)。また今回の騒動後に行われた配信でも、「ライセンスを受け取れば賞金を満額受け取れるとの案内があったものの、自らの意思で辞退した」「ライセンス制度発表時に声明を発表したときから、(自身の意見は)大きく変わっていない」「賞金がほしいからと言ってライセンスを受け取るのは違う」などと説明。その場でライセンスを取得すれば賞金も満額(5000ドル)受け取れたことや、それでもあえてライセンスは受け取らず、自らの意思で10万円を選んだことなどを明かしました。


カプコンカップ ももち選手が活躍する格闘ゲームは、「eスポーツ」という言葉が浸透する前から、長年に渡りプレイヤーやコミュニティーによって支えられていました。しかしJeSUはそれらの理解が得られないまま突然発足したため、ももち選手以外からも多くの反発を受けていました(ももち選手の見解 2017年/画像は忍ismのサイトより)

 プロゲーマーライセンス制度については発表当初から一部で正当性が疑問視され続けており、今回の件についても「(カプコンカップの賞金は)本当に減額しなければならなかったのか」「興行であれば報酬として賞金を出せたのでは」との意見が上がっています。そこで、カプコンカップの賞金問題について「なぜ賞金を減額しなければならなかったのか」「一部で“興行という形であれば賞金を出せたのではないか”とする意見もあるが、なぜそうしなかったのか」「今後のカプコンカップでも“ライセンスを受け取らない場合は賞金上限10万円”の措置が取られるのか」について、JeSUに問い合わせを行いました。以下、回答の全文を掲載します。

消費者庁の担当課長が、メディアのインタビューで応えた話のなかに「eスポーツの大会出場者が優れた技術によって観客を魅了する仕事をし、その報酬として賞金を得る場合、その賞金はプロ・アマ問わず、景表法で言う『景品類』の該当しない」という言葉がありました。しかし、この言葉で言うところの優れた技術とはどの程度のものなのか、そもそもeスポーツとは何を指すのかなど、言葉の規定はまったくありません。
各IPホルダーが法律を厳守しようとしたとき、法的に許容される線引きが必要になりました。一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)は一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)、一般社団法人 日本オンラインゲーム協会(JOGA)からの協力を受け、出来上がった団体です。従来3つに分かれていたeスポーツ関連団体、社団法人をまとめ、国内における唯一のeスポーツ関連団体として、産業界、関係省庁への窓口を一本化した立ち位置にあります。各方面からの意見を聞きながらまとめあげたものが、JeSUが発行するプロライセンスです。このライセンス制度に関しては、消費者庁にも確認をし、「明確にわかりやすく合法的な仕組みである」との言葉をいただいています。
このライセンスの制度は、日本国内における法を忠実に厳守する上で、賞金制度を可能にする大きな取り組みです。選手の賞金を恣意的に減額するしないという話ではなく、ライセンスがあることで、賞金を出せる仕組みです。この取組みついて、ももち選手ご自身も、ライセンスを受け取っていれば、賞金を受け取れることを理解されているなか、ご本人の意思でライセンス取得をされていません。
ライセンスの在り方には、さまざまな法解釈をして、批判をする方がいたことは認識しています。しかし、ライセンス発行から1年が経過し、各方面から危惧された問題点に関して、関係省庁からは一度も批判的なご指摘は無かったことを、御報告します。その間、このライセンスの制度をベースに、約40の公認大会が開催され、賞金総額は1億5000万円に達しています。
今後の開催される個別の大会に関して、賞金が出るかでないかはコメントは出来ません。
しかし、ライセンス制度に賛同し、公認タイトルになっている競技に関しては、いまの法を順守する仕組みで継続して大会運営が行われるものだと思います。

※なお、今回の問題について「カプコンカップ」を開催しているカプコンにも問い合わせを行いましたが、会員企業として個別で回答できないためJeSUに改めて問い合わせてほしいとのことでした。

 今回の回答でJeSUは、賞金問題については「ライセンスがあれば賞金を出せる仕組みだが、ももち選手は自身の判断でライセンス取得をしていない」とするとともに、その正当性については「プロゲーマーライセンス制度について消費者庁を含めた各方面に確認を取った上で発行したもの」「危惧されている問題について関係省庁からの指摘はない」と語っています。

 また、ももち選手はEVO JAPANの「ストリートファイターV アーケードエディション」部門で優勝し、賞金150万円を獲得(景表法の問題は、スポンサーが賞金を拠出することでクリアしているとみられます)。今回の話題はEVO JAPANの開催期間中に持ち上がったものであることから、一部から「EVO JAPANの賞金も10万円しかもらえないのでは」との意見もあがりましたが、ももち選手は配信上でこれを明確に否定しています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10

  1. 鳥取砂丘から古い「ファンタグレープ」の空き缶が出土 → 情報を募った結果とても貴重なものと判明 ファンタ公式も反応
  2. 「モンストのせいで彼氏と別れました」→ 運営からの回答が“神対応”と反響 思いやりに満ちた言葉に「強く生きようと思う」と前向きに
  3. 「この抜き型、何ですか……?」 家で見つけた“謎のディズニーグッズ”にさまざまな推察、そして意外な正体が判明
  4. 人間に助けを求めてきた母犬、外を探すと…… びしょ濡れになったうまれたての子犬たちを保護
  5. 幼なじみと5年ぶりに再会したら…… 陸上選手から人間ではない何かに変わっていく姿を見てしまう漫画が切ない
  6. ブルボンの“公式擬人化”ついにラスト「ホワイトロリータ」公開 イメージ通り過ぎて満点のデザイン
  7. 「幸せな風景すぎて涙出ました」 じいちゃんの台車に乗って散歩するワンコのほのぼのとした関係に癒やされる
  8. 「遺伝ってすごい」「足長っ!」 仲村トオルの“美人娘”ミオがデビュー、両親譲りのスタイルに驚きの声
  9. 猫「飼い主、大丈夫か……?」 毎日の“お風呂の見守り”を欠かさない3匹の猫ちゃんたちがかわいい
  10. 天才科学者2人が最強最高のロボを作成するが…… 高性能過ぎて2人の秘密がバラされちゃう漫画に頬が緩む

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
  2. 痩せたらこんなに変わるのか 丸山桂里奈、現役時代の姿が別人過ぎて「誰かわからん」の声殺到
  3. 保護した子ネコに「寂しくないように」とあげたヌイグルミ お留守番後に見せた子ネコの姿に涙が出る
  4. セーラーサターンの変身シーン、四半世紀を経てアニメ初公開にネット湧く 「ついに公式が」「感謝しかない」
  5. 「髪型体型全て違う」 丸山桂里奈、引退直後のセルフ写真にツッコミ 4年前のスレンダーな姿に「今も輝いててかわいい」の声も
  6. 鳥取砂丘から古い「ファンタグレープ」の空き缶が出土 → 情報を募った結果とても貴重なものと判明 ファンタ公式も反応
  7. 「マジで助けてくれ」 試験中止で教授に“リスのさんすうノート”を提出することになった大学生に爆笑
  8. 「140秒とは思えない満足感」「なぜこれだけの傑作が埋もれているのか」 崩壊した日本を旅する“最後の動画配信者”のショートフィルムが話題
  9. 「化粧! 今すぐ落としてこい!」 男性教師に怒鳴られる生徒をかばう女性教師を描いた漫画に納得と感謝の声
  10. 畠山愛理、いま着たらピチピチなレオタードを公開 「とんでもなく可愛い」「見惚れてしまいました」と反響