コラム
» 2019年03月02日 11時00分 公開

無限折り、領域付加、円分子法……って俺の知ってる折り紙じゃない 「超複雑系折り紙」の作り方を開成学園「折り紙研究部」に聞いてみた(1/4 ページ)

レベルが高過ぎて、もはや折り紙に見えない件。

[ねとらぼ]

 折り紙といえば、日本では比較的メジャーな遊びの1つ。「折り鶴や紙飛行機、手裏剣あたりなら、子どものころに作ったことがある」という人が、ほとんどなのではないでしょうか。

 しかし、ニュースなどを見ていると、それらよりもはるかに複雑で「どうやって折っているのか全く分からない折り紙」が登場することが。ドラゴンだったり人間だったりと種類はさまざまですが、ネット上でも時々話題になっており、一度くらいは目にしたことがあるのでは?

 実は、超進学校として知られる開成学園(東京都)には、ああいった“スゴい折り紙”の制作・創作を行う部活動が存在。「日本中高生折り紙連盟(JTOU)」という組織の先導的な役割を果たしているといいます。今回は、同校「折り紙研究部」を取材しました。


折り紙研究部部員が折った「龍神 3.5」(創作:神谷哲史氏)。「世界でもっとも複雑な折り紙」として知られている作品です


部長が制作した「エンシェントドラゴン」(創作:神谷哲史氏)

「複雑過ぎて、折る順番が分かる資料がない」は当たり前

取材した部員

  • 大澤くん:中学3年生。折り紙研究部部長
  • 金子くん:高校2年生。日本中高生折り紙連盟(JTOU)会長
  • 中村くん:高校2年生。折り紙経験10年超

(学年は取材した2月下旬時点/以下、敬称略)


―― 折り紙研究部は、どういった活動をしているのですか?

大澤:開成学園は中高一貫校で、部活には中学生から高校生まで所属しています。部員数は約20人で、中学生の方がちょっと多いかな、という感じです。

 活動は週2回で、展覧会、文化祭が控えている時期は作品制作がメイン。それ以外は折り紙関係の書籍を読んだり、「折り紙作家さんがこういう作品を作っていた」と雑談したり。わりと自由な感じです。

―― 素人丸出しの質問で申し訳ないんですが……あのすごーく複雑な折り紙って、どうやって折っているんですか?

大澤:折り方をステップ順に示した「折り図」が載っている本を見たことはありませんか?

 制作するときは、それを作家さんごとにまとめた書籍を見たり、日本折紙学会が隔月で刊行している雑誌「折紙探偵団マガジン」を参考にしたりしています。

―― それだけ聞くと、わりと普通の折り紙に近い印象を受けますね。

大澤:ただ、必ずしも折り図が用意されているわけではなくて、そういうときは「展開図」を見て作ることになります。折るのに必要な線だけが描かれたもので、山折り/谷折りは線の色で分かりますが、手順などは記載されていません。

―― 「開いた折り紙から、元の作品を復元する」のとあまり変わらない気がするんですが……。大変ではないんですか?

中村折り図って、作るのが大変なんですよ。完成までに必要な工程の数だけ図を用意すると、場合によっては数百枚になってしまいますし。「自分じゃなくて、他人のために作るもの」ですね。

金子:折り図を作ってくれる人は……マジで良心的だと思います。

大澤:その点、展開図はオリジナル作品を考えるときに使われることが多いので、わざわざ用意する必要がないんです。例えば、僕の創作作品の展開図はこんな感じで、折ると「掛け時計」になります。


大澤くん創作「掛け時計」の展開図。これを折ると……


ローマ数字が刻まれた四角い時計に

―― 赤、青色の線が規則的に配置されていて、幾何学模様みたいな美しさがありますね。どうやって折ったらいいかは、さっぱり分かりませんが……。

大澤:折り紙をしている人全体で考えると、だいたいの人が「折り図があれば作れる」段階で止まっていて、その先に「展開図から考えて折れる人」。さらに進むと、他人の作品を折る“制作”だけでなく、自分の作品を作る“創作”もしている人たちがちょっといる感じ。うちの部活でも、全員が創作までやっているわけではありませんね。

折り紙創作のテクニック:円分子法

―― 折り紙といえば「折り鶴、手裏剣などの既存作品を作る」のが一般的な楽しみ方。創作は、どうすればできるようになるんですか?

中村:……“角(かど)を出す”ことを意識すればいいんじゃないかなあ。「出したい角をどうやって紙に配置するか」というか。

―― 角を出す……?

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