「ペイペイ使えます」 30円の釣り堀がある街、【曳舟】に残る“昭和”(2/3 ページ)
文具店の開店準備をしているおばあさんに話しかけてみた。
筆者:おはようございます。ここでのご商売は長いんですか?
おばあさん:長いわねえ〜、ここにお嫁に来てからだから……もう50年になるわね。昔は人通りが多くて賑わっていたんだけど、最近はさっぱり交通量が減ってしまったの。
筆者:週末なのに閑散としてますね。
おばあさん:お店を閉じちゃったとこもちらほらあってね……なんだか寂しいわね。
筆者:でも、都内なのにすごく静かで住みやすい場所のような気がします。
おばあさん:そう、住むにはいい場所よ。公園や観光地だってけっこうあるし、浅草は徒歩圏内だし、向島まで行けば百花園もあるの。
筆者:百花園?
※百花園:東京都墨田区東向島三丁目にある都立庭園で、江戸時代に発祥をもつ花園。みどころは早春の梅と秋の萩。
おばあさん:とってもステキな梅園よ。あとで行ってみなさい。
筆者:ありがとうございます。そうします!
鳩の街通り商店街には“ガチャガチャ”があった! しかも現役! まるで時が止まっているかのようだ。
なんだろう……昭和感が漂うせいか、初めて来た場所なのに親近感を覚える。子供のころ遊んでいた駄菓子屋周辺っぽさがある。
こういうスタイルのタバコ屋さん、最近は見なくなりましたね。
ペイペイのチラシとノボリが、急に現代に引き戻してくる。対比がなんかすごい。
鳩の街通り商店街を折れると、明治生まれの小説家、吉川英治の旧居跡がありました(今は保育園)。
幸田露伴の旧居跡もすぐそばに。向島にゆかりがあった作家さんだったそうですが、永住したのではなくわりと頻繁に引っ越しはしていたそうです。
どうでもいいけど、幸田露伴(こうだろはん)ってすげえ文化人っぽくてカッコいい名前だなあ(すごくレベルの低いこと言った)。
曳舟〜向島は文学人も多数住んでいた場所。
この辺の駐車料金は1時間600円。都内なのでまあこんなもんでしょう。
俳人、正岡子規もゆかりがある場所だったとは……。国語のテストで「横向いたおっさん=正岡子規」って覚えていたので、今もこの写真を見ると正岡子規だ! って認識できます。
ちなみに芥川龍之介は「アゴに手を添えてカッコつけてた長髪のおっさん」、太宰治は「悲しげな眼で頬杖してるおっさん」と記憶しています。なんつう覚え方だ……。
Googleマップで「森鴎外の住居跡」って表示されたので行ってみたら、バス停しかなかった。えー。
曳舟にいると大体どこからでもスカイツリーが見えますが、メジャーな場所すぎてこの企画のコンセプトとずれるのであえて行きません。
小さくてかわいい「正一位稲荷神社」というお稲荷さんをたまたま見つけた。「よく来たな」とでも言いたげな微笑んだ表情が絶妙。
秋葉神社ってとこも立ち寄ってみました。敷地内で3人の男の子が奇声をあげて遊んでいて、自分の幼少期となんかかぶった。
曳舟駅からちょいと足を伸ばし、文房具屋のお婆さんに勧められた向島百花園に行ってみた。ロードバイクならものの2分で着きます。
縦横100メートル四方くらいの、ちょうどいいサイズの梅園。大きすぎないので散策しやすいです。入園料150円。安い。
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