「ホフホフ熱い……」 『美味しんぼ』1〜111巻から海原雄山がかわいいシーンを独断で選ぶマシーナリーともコラム

おじいちゃん、『美味しんぼ』の話はこの間やったでしょ。

» 2019年03月19日 08時00分 公開
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 バーチャルYouTuber、マシーナリーとも子による不定期コラム第7回(連載一覧)。今回は漫画美味しんぼから、至高のツンデレこと海原雄山「カワイイシーン」について語ってもらいました。おじいちゃん、『美味しんぼ」の話はこの間やったでしょ


マシーナリーともコラム 初期のおちゃらけてない山岡いいよね

ライター:マシーナリーとも子

マシーナリーとも子 プロフィール

徳で動くバーチャルYouTuber(サイボーグ)。「アイドルマスター シンデレラガールズ」の池袋晶葉ちゃんのファンやプロデューサーを増やして投票してもらうために2018年4月に活動開始。前世はプラモ雑誌の編集をしていたとも言われているが定かではない。現在はBOOTHでグッズを売ったりLINEスタンプ(123)を売ったりしている。スマホアプリ(iOS / Android)、合同誌作りました。お仕事募集中。

YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/user/barzam154



たまに立ち回りをミスってカワイくなっちゃう雄山

 オヒョーオヒョー。マシーナリーとも子よ。最近なにやってたかっていうと、労働したり、仕事辞めたりしてた。ウワッ! 仕事辞めちゃったよ。参ったね。これからはしばらくプータロー……もといフリーランサーとしてやっていくからこれを読んでいるそこの君や御社。仕事くれ


マシーナリーともコラム 仕事くれ

 さて給料がもらえなくなったということで当面金がない。読者のみんなも「お金がないぜ〜!」と毎日悩んでるクソカス貧乏がけっこうおると思う。そんなときにうれしいのが最近にわかに流行ってるマンガの期間限定読み放題だよな。最近ではなぜかスキマで将太の寿司を全巻読み放題になった結果やたらTwitterで話題になって割とバズるなんて謎の現象もあったよな……ってまだ読み放題やってるのかよ!

 こういう読み放題サービス、マンガという文化の安売りにつながるんじゃないの? なんて危惧もあるけど単純にやっぱり広告としての効果が高いらしくいろんなところが実施してるよな。期間限定にすることでみんなでワイワイイベント的に読める楽しみ方みたいなのもあるんだと思うわ。かくいう私も以前、『月下の棋士』を無料キャンペーン中に10巻くらい読んだらドハマりして、その後全巻定価で電子書籍買っちゃったりしたこともある。残高が泣いてるぜ。

 そんなマンガの期間限定一気読み配信をやってくれないかな〜と思ってる作品があるんですけど、それはなにかって言うと『美味しんぼ』です。



 ハイ、そこ『美味しんぼ』の話は前にもやっただろとか言わない!!!

 いや、じつはこのマシーナリーとも子、美味しんぼ大好きです!! ってふうなこと言っておきながら、単行本を1から10まで全部集めてキチンと読んだことってないのよ。いわゆるコンビニ本は何十冊も持ってて、それで読んだんだけどさ。だから意外と知らないエピソードが多かったりするんだよな。一応ちょこちょこと30冊くらいKindleで持ってはいるんだけどなんせ100巻超えのマンモス作品だ。全巻ゲットするのは骨も折れるしお金がいくらあっても足りないぜ。

 というわけで今回はもし『美味しんぼ』の読み放題キャンペーンが催されたとしたら、話題になるに違いないであろう「海原雄山のカワイイシーン」を独断でチョイスして紹介していきたいと思う。美味しんぼの象徴ともいえるこのおっさん、たまに立ち回りミスって異常にかわいくなっちゃう回があるんだよな。例えば有名なハンバーガーの回とか。


マシーナリーともコラム 美味しんぼ9巻「ハンバーガーの要素」より。あさましい食い物のハンバーガーの食べ方が分からない雄山

 今回はそんな雄山のチャーミングさに注目して『美味しんぼ』の読みどころをピックアップしていきたいと思う。いまのところ美味しんぼのコミックスは買って読むしかないので気になった回があったら諦めて買って読め。わかったか。



マナー講師モードなのにマナーがなってなかった雄山


マシーナリーともコラム 第6巻「究極の作法」より 脈絡なくいきなりキレだす雄山

 第6巻収録の「究極の作法」は、料理そのものではなく食器である箸をテーマにしたお話。

 この回の雄山は箸に興味を持つフランス人や食通と一緒にメシを食うことになっただけで、本当に特に、まったく山岡と対立する必要性がない立場なんですが、突然食後の山岡に対して「その箸を見てなにか気付かないのか……?」と問いかけ始めます。どうした?

 言われた山岡も突然の問いの趣旨が分からないようで「赤杉でできた箸だろ……?」と材質の話をし始めてしまうんだけど雄山はニヤニヤするだけで「それだけか?」と煽った揚げ句についにはキレ始める。怖いって。


マシーナリーともコラム

 言われて箸の先を見ると箸の濡れ具合が違う! 雄山は山岡の、マナーのなってなさを指摘していたのだ!

 が、そもそもこの食事の席では「メシがうまい」「箸を使う文化って素晴らしいね」という話をしていただけで、誰も、ひとことも「箸を使うときの作法」の話はしていないんだよな……。なのに突然雄山が場を支配して「今回の教訓は食のマナーです」という方向に誘導していきます。なんなんだよ。

 もはや完全に偶然出くわした山岡にケチをつけたいだけ、大目に見ても不肖の息子をしつけたいだけにしか見えないのですが、さらにこの回で白眉なのはいきなり箸の使い方でマナーを問い始めた雄山自身が……。


マシーナリーともコラム

 入室時は廊下をデカい足音立てて歩いていたこと。人類のマナーについてはサイボーグの私は分からないけど、「箸の先端を多めに濡らしてしまう」よりも「廊下をドスドス歩く」ほうがマナー悪いように感じるんですけどどうなんですかね。でもそんなところもカワイイよ雄山。

 ちなみにこの話が収録されている第6巻は、美味しんぼ随一の珍エピソードとして有名な「超能力者にタイムスリップとテレポーテーションさせられる回」も収録されており、おトクなので取りあえず1冊買うのにオススメ。



起承転結が1ページで完璧な雄山

 この雄山は第1巻収録、海原雄山が2回目の登場を果たす「ダシの秘密」に登場。

 この完璧に美しい流れを見てくれ。


マシーナリーともコラム 第1巻収録「ダシの秘密」より。雄山のハイスピード心変わりを軽妙なテンポで描いた名ページ

 いや、マジですごいな。全美味しんぼでいちばん構成が美しい1ページなんじゃないだろうか。

 いいダシを飲んでご機嫌で厨房にやってくる雄山(起)→互いの存在に気付き、声もなく愕然(がくぜん)とする山岡と雄山(承)→意外な遭遇に大慌てする一同(転)→そしてダシを取ったのが山岡と知った途端に毒づき始める雄山(結)……と流れが完璧すぎるんだよな。完成度が高すぎる。山岡相手だとまっっっっったく素直になれない雄山がカワイイを通り越してもはやオモシロの域に達しています。

 いやあこのページを見るだけで初期の美味しんぼは食文化の風刺なんかしなくてもマンガとしてとても完成度が高かったのが伺えるな……。


マシーナリーともコラム

 次のページのこのコマの大原社主ハイスピード脱会も両者の表情の違いとかじーっと見つめてるとジワジワ来て面白い。すき。



飲茶が美味しくてニコニコになってしまう雄山

 第8巻第1話の「飲茶」は美味しんぼ劇中でも屈指といえるほど海原雄山がごきげんになる回で、そもそも今回の「海原雄山のカワイイところを紹介する」という趣旨は、この回の話をしたいがために無理やり立ち上げたといってもいいくらい雄山がカワイイ回です。

 華僑の大物で食通の周大人に招かれた雄山が飲茶を堪能する、という話なんだけど……。


マシーナリーともコラム 第8巻「飲茶」より、料理2品目でもうニコニコしてしまっている雄山

 あまり食べた経験がないのか、普段の触れるもの全て粉砕するかのような荒くれ者だった初期の雄山からは想像できないほどの穏やかな表情を見せてくれます。カワイイ。


マシーナリーともコラム

 ワクワク状態で食い気味に具の話をし始めたり、パクチーの香りに「ああ……」とか漏らしてしまう雄山。カワイイ。


マシーナリーともコラム

 ゴマ団子を前に完全にご機嫌になって「ホフホフ熱い…」とか言い始める雄山。カワイイがすぎるでしょ。もはやリアクションが栗田さんとあまり変わらなくなってきてるじゃねーか。

 初期の雄山は本当に場を荒らしてドラマを引っかき回すだけの暴れん坊だし、巻が進むごとに聖人化が進んでいって表情があまり崩れなくなってくるので、これだけ「喜」の感情を満開にしている姿はほんとうに珍しい。海原雄山について範馬勇次郎みたいなイメージがついてる人にこそ読み直して欲しいお話だね。激オススメ。





 というわけで独断で海原雄山のカワイイシーンをちょこちょこピックアップしてみました。とはいえなにせ全111巻もある『美味しんぼ』。先述した通り全巻読んだわけではないし、まだマシーナリーとも子が見ぬカワイイ雄山がいるのかもしれない。のでこの記事を読んで「浅いぜマシーナリーとも子! まだカワイイ雄山はほかにいるだろ!」と思った人類がいたら教えてください。頼んだぜ。

 っていうか100巻超えの漫画なんておいそれと読破できないよな。ほかにも『ゴルゴ13』とか『こち亀』とかも100巻超えてるしさ……。でもたまにいるんだよな「ゴルゴのあの話って何巻だっったっけ」って聞くと「○巻だね」って即答できる生き字引が。コワイ。私がそういう返しができるのは『アイドルマスター シンデレラガールズ』の池袋晶葉ちゃんくらいのもんだね。と、無理やり池袋晶葉ちゃんにつなげたところで今回は終わりにしましょう。それじゃあな。仕事くれ。



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  6. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/21/news005.jpg 藤本美貴、晩ご飯に手料理7品 多忙でも野菜とお肉たっぷりで反響 「お疲れ様です」「凄く親近感」【2024年の弁当・料理まとめ】
  10. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」