小学1年生が父親から豆代を借り入れ家庭内でコーヒー店を起業 「ビジネスの仕組みを教える教育」と話題に
もともとはおこづかいを稼ぐつもりが、いつの間にか商売自体に楽しみを見つけることに。
家庭内でコーヒー屋を開き、両親に1杯200円でコーヒーを提供している小学生がTwitterで話題を呼んでいます。親にコンサルタント料を支払って指導を受け、豆代を借り入れて始めるなど、営業は本格的。起業から現在に至るまでの一部始終を父親がまとめたnoteは、「ビジネスの英才教育」と好評を博しています。
話題の主は、コンテンツ制作会社ブルーパドルの代表、佐藤ねじ(@sato_nezi)さんの息子さん。事の起こりは2018年、小学1年生のときで、毎月100円のおこづかいを親からもらっていました。
彼はやがてポケモンカードゲームにハマってカードを集めたくなり、どうしたらおこづかい以外の収入を得られるかと悩み始めました。その様子を見て、父親は100円で「おこづかい講座」を開講。投資や消費の概念、「ターゲットの困りごとを解決するところに、フィー(料金、手数料など)は発生する」などの解説でアドバイスしました。
おこづかい講座の概要
- お金や時間の使い方は1つではない。投資、消費、浪費の3つがある。
- この講座のために、100円払うことはドキドキしたと思う。こういうのを、投資と呼ぶ。
- フィーを得るためには、いろんな方法がある。小1がおこづかい以外に父ちゃんたちから、お金をもらうには「ターゲット(父母)の困りごと」を解決してあげればいい。
(佐藤さんのnoteより抜粋)
「ターゲットの困りごと」を解決可能な「小1にできること」を考えた結果、息子さんは「コーヒー好きの両親へハンドドリップで提供するコーヒー屋」の起業を決め、まずコーヒー豆を仕入れることに。ところが、顧客が満足するような良い豆は高価で、手元にあるお年玉貯金の1000円だけでは買えません。そこで、900円を父親から借り入れて、ブルーボトルで200グラム1900円の豆を購入しました。おこづかい9カ月分の借金をするのは相当の度胸が必要だろうに、よく決断できたものだと感心。
1杯200円の価格は、父親と一緒に原価計算して設定。1900円の豆から11杯作って売れば、300円の利益が出る計算です。道具は家にあったものを使い、親に教えられながらコーヒーのいれ方を覚えていきます。
準備が整い、いよいよ「家庭内コーヒー屋」はオープン。店名はシンプルに「ブレンドコーヒー」です。「お茶菓子が欲しい」ターゲットのニーズを察し、メニューには駄菓子付きのセットも設定。父親から10円で仕入れたうまい棒やきなこ棒を20円で売った結果、母親に訴求して成功したそうです。また、営業を続けるうちにドリップも上手になり、「お店で飲む味」を実現できたとのこと。
コーヒーが売れたら、しっかりと出納表に記帳。マイナスの概念など小1には少し難しい部分もありながら、足し算・引き算の練習を兼ねて楽しんでいたそうです。
ただ、作業ミスによる豆のロスが影響して、なかなか事業計画通りの黒字は出ません。それでも息子さんは新しい豆を仕入れて営業を続け、少しずつキャッシュを獲得。起業から2カ月かけて借金を完済し、わずかながら黒字に転換。その翌月には累積で1150円の利益を得ました。
小2になった現在も、息子さんはコーヒー屋を営業中。カードが欲しくて始めた事業ですが、父親は「“お金を稼ぐこと”に面白さを見つけたようだ」とみています。
佐藤ねじさんは、これまでも「1歳児がつくるWeb」や「5歳児が値段を決める美術館」など、毎年「息子さんの年齢でできること」に合わせて実験を行い、「息子シリーズ」として発表してきました。今年もまた、「小2の子供と何か」を組み合わせたプロジェクトを考えるとのことです。
画像提供:佐藤ねじ(@sato_nezi)さん
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