“東京で生きる”男子の迷いと変化 「東京独身男子」最終回、あえて結婚しない男子たちが辿り着いた答えとは?(2/2 ページ)
「“東京”独身男子」という設定
駿河湾の母・寿美代の登場で改めて気がついたが、AK男子たちはみんな地方出身者だ。
公式サイトで確認すると、太郎は静岡県静岡市、三好は石川県金沢市、岩倉は長崎県長崎市出身という記載がある。どこも県庁所在地なので、田舎というよりは地方都市か。
「東京独身男子」というタイトルだが、彼らは東京出身ではない。地方から東京に出てきて、「東京で生きる」人たちなのだ。
地方で暮らすことに比べて、東京には多くの選択肢がある。誘惑も多い。ある程度までは、どんな選択肢でも選べて、一人でもずっと生きていけるような気がしてしまう。だからAK男子たちのように何を選ぶか迷う。
地方にいれば、「何歳までに結婚する」「何歳までに家を買う」などの社会通念的なものに、良くも悪くもある程度乗っかって生きていくことも可能だ。和雄はきっと、地方でそうして生きてきた世代だろう。AK男子たちはそれができない。だから戸惑い、失敗しながらも「アジェンダ」という新たな自分たちだけの通念を作ろうと試み続けてきた。
太郎「結婚してもしなくても、今の自分に納得することが幸せのはじまり」
最後のアジェンダに、太郎はそう書き込んだ。誰かと比べたりレールに乗ったりするのではなく、自分の納得できる地点を自分で丁寧に探していくこと。それが、AK男子たちがたどり着いた答えだった。
別々の選択をしたAK男子たち。最後は、脚立から落ちて腰を打った三好のピンチに、岩倉と太郎が駆けつけるシーンで終わる。自立して生きていくことと、人と助け合って生きていくことは何も矛盾しない。
太郎「どんなときでもこうやって、家族であってもなくても、ひとりひとりが寄り添えば、きっとやっていける。思いがつながり笑い合う。そんな暮らしが続けばいい。この街のどこかで」
東京スカイツリーができてもいまだに「東京のシンボル」であり続ける赤い東京タワーを中心にした景色が映る。変わるものと変わらないものを象徴するような、きれいなラストシーンだった。
これまでの「東京独身男子」振り返り
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高橋一生の部屋はアラフォー男性の頭の中そのものだった。
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