「感動ポルノ」だけじゃなく、「炎上ポルノ」もあるよね―― ねとらぼ編集部員に聞く「お前の原体験はなんだ」 〜たろちん編〜:ねとらぼの中の人インタビュー(3/4 ページ)
「感動ポルノ」なんて言葉もあるけど、「炎上ポルノ」もあるよね
――炎上のハードルはどんどん下がってるように感じますね。
たろちん:多くの人がインターネットを使うようになった弊害だなと思う。僕らも含め、みんなゲスな話って好きなんですよ、太古の昔から。SNSでの失言とか、芸能人の不倫とか逮捕とか、そういう分かりやすいものに対して、「ダメだろ」「何やってんだよ」ってみんな言いたいと思うんです。明らかな正義側に立つことってすごく安心感のあることでもあるから。
――今のインターネットは“正しいこと”を発信すれば、いいねがもらえる、拡散される……みたいな空気がありますが、同時にたとえ内輪ノリであっても「正しいこと以外は言ってはいけない」という圧力も感じます。
たろちん:分かる。道徳の授業みたいだよね。「先生の前では言えないようなことを校舎裏で言える」みたいなインターネットだったのに、今は現実世界よりインターネットの方がよっぽど言動に気を付けないといけないじゃない? リアルもネットも含め、全然知名度が無い人でもインターネットでうかつな発言をしちゃうと“強い正義を持つ人”に叩かれちゃうし。
そういう人って、とても強い正義感を持っていて「悪を正して何がだめなんだ」と思ってるから加減を知らない。過剰制裁っていうか……みんなで袋叩きにしたがるよね。
――「ポリコレ棒」なんて言葉もありますが、ネット上における罪と罰のバランスの悪さは多くの人が感じているでしょうね。
たろちん:適切な罰を与えて欲しいよね。軽い罪にはデコピン1発、とかさ。
――難しいですね。拡散されると「1人が1回デコピンする」で済まなくて、何千人がデコピンするような例もありますし。
たろちん:そうなると軽い罪なのに額に穴あいちゃうからね(笑)。
でもホント、正論を言うのって気持ち良いからさ。本能に近いというか、「感動ポルノ」なんて言葉もあるけど、「炎上ポルノ」「正義ポルノ」もあるよね。そういうのって強烈な魅力があるから難しいんだよね。
――……なんかこういう話をしてると終わらないですね。
たろちん:いや、こんな話ばっかになっちゃうんだよ。っていうか、ずっとそういうこと思ってたんだよホントに!(笑)
「友達が欲しいです、リアルに!」と思って大学へ
――このまま進めると記事にできなくなっちゃいそうので別なこと聞きますね。なんで「たろちん」って名乗るようになったんですか?
たろちん:大学5年生(?)のときに……あ、まぁ順番に話していくと、中学生のときに「クラスの奴らとは話が合わん!」と思って、高校にも行かずインターネットばっかやってたら、「寂しい……」ってなって……。
――(笑)。
たろちん:「友達が欲しいです、リアルに!」と思って大検を取って大学いってたんですよ、でも勉強する気なんてないからサークルばっか行ってたら、仲間に恵まれてちょっとリア充になれた。4年生になった時に仲間と一緒にサークルも卒業するんだけど、勉強してないから留年するじゃないですか。
――当たり前みたいに言わないでください。
たろちん:で、友達がみんな卒業していって暇だったからインターネットに帰ってきて、ニコニコ動画でゲーム実況を始めたんだけど、そのときに「たろちん」って名前でゲームやったのがきっかけです。僕、本名が正太郎って言うんですけど、漫画の『バガボンド』で城太郎ってキャラが「たろちん」って呼ばれてて、まあそこからきてます。
酒飲んで喋る友達がいなくなったからかわりにインターネットに向かって喋ってただけなんだけど、なんかそれがきっかけでライターを始めることになって、当時フリーのゲームライターやってた池谷さん(ねとらぼの副編集長)と知り合って、今につながってるんですよね。
――ところで、これはウチの編集長がどうしても聞いて欲しいと言ってたので聞きますが、たろちんさんの「ちん」にはどういう意味があるんですか? やっぱりなんか卑猥な意味が込められてるんですか?
たろちん:全然込められてません。
ゲーム実況のパイオニアから見る最近のゲーム実況
――たろちんさんといえば、ゲーム実況のパイオニアだと思うんですけど、昔と比べてゲーム実況も変わりましたよね。
たろちん:まずパイオニアでもなんでもないということは強調しておきますが、まあめちゃくちゃ変わったと思います。
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