ギャルの恋バナの勘をなめちゃいけない。「手品先輩」咲ちゃんの押しの強さが幸せを呼ぶ

ブラコンがおさまりさえすれば本当によい子。

» 2019年08月13日 23時15分 公開
[たまごまごねとらぼ]
手品先輩 (C)アズ・講談社/手品先輩製作委員会

 すっごく元気でめちゃくちゃおバカ。テレビアニメ放送中の「手品先輩」(原作アニメは、失敗率が限りなく100%に近いポンコツ手品コメディ。いろいろあやういハプニングとめげなさすぎる先輩との楽しくて厄介な日々、これもまた青春。

 アニメ6話から登場した新キャラクター、咲ちゃんまーくん姉弟。今回は咲ちゃんをPICK UP。大道芸が大好きすぎるギャルの登場で、手品先輩と助手、2人の空間は大いに揺れ始めます。


タフネスマイペース咲ちゃん


画像 ギャルがきたー(3巻)

 奇術部で放課後を過ごしていたのは、今までは手品先輩と助手の2人のみ。そこに突如現れたのが咲ちゃん。見ての通りのギャルです。まあ手品先輩も決して地味ではない容姿なのですが、彼女は人見知りが激しいあがり症なのに対して、咲ちゃんはメンタル面がタフ。堂々と奇術部乗っ取りを企ててきます。

 手品先輩は初対面時「ギッ……ギャルがなんぼのもんじゃい! 何ができるんじゃい!!」と、何処の方言かわからない勢いで威嚇。この時点で既に押しに負けています。強そうな人苦手なんだろうなあ。


画像 咲ちゃんはどうも、天然なのかわざとなのかわかりづらい事が多い(3巻)

 人前での度胸は咲ちゃんのほうがはるかに上。人前で芸を見せる人間としては、ここは明らかに有利。

 しかし根の部分は手品先輩とあんまり変わりません。好きなものに夢中で取り組んで、気がつけばやりすぎてしまう。んなもんだから、2人の相性は抜群です。似たもの同士でぶつかっちゃうところも含めて。


画像 辛辣!!(3巻)

 その一方で、少々図太い一面も。今までは助手がツッコミで返していた、手品先輩のウィークポイント。咲ちゃんは思ったことをそのまま口に出すので、手品先輩をダイレクトにアタックします。

 手品先輩が嫌いなのではなく、誰に対しても同じ向き合い方。なので化学部の斑さん「ア ああいうタイプ少し……苦手……」と咲ちゃんの第一印象を述べていたことも。

 悪気はゼロなんです。ただ、今まで出てきた対人が苦手なキャラクターたちと、ベクトルがちょっと違うだけ。

 だからこそ、彼女は登場時からこの作品の人間関係を動かす、巨大な原動力になっていきます。

ブラコンの度がすぎる咲ちゃん

 咲ちゃんは行動は大胆ながらも、割と常識人寄り、だと思っていました。ただ弟好きをこじらせてしまっているのが大問題。弟の絡んだ行動になると、手品先輩以上に面倒くさいことになります。


画像 わからん(3巻)

 弟のまーくんと一緒にいるためなら、本当になんでもしかねない。姉弟愛というよりも、崇拝というか、ストーカー気味というか。弟に近づくために、かばんの中に潜んでいたこともあります。器用な。


画像 ちょっと理解できない(3巻)

 弟と一緒にいたいがゆえに、自作のぬいぐるみ「まーくん2号」を作る有様。あまりにも狂気的すぎて、助手が突っ込む余裕がないほどにドン引き。

 正直咲ちゃんの弟好きは、ラブを越えすぎた、誰にも理解できない領域なので、考えるのは諦めよう。

 ただ、彼女が弟にしか目が行っていないことで、主格視点である助手とのからみが増えすぎず減りすぎない、ある意味ド安定な立ち位置になっています。大々的に登場しつつも、ヒロイン格ではなく補助役として徹底しています。


恋愛に鋭い女・咲ちゃん

 2人の時は「面倒な先輩とあきれる後輩」という構造だった、手品先輩と助手。ここに咲ちゃんたちが入ってきたことで、客観的視点で2人の関係が見られるようになります。

 あがり症なのに、安心して助手に身を任せている手品先輩。やる気はないのに、きちんと放課後やってくる助手。別に先輩に恋愛感覚は抱いていない、と明言しちゃう助手ではあるけれども、ほんとに? と勘ぐってしまいたくなるというもの。無防備な手品先輩見たさだけでそんなに通うものだろうか。

 咲ちゃんは、普段はちゃらんぽらんですが、こういうところは鋭い。


画像 一枚上手(3巻)

 先ほどのドン引きまーくん人形だけでなく、ひそかに手品先輩人形を作っていた咲ちゃん。「なーんてねー♪」と助手くんの唇に、柔らかいキス。

 助手は「心底いらないです」と拒絶するものの、プレゼントだと置いていく咲ちゃん。人の恋バナが好きなだけとはいえ、自分のまーくん人形自慢からの手品先輩人形キッスの不意打ちで、助手の心を揺さぶる流れはなかなかの策士。こういうところがあるから、助手は咲ちゃんに時々敵わなくなる。


画像 その手やめろ(5巻)

 まあ、時々大いにその勘が外れることもあるので、そこまで脅威ではないですが。合宿中手品先輩と助手が一線越えたと勘違いして、ニヤニヤする咲ちゃん。まあ、あれは手品先輩が悪いので、咲ちゃんじゃなくてもそう思ってしまうかもしれない……(詳しくは5巻を読もう)。

 基本はドタバタギャグのこの作品。徐々に手品先輩と助手の関係性を浮き彫りにするエピソードがちらほらと増え始めています。ただ、それは「恋愛」ではない。今は。たぶん2人放っておいたら、そのままさよならな可能性もある。いかんせんどっちも鈍いから。

 けれども咲ちゃんたちが入った3巻から、ガンガン2人の関係性への追求は深まっていきます。4巻で、手品先輩を助手・咲ちゃん・まーくんで尾行するエピソードがあります。この時の心理状態は2人だった時にはありえなかったものなので、必見。なにか起こらないと気付かない気持ちもあります。


画像 ああ、青春だなあ(5巻)

 先週紹介した斑さんも含め、メインの高校生女子3人のキャラ性がよく出ているのが5巻の表紙。友達がおらず一人で手品の練習をしていた手品先輩。彼女の頑張りを見て手を貸した、ぶっきらぼうに見えて優しい斑さん。そんな2人をぐいぐい前に押して楽しくさせるムードメーカーの咲ちゃん。

 手品先輩の高校生活は、助手と出会ったことで間違いなく明るくなりました。そして、親友として、ライバルとして、支えてくれる人として、同学年の咲ちゃんがいることで、さらに何倍も楽しくなりました。

 なあ助手、入学当時からちょっと変わってきた手品先輩の笑顔、どんな風に見える?


たまごまご

(C)アズ/講談社


前回までのお話


手品先輩

手品先輩

手品先輩

手品先輩
手品先輩

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/18/news145.jpg “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  3. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. /nl/articles/2412/17/news197.jpg 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  6. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  7. /nl/articles/2412/18/news059.jpg 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2411/25/news189.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  10. /nl/articles/2412/18/news056.jpg 日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」