「とにかくうたい文句と違う」 給与未払いの白鳥エステ、エステスクールでも問題が起きていた(1/3 ページ)

白鳥エステことHSbodydesignの問題点は、従業員の待遇だけではありませんでした。

» 2019年08月16日 14時48分 公開
[不義浦ねとらぼ]

 エステサロンチェーン「HSbodydesign」(通称白鳥エステ)において、現在大規模な給与の未払いが発生しています(関連記事)。ねとらぼが取材した元従業員の方の話によると、4月以降の給与がいっさい振り込まれていない、未払いのせいで病院にも行けない、天引きされたはずの社会保険料が実際には支払われていなかった、などの告発がありました。

 経営状態が2019年春ごろから著しく悪化していたと思われる白鳥エステですが、取材を進めていくなかで、白鳥エステが主催するエステスクールでも問題が起きていることがわかりました。

スクールの概要

 HSbodydesignのスクールには大きく分けて2種類のスクールがあります。各店舗に置かれた講師が講義するものと、白鳥エステ代表の白鳥紘子社長と管理部門長である言原紗々氏(現在は休職中)が直接指導することをうたった「白鳥言原スクール」です。前者はいつでも受講可能で、後者は開催に合わせて受講者を募集するシステムでした。

 スクール受講後にはHSbodydesignのエステティシャン求人に応募できるようになるため、社員登用を目的に受講する人も少なくありませんでした。

 このスクールではどのような問題が起きていたのでしょうか。ねとらぼでは複数の「白鳥言原スクール」元受講生に連絡を取り、スクール内部の事情をうかがいました。

白鳥スクール問題 白鳥言原限定スクールと通常スクールの違い(元受講生の方提供)

契約書がない

 今回取材に応じてくださった方の多くは、白鳥エステの経営の悪化が顕著になってきたと思われる2019年2月募集分のスクール生でした。このときのスクール代は税込10万8000円で、合計9時間で「白鳥式痩身手技、哲学、姿勢の全て」を習得できるという触れ込みです。なお、3月募集分では16万2000円、4月募集分では21万6000円に値上がりしていますが、内容やコマ数は全て同一でした。スクール受講に当たって契約書の作成は行われなかったといいます。

白鳥スクール問題 4月募集分の要項(facebookより)

未払いについて説明がない

 スクール内では、白鳥エステの給与の支払いが遅れていることについて説明はありませんでした。遅配について個人的に質問した人は、以下のように話があったといいます。

 「遅配について質問したら、『少し遅れているが、今だけなので直に解消する。遅配しているのも一部の人(管理職・遅配協力者)だけで、仕事帰りに働いている従業員でも手取りで20万持って帰る人がいるほど高収入。兼業からうち(白鳥エステ)専任になる人もかなり多いです』と自慢げに語っておられました」(Aさん)

 「スクール後の雑談時に、遅配について質問された方がいらっしゃいましたが『少し遅れているだけで、理由のある方は早めにお渡しすることもある』の返事でした」(Bさん)

 スクール生には、尋ねられた場合に「給与の遅配は一時的なものである」と説明していたようです。しかし遅配は創設当時からあったという証言もあり(関連記事)、遅配はそれ以前から常態化していたと考えられます。

白鳥スクール問題 4月募集分は5月10日まで募集されていた(facebookより)

授業計画のずさんさ

 また、スクールのスケジュールは非常にずさんなものだったといいます。

 「支払いを完了したのが2月21日、日程の連絡が来たのが3月11日でしたが、それまで支払い確認のメールなどは一切なく、突然3月11日に3回分の受講日程が送られてきました。1回目の講義は3月17日と6日後でした。連絡期間が空くにもかかわらず、こちらのスケジュールの確認がないことを疑問に思いました」(Aさん、2月募集分)

 「私の場合は、スクールの日程が来たのがスクール初日の9日前でした」(Cさん)

 スクールの日程は、参加者の予定を考慮しない状態で開催寸前に決定されたようです。地方からの参加者に対しても配慮はありませんでした。

 「申し込みの際に地方からの参加なので3コマまとめて受講したい旨のメールを送っていたにも関わらず、最初に提示されたのは飛び石日程でした」(Dさん)

 また、白鳥社長は講義に何度か遅刻していたといいます。

 「参加初日、白鳥代表が担当する背面の講義でしたが、19時開始のところ30分遅刻されました。結局30分オーバーしてもすべての手技を教え終わらず、本来22時終了のはずが23時終了でした」(Cさん)

内容が不十分

 さらに、講習ではカリキュラム全ての内容を教わることができなかったといいます。言原元講師に関しては「マニュアルに従ってどうにか時間内に教えようとしてくれた」(Eさん)「言原元講師には急ぎながらでも教えていただけたと思う」(Fさん)と、駆け足ながら十分に指導はしてもらったという意見が多いようですが、白鳥代表が担当した背面の施術に関する授業には不満をもらす証言が複数ありました。

 「マニュアルが配布されなかった」(Bさん、Fさん、Gさん)ことに始まり、「後日プリントしたマニュアルと照らし合わせたところ、白鳥講師の背面回は半分ほどしか教えてもらっていませんでした」(Dさん)、「背面の施術ではエフルラージュ(軽擦法)に時間を割きすぎ、ウエストの施術とスクイーズという手技以外は教えてもらえず、『残りは補講で!』という流れでした。背面に関しては半分も教えてもらっていません」(Cさん)など、講義内容は十分でなかったそうです。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/17/news023.jpg 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  2. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  3. /nl/articles/2404/17/news136.jpg もう別人じゃん! miwa、大胆イメチェンで面影ゼロに「まさかのこんな色になってるとは」「だれー!?」
  4. /nl/articles/2404/17/news111.jpg 「ぶち抜きたいです」 辻希美、懇願拒否された13歳長男が“荒くれ反抗”……息子の室内破壊に嫌悪あらわ「言葉が出ない」
  5. /nl/articles/2404/16/news185.jpg 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  6. /nl/articles/2404/17/news029.jpg 「キュウリが冷凍できるとは76年も生きて来て知らんかったなあ」 野菜ソムリエプロが教える冷凍&活用アイデアが328万再生
  7. /nl/articles/2404/17/news117.jpg 「虎に翼」、壮絶過去演じた16歳俳優に注目の声「違国日記の子か!」 「ブラッシュアップライフ」にも出演
  8. /nl/articles/2404/17/news025.jpg 築36年物件の暗くてボロいトイレをリメイク→ぐーんと垢抜け! 驚きのビフォアフに「すごいですね!」「天才」の声
  9. /nl/articles/2404/15/news081.jpg 【今日の計算】「13+8×2−11」を計算せよ
  10. /nl/articles/2211/26/news054.jpg 辻希美&杉浦太陽、15歳迎えた長女のレアな“顔出しショット”でお祝い 最近は「恋バナ」で盛り上がることも
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」