「とにかくうたい文句と違う」 給与未払いの白鳥エステ、エステスクールでも問題が起きていた(2/3 ページ)
補講に既存スタッフが大量参加
用意された補講は教えてもらえなかった技についての講義ではなく、自習形式でした。補講開始当初は日程発表が急で、予定が合わず断念せざるを得なかった人もいます。さらに直前に白鳥代表が既存のスタッフの参加を許可したため、スクール生は施術の練習台(モデル)に回されることが多々あり、「既存のスタッフさんが多く、スクール生はろくに教えてもらえない」(Hさん)状態になっていたそうです。
「やっていない手技を教えていただくことはなく、モデルをやっている間に研修室はスタッフさんで埋め尽くされてスクール生優先の補講ではなくなり、習っていないところはまともに教えてもらえませんでした」(Cさん)
また、補講中も入社の勧誘はさかんに行われていたそうで、「補講中、講師の方から『いつ入社しますか』『希望の店舗はどこですか』と何度か聞かれた。給与が支払われずスタッフが減る中、タダ働きする人員を増やすために声を掛けていたのかと思うと恐ろしい」(Iさん)との証言も得られました。
対処
証言をまとめると、白鳥エステでは講義中に社員登用について繰り返し言及していた一方、給与の未払い問題を隠してずさんなスクール運営を行っていたことになります。
「とにかくうたい文句と違う」(Jさん)――そう感じたスクール生の一部は、消費者センター、弁護士、経産省の地域担当局に相談。「クーリングオフ対象となる、特定商取引法、業務提携誘引販売に当たる。このスクールに関しては違法性がある可能性が高い」と回答があったことから、返金を訴えました。しかし、サポートセンターからは以下のような返事があったそうです。
スクールを契約通り行っておりますため、契約を解除する根拠がございません。 また、弊社への入社と本スクールの受講とは全く別の話でございます。 スクールは単純にエステ技術の提供を行うものであり、スクールを受けることで仕事が得られる・仕事を与えるというご案内は一切行っておりません。 私どもは役務の提供を行ったまでで、業務提供利益が得られると相手方を誘引しその者と特定負担を伴う取引を行ってはおりませんので、スクールの契約には特定商取引法が適用されず、クーリングオフの対象にはなりません。
給料の遅配についても、直接スクールを受講された●●様に影響があるものではないため、これも解約を解除する理由とはいたしかねます。 上記の理由により、弊社といたしましては債務不履行がない以上、契約を解除し返金には応じることができかねます。(サポートセンターからの回答)
ねとらぼ編集部では、グラディアトル法律事務所の井上圭章弁護士に今回の事案について見解を聞きました。
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