ニュース
» 2019年10月11日 11時00分 公開

「やる夫スレ」の傑作4編が書籍になるようです 今再び脚光浴びる「やる夫」、企画者に意図を聞いた(1/4 ページ)

やる夫スレからまさかの書籍化。

[福田瑠千代,ねとらぼ]

 「傑作やる夫スレ4作が一挙にラノベ化」との発表に、5月、インターネットの一部で激震が走った。

 “やる夫スレ”とはインターネット掲示板でAA(アスキーアート)と文章を組み合わせ、物語を展開していくのが特徴のスレ群。2002年には2ちゃんねる上に「AA長編板」が誕生。2007年〜2008年ごろから“やる夫”のAAを駆使した作品が多数投稿されるようになり、次第に「やる夫スレ」という総称が定着していった。

「やる夫スレ」の傑作が4冊も書籍化するようです 一般的なやる夫のAA(Wikipediaより

 現在では「小説家になろう」(ヒナプロジェクト)や「カクヨム」など、手軽な作品投稿サイトが存在するが、そうしたネットインフラが整備されていなかった00年代、ネット発の面白いテキストが大量に生まれたのがやる夫スレだった。

 AAには2chキャラのみならず、漫画やアニメなどのキャラも使用された。そうして二次創作的なクリエイティブも飲み込み、スレ上の読者の反応を相乗効果に数々の名作が誕生していった。本格的に作品に触れたことがなくとも「やる夫で学ぶ○○」シリーズや、「やる夫は○○するようです」といった印象的な定形タイトルに、なんとなく見覚えがある人もいるはずだ。

 現在でもやる夫スレは存在しているが、「なろう」をはじめ手軽な創作手段が多数存在する昨今では、スレ人口が少なくなってしまった感が否めない。そんな中、やる夫スレから4作品を一挙に小説化する企画「スレ発ラノベ4」が突然発表された。中には約10年前の作品が元となった作品も存在する。何故、いま……!?


 このインタビューでは、企画の仕掛人、MF文庫J編集部のカミチ氏と、カドカワBOOKS編集部のいのしし氏に直撃。何故やる夫スレなのか? 2ちゃんねる上の作家にどうやってコンタクトを取ったのか? そもそもやる夫スレを小説に変換するのは難しくないのか? ……次々と湧いてくる疑問に答えてもらった。


会議中にこっそり読んで、どハマりした

――やる夫スレから書籍を出すと聞いて正直驚きました。

カミチ 他社さんだと『ゴブリンスレイヤー』とか、もちろん前例があるんですけどね(笑)。ラノベ界にはこれまでPCゲームや「小説家になろう」など、外の世界から血を入れて大きくなってきた歴史があるので、「では、『なろう』の次にどこかないか?」と考えたときに、「やる夫スレがあったぞ!」と。

――発表後の反響はすごかったですね。

いのしし  当初togetterのまとめが4〜5万の閲覧数になっていて、反響としては十分かなと思ってたんですが、少し経ってから見てみると30万以上になっていて驚きました。

※参考:「傑作やる夫スレ4作が一挙にラノベ化の発表へ」 - togetter

――もともとやる夫スレはよく読んでいたんですか?

カミチ 存在は知っていましたが、本格的に読んだのは昨秋からです。読み始めたらハマりこんでしまい、「キッチンやらないO」「翠星石と白饅頭な彼氏」などは会議中にこっそり読んで、気付いたら泣きそうになったりしてました。ファミレスで22時ごろに読み始めた「やる夫はカードを引くようです」も、気付けば夜中の3時とかになっていたり……。

――読者目線で面白かったと。

カミチ 編集者として10年間エンタメの洗礼を受け続けてきましたが、5時間意識を丸ごと飛ばされるのはなかなかないんです。編集として、売れそうだから企画を立てるのは当たり前ですけど、今回とにかく面白いものにもっと日が当たって欲しいという思いでやってるところがあります。

――いのししさんとの分担はどのようなものだったのでしょうか。

カミチ 私が担当しているMF文庫Jは主に中高生や大学生向けのレーベルなので、高校生や大学生くらいの主人公が多いんです。ところが『クレイジーキッチン』(編注:やる夫スレ版は「キッチンやらないO」)はどうしても主人公がアラサー以上になってしまうなあ……と。


いのしし カドカワBOOKSだともっと大人の読者さんも多いということで、突然LINEで「カドカワBOOKSで出したいやる夫スレがある」と相談が来ました。そこで挙がったタイトルが「キッチンやらないO」で、僕としてはその時点で衝撃ですよ。めちゃくちゃ有名なやつじゃないですか! って。

――いのししさんはもともと作品のファンだったんですね。

いのしし いつか本にしたいなとは思ってたんですけど、単発で書籍化しても、本当に読者に届くのかな? という懸念がありました。でも、カミチがいきなり大作を持ってきたので、「じゃあ俺もやりたいのがあるから、まとめて出しましょう!」と。

――作家さんへのコンタクトはスムーズに行ったんですか?

カミチ 全くスムーズではなかったですね(笑)。

――スレ上だとトリップで作者だと判別できますが、皆さんTwitterアカウントにトリップが紐付いてる状態ではなかった……?

カミチ なかったんですよね。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2201/16/news037.jpg 勝手に「サービス終了ゲーム総選挙」をやったら6700票も集まってしまったので結果を発表します 2位の「ディバインゲート」を抑えて1位に輝いたのは……
  2. /nl/articles/2201/15/news049.jpg 宮崎駿愛用の「電動消しゴム」が故障 → サクラクレパス公式が倉庫の奥から発掘 Twitterが繋いだ温かな展開が話題に
  3. /nl/articles/2201/14/news024.jpg ママとの散歩中、田んぼにポチャンした柴犬さんが帰宅後…… パパに一生懸命アクシデントを報告する姿がいとおしい
  4. /nl/articles/2201/15/news053.jpg 「こんないいものがあるんですね!」 吉川ひなの、第3子次女の“ベビーヘルメット使用”明かし反響
  5. /nl/articles/2201/16/news007.jpg 子猫「パパー!」父猫「よーしよし」 甘えにきた子猫をギュッと抱きしめる父猫が愛情たっぷりでほほえましい
  6. /nl/articles/2201/16/news034.jpg ビーズソファ「サイズミスって家が埋まった」 ヨギボーで家がギューギューになった光景に「笑い止まらない」「合成かと思ったw」
  7. /nl/articles/2201/16/news027.jpg 「お綺麗すぎる」「ママそっくり」 倖田來未&misono、テレビ初歌唱で称賛の母親と“歌姫3ショット”公開
  8. /nl/articles/2201/16/news032.jpg 「受けて立ちます」 トヨタ・豊田章男社長の「Zには負けませんから」無茶振りに応える各メーカーの反応をまとめた動画が話題に
  9. /nl/articles/2201/16/news029.jpg 宮里藍、0歳娘を見つめる“ママ姿”が幸せいっぱい 初めての親子ショットに「ママの表情」「なんか泣けてくる」
  10. /nl/articles/2201/16/news016.jpg 「ルールを破れば容赦しない」 いじめを絶対に許さない先生の漫画に「こんな先生に出会いたかった」の声

先週の総合アクセスTOP10

  1. 東原亜希、高身長の“BIG長女”に「そういえば君はまだ小学生だったのか」 父・井上康生との2ショットに驚きの声
  2. 人気女優の顔じゃない! 川口春奈、ほぼ瀕死のグロッキー状態に心配の声「完全に目がいってます」
  3. 榎本加奈子さん、大魔神・佐々木主浩と“縁起がよすぎる”夫婦ショット 「10代20代と全然変わらない」と美貌に注目も
  4. 村田充、元妻・神田沙也加さんの愛犬を引き取り新生活 “トイレ初成功”で喜びあふれる「おおおおおお!」
  5. TBS「ジョブチューン」炎上で無関係なシェフへの中傷相次ぐ 代表「何年もかけて築いた評価が一瞬で崩壊した」
  6. 渡辺満里奈、新しい“家族”が空へ旅立ち 早すぎる別れに夫・名倉潤も「聞いたことのない声を上げて泣きました」
  7. 「千と千尋の神隠し」地上波放送でジブリ公式が視聴者の疑問に答える神企画再び 「千尋はどうやって最後お父さんとお母さんを見分けたのですか?」
  8. 「鬼滅の有吉?」「コスプレかと!」 有吉弘行、『鬼滅の刃』炭治郎になった“奇跡の1枚”に反響
  9. 水野真紀、30年前の“振袖姿”が絶世の美女 「正真正銘のキレイなお姉さん」「本当に美しい」とファンほれぼれ
  10. 「もうひとつ、ご報告」神田沙也加、父・神田正輝に新たな家族を抱っこしてもらう

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「どん兵衛」新CMに星野源が復活も衝撃の新展開 “どんぎつね”吉岡里帆の正体明かされ「完全なホラー案件」「狂気を感じる」
  2. ハラミちゃん、“公称145センチ”も本当の身長にゴチメンバー驚き 「デカイっていわれるのが嫌になっちゃって……」
  3. 西川史子、退院を報告 「生きていて良かったと思っていない」と告白も、力強い現在の心境明かす「私は医師です」
  4. 「もうアヒル口」「美人確定ですね!」 板野友美、生後2カ月娘の“顔出しショット”にみんなメロメロ
  5. 「気ぃ狂いそう」 木下優樹菜、生配信中止で“涙のおわび動画” やらかしたスタッフに「生きてたらミスぐらいする」
  6. 東大王・鈴木光、“お別れの笑顔”で司法試験合格を報告「本当にありがとうございました」 SNS閉鎖に涙のエール続々
  7. 「こんな普通に現れるの?!」「バレそうで心配」 倖田來未、駅のホームに“普通に並ぶ”姿にファン驚き
  8. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」「どストレートに餅で笑った」と称賛集まる
  9. 第1子妊娠のすみれ、母・松原千明と2年ぶりに涙の再会 「やっとママに会えました」と感動的な親子ショット公開
  10. 渡辺裕之、66歳バースデーで息子と2ショット 合同誕生日会に「すごいお料理とケーキ」「イケメン息子さん」