「80年代ヤンキー部屋」や「ゲーム好き小学生部屋」を再現 「なつかし部屋再現展」がガチすぎたから想いを共有したい
うわあああああああああ(爆発)!
高円寺4大祭りのひとつ「高円寺フェス」。商店街の店主たちが「小さくても気軽に誰でも楽しめるイベントを」と2007年に始めたイベントで、2019年は10月26日〜27日に開催されました。2018年の来場者は2日間で約21万人というこの人気イベントで、気になる催しがありました。その催しとは「なつかし部屋再現展+フリマ」。
軽い気持ちで見に行ったのですが、実際に再現された部屋を目にしたら懐かしい気持ちで胸がいっぱいになり爆発しそうになりました……。というか爆発しました。
「なつかし部屋再現展」の展示が行われたのは高円寺北区民集会所の2階。その入口にあったのが上のホワイトボードです。カメラOKマークのカメラが「写ルンです」だったり、ビックリマークのこの特徴的な描き方が既に懐かしい。このホワイトボードの時点で「優勝確定」って感じです。
こちらは、BOYA(奇声を発して暴れる坊や)氏による80年代ヤンキー部屋。カレンダーの年数は1986年になっています。レトロなミッキー、中芯を抜いてぺしゃんこにした学生カバン……。この部屋の住民の息遣いが聞こえてきそうなほどにリアルなヤンキー部屋が広がっていました。ティッシュも当時のデザインでは? 赤系のものが多いところに住民のこだわりを感じますね……。
この部屋の中で、個人的に特にやばいと思ったポイントは壁掛け時計。遠い記憶でどこかで……。親戚の家の居間とかにかかっていたやつでしょこれ……。たぶんこの部屋の主が自分で買ったものではなくて、家にあったのをとりあえず使っている感じ。そんな感じで各部屋、細部までこだわっていていくらでも眺められてしまう。
Tajimax氏による90年代ギャル部屋。若いアムロちゃんにMAX、そしてdeepsのポスター。ムラスポ(ムラサキスポーツ)のビニールバッグ! ハイビスカスのレイ! ピッチ(PHS)! テレビデオなんかも久しぶりに見たし、アイワのカセットデッキも自分が使っていたものとそっくり。筆者世代もなじみのあるアイテムがたくさんあって爆発しそう。
ダメだ、爆発した。武富士のティッシュ、やたら配っていてみんな持っていた記憶あるけど武富士って今もしかしてないの?(検索)……無いんだ……。
あとこれを見て思い出したけど、ギャルの子たちブラシに髪ゴム巻いていた(なんで?)。ミルキーペンは小学生のころ流行った。花のキティちゃんのデザインも見覚えがあって懐かしい。忘れていた記憶を奥からすくいだされるような不思議な感覚です。
既に懐かしさのキャパを超えて満身創痍状態だけどまだまだあります。カジコム氏によるビデオゲーム好きな小学生部屋。Tシャツは85年のつくば科学万博の「コスモ星丸」ですね。
ビデオゲーム好きとあってファミコンにスーファミ、ゲームボーイにバーコードバトラーに攻略本。そうそう筆者の子どものころはWikipediaなんてないから、ゲーム買うときは攻略本も一緒に買ってもらっていました。この分厚い攻略本がいいんですよね、エモい。プルタブが完全に外れるタイプの缶も、音楽で動くおもちゃのフラワーロックも……ひたすら懐かしさが止まらない。
こちらのエリアは23畳ほどの和室の空間に、5種類の部屋があり、その部屋を見て懐かしんだ時代の関連商品をすぐに買えるフリマのブースがあります。細部までこだわっていて感動……。うう、令和にこんなものを見られるなんてうれしい。
こちらのなつかし部屋再現展の企画・監修を行った山下メロ氏(@inchorin)に話をうかがいました。
企画・監修の山下メロさんに話を伺った
この80年代ふぁんしー空間にしっくりなじんでいる人物が企画・監修を行った山下メロ氏です。山下メロ氏は平成レトロ・ファンシー絵みやげコレクターであり、平成文化研究家として『ファンシー絵みやげ大百科 忘れられたバブル時代の観光地みやげ』という本の著者でもあります。
―― いろいろな年代の懐かしい部屋があって楽しかったです。こちらそれぞれの部屋を作ったのはどういう集まりなんですか?
山下メロ氏 もともとコレクター仲間です。一緒におみやげを集めていたりとか、フリーマーケットなどで一緒になったりしていたんですけど、その中で割と一般的なグッズだけじゃなくて家電とか細かい生活用品に目が向いている方々に声をかけさせていただきました。みなさんこの企画のために買ったり、探したりしています。
山下メロ氏 カジコム氏は「#昭和再現写真」というハッシュタグで昭和っぽい写真を撮るのをもともとやっている界隈では有名な方です。どうしても声かけたくて。そんな感じで集まったメンバーです。メンバーもいろんな分野のものを持っているので、ないものはお互い貸し借りしながら部屋を作っていきました。
一番大変だったのは時代考証
山下メロ氏 だいたい開催2カ月くらい前から物集めとかコンセプト作りとか、どのくらいのスペースをだれが使うかみたいなことをやっていて。一番大変だったのは時代考証ですね。
―― 時代考証!
山下メロ氏 「これはその年代には発売されてない」とか「そんなにいろいろ買ってもらえたら金持ちの子どもじゃん」とか(笑)。イメージとリアリティーのせめぎあいの結果がこれですね。
さまざまな催しのある高円寺フェスの中でもこの一角は別世界でした。「懐かしい」という声や「世代じゃないけどこの時代に憧れていて……」という声が会場のあちこちから聞こえていました。再現された部屋はどれも秀逸で、もっといろいろな部屋が見てみたくなりました。
「なつかし部屋再現展」は高円寺フェスのための催しで、今後の開催予定は今のところないそうですが、山下メロ氏は「廃業した商店から引き取られた物などで昭和の展示を行う施設や自治体はすごく多いです。それが“昭和末期から平成にかけての、特定の部屋を再現しよう”という流れになったら良いなと思っています」と語ってくれました。
(ちぷたそ)
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8ビットのBGMを流しながら眺めたい。
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