「やっぱ、電動大型バイクには“大型二輪免許”が必要です」 12月の道交法改正「バイクの免許」何がどう変わる?(2/2 ページ)
ただ……「車検」の有無は変わらない!?
ちなみに、2019年12月時点で大型二輪扱いになるのはあくまで道路交通法における免許制度の上での話。「車検」はどうなるのか、ここはいびつなままです。
車両の技術基準について規定する「道路運送車両法」は2019年12月1日時点では変わりません。ナンバープレート(車両)的には、20kW超の電動バイクであっても250ccクラスのバイクと同じ「軽二輪」区分で、緑の枠がない白なナンバープレートが交付されます。
つまり、2019年12月1日から20kW超の電動バイクは、「運転するには大型二輪免許が必要」だけれど「車検は不要」ということになります。
「AT限定大型二輪免許」は650ccまでの排気量制限がなくなる
今回のバイクの免許関連の法改正は「ま、そうですよね」と多くのライダーは思うでしょう。続いて「AT限定大型二輪免許」を持っている人には朗報があります。
AT限定の大型二輪免許には「650ccまで」という制限がありました。大型二輪免許であってもナナハンやリッタークラスの車両には乗れない免許でした。今回の法改正で「この排気量制限がなくなります」。乗れる車種が一気に増えることでしょう。
これまでなぜ650ccまでだったのでしょうか。AT限定大型二輪免許が登場した2005年当時は、まだオートマの二輪といえばスクーターぐらいしかない時代でした。当時、最大排気量クラスのビッグスクーターはスズキの「スカイウェイブ650」で、排気量は650ccでした。
しかし、導入から14年が経った2019年現在、二輪車にもDCT(デュアルクラッチトランスミッション)が普及し、大排気量のスポーツバイクでもクラッチ操作がない(イコール「AT扱い」にできる)車種が増えています。ホンダの「NC750」シリーズや「アフリカツイン」などが相当します。
そして電動バイクの話に戻ると、電動バイクは電動モーターの出力特性から変速操作のない車種が多く、マニュアル変速モード付きの車種であってもクラッチレスの場合がほとんどでしょう。免許区分に当てはめると(詳細は車種ごとに確認すべきですが)「AT限定大型二輪免許」で運転できると考えます。
これまでAT限定大型二輪免許は、「650ccまでのビッグスクーター用っぽいちょっと中途半端な免許」でしたが、電動バイクの普及によって再注目されることになるかもしれません。
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