今なお残るレア案内標識「シロカン」の謎:少年Bの道端ばなし(1/2 ページ)
ちょっと朽ちてきているものもありますが、今なお生き残っているのです……!
一般道路には、行き先や距離、道路名や道路番号などを示す「大きな青い案内標識」が掲げられています。ドライバーにとって行き先を知るとても重要な標識です。標識ファンの間ではこれを「青看板」「アオカン(青看)」などと親しみを込めて呼んでいます。
この一般道の案内標識、かつて青地ではなく白地の「シロカン」だった時代もあるのをご存じでしょうか。
2020年現在、普段見る青地の案内標識(青看板)は全国で統一された標識として5代目にあたります。初めて統一された道路標識ができたのは1922(大正11)年、次いで2代目が1942(昭和17)年に制定されました。当時は自動車も少なく、案内標識は1種類しかなかったそうです。
種類を大幅に増やして1950(昭和25)年に登場した3代目の案内標識は「白地に赤い矢印」のものでした。連合国占領下という時代背景もあり、漢字の下にローマ字も併記されます。実は、現在も少数ではあるものの現存しています。標識ファンの間では親しみを込めて「シロカン」などと呼んでいます。
その後、1971年(昭和46年)に4代目としてローマ字を廃した青地に白文字の「旧青看板」が登場し、1986年(昭和61年)に再びローマ字を併記した5代目の現在の案内標識になりました。
現在の案内標識の色や形状は「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(総理府・建設省令第3号:昭和35年12月17日)」で定められています。案内標識のうち、青看板と呼ばれる青地の一般車道用案内標識は10種類。「方面及び距離」「方面及び方向」「方面、方向及び距離」「方面、方向及び道路の通称名」、距離が記されていれば「**の予告(方面及び方向の予告)」など、意外とたくさん種類があります。
「あっ、何か色の違う看板があるぞ!」「あの標識、ローマ字表記がないなぁ」なんて思ったら、その標識は古くから街と道路を見守ってくれていた案内標識だったのですね。
道路を通る際、ちょっと気を付けてみるとふと新たな発見があるかもしれませんね。ただし、わき見運転にはくれぐれもご注意を……!
(少年B)
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