ちくわパン、ようかんパン、豆パン。北海道のご当地パン
明日、4月12日はパンの記念日です(※4月11日付けのTenki.jpの記事を転載しています)。天保13年(1842年)の4月12日、江川太郎左衛門という代官が日本ではじめて、「兵糧パン」というパンをつくったことを記念して、この日に制定されました。ところで、あなたの住む地域には、ご当地パンがありますか? ご当地パンというと、「○○パン店の○○」「○○製パンの○○」というように、ある一つのお店や製パン会社だけでつくっているものが多いですが、北海道ではパンの種類そのものが独特のご当地パンがあるようです。
ちくわパン/ちくわの中にはツナサラダ。札幌のパン店が発祥
北海道でも特に札幌で定番なのが「ちくわパン」です。札幌市白石区の「どんぐり」というパン店からつくりはじめられました。ちくわパンは、パンの中にちくわが入っているお惣菜パンですが、ちくわがそっけなくそのまま入っているのではなく、その空洞の中にはツナサラダが入っています。
今では札幌だけでなく全道的、全国的にもポピュラーになり、ちくわの中にポテトサラダやチーズクリームなどが入っている、似たようなちくわパンも販売されています。筆者的には、やはりちくわと相性がよい定番のツナサラダが一番好みです。
〈参考:どんぐり「パン年表」〉
ようかんパン/羊かんでパンをコーティング。
ようかんパンという種類のパンをご存じですか? 北海道以外でも一部の地域では、特定のパン店・製パン社で作られているようですが、北海道では、「ようかんパン」というパンの種類が存在し、各社、各店でつくられています。
特徴は、パンの表面を羊かんでコーティングしていることと、パンの中にホイップクリームなどのクリームが入っていることです。他県のようかんパンは、中身があんこの場合が多いようですが、北海道の場合はクリームが基本です。
ようかんパンの袋には、“ホイップクリーム入り”などと書いてあるので、色からして、一見するとチョコパンのように見えます。他府県から引っ越してきた人がチョコパンのつもりでかじったら、ようかんだったのでビックリした…という話を耳にすることもあります。パンにようかんがコーティングされているなんて、普通は想像がつきません。さぞやビックリしたことでしょうね。
豆パン/甘納豆が練りこまれている。道民は全国区だと信じている
コッペパンの生地に甘納豆が練りこまれているのが豆パンです。北海道では70年以上も前から普通に食べられていて、今では袋に入った菓子パンの定番中の定番、学校給食のメニューにも登場します。
北海道ではあまりにもポピュラーなパンなので、豆パンが全国区でない、ということを知らない道産子は数多くいると思われます。
また、北海道では甘納豆は、豆パンだけでなく、お赤飯にも入っています。土地がら、金時豆の産地であるからなのか、北海道と甘納豆は深くつながっているようです。
〈参考:総務省統計局「4月12日 パンの記念日」〉
ご当地パンではありませんが、普通の四角い食パンのことを北海道では「角食」または「角パン」とよびます。パンの独特なよび方と、独特な種類。北海道ではパン文化が少しだけ他府県と違った進化をとげているようです。
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