【M愛2話】ブドウ芸・ヒットメドレー・虹発生の超常現象が“お約束”? 「M 愛すべき人がいて」を漫画でレビュー
神に選ばれた人間はすげえや……!
一部で話題沸騰の土曜ナイトドラマ「M 愛すべき人がいて」(テレビ朝日×ABEMA共同制作/23時15分〜)。歌姫・浜崎あゆみの誕生秘話本『M 愛すべき人がいて』にドラマオリジナル要素を盛り込んでドラマ化されたものです。4月25日放送の2話は、“お約束”が見えてきた回でした。
開幕トンチキ発言
強いきずなでつながっていく歌姫アユ(安斉かれん)とa victoryの専務マサ(三浦翔平)。冒頭から、アユを引き抜いた落とし前をつけるための話し合いで、「アユを選んだのは俺じゃない! ……俺を選んだのも俺じゃない! ……神様です!」というトンチキ発言で心をつかんできます。これは我々も日常生活で使っていきたい言い回しだ!
アユをダイヤの原石にたとえ、「アユを磨けるのは自分だけ」と宣言するマサ(そして土下座!)。「磨く」という表現はアユのヒット曲「TO BE」を彷彿(ほうふつ)とさせますね。引き抜き問題はいったんはあっさりと解決したようですが、後々再燃する予感も。
そんなこんなで、マサの判断によりニューヨークへ武者修行が決定したアユ(なおロケ地は国内のもよう)。天馬まゆみ先生(水野美紀)のスパルタ特訓でとことんしごかれます。天馬先生、「ガラスの仮面」の月影先生とデューク更家を足して割らない的な、日本人が思う「インストラクター」の要素を全部乗せてきています。しょっぱなのせりふが「あなたがアユ? Are you AYU?」なのもすごい。
この天馬先生の特訓がとにかく昭和! ろうそくの炎を揺らさずに「オ〜〜アイラビュー」と歌い続けます。アユは視聴者も「これは……」と思う下手っぷりを見せ、ボコボコにしごかれます。
落ち込むアユ。ニューヨークの街中(※汐留のイタリア街)を散歩し、大道芸人から風船をもらったものの、つい手放してしまいます。そこに本当に突然現れたマサがジャンピングキャッチを成功! その直後なぜか場面がチャペルに切り替わり、チャペルで風船を手渡しつつ「一度つかんだものは意地でも離すな」というメッセージだったことを伝えるマサなのでした。
マサはアユに「これが似合う女になれ」とCOACHのコートをプレゼント(原作は確かプラダでしたが……)。これでテンションがブチ上がり、練習着を決意の証――日の丸弁当風ジャージにお色直し。トレーニングに没頭するあまり、マラソン中に手を振ってくれたニューヨーカーにもガン無視の塩対応をかますのはご愛敬。
きずなが強くなっていく2人に炎を燃やすのが、マサの秘書・礼香(田中みな実)です。眼帯をこれ見よがしに浮かしての「みえるぅ〜みえるよぉ〜アユの黒い未来が見えるぅ〜」のみならず、さらに前週に引き続いてブドウを使っての「私の目になってくれるって約束したもんねぇ〜」攻撃。先週は巨峰、今週はシャインマスカット。来週はどんなブドウが出るのか楽しみです。
昭和の嫌がらせを受けまくる平成の歌姫
3カ月のニューヨーク修行の甲斐あってパフォーマーとして成長したアユ。髪形も我々がよく知るショートの金髪になり帰国します。
その間に国内では、マサの右腕流川(白濱亜嵐)もガールズグループをプロデュースすることに。メンバーを決める選考合宿には、ベルファイン仲間の理沙(久保田紗友)と真理(傳彩夏)も参加していました。そして帰国したアユもある意味特別枠として参加することに。
礼香の圧たっぷりの根回しもあり、アユは他の練習生の嫉妬にさらされます。足ひっかけ、靴の中に画びょう――と平成の歌姫が受ける嫌がらせにしては昭和すぎると話題に。そして最後には理沙のたくらみ(風呂の地面にせっけんを塗ってスッテンコロリン大作戦)にハメられ、アユは最終選考前日に肩を脱臼してしまいます。
最終選考の課題は「ペットボトルを背負ってのマラソン」。アユはこのマラソンレースで、5位以内に入らないとデビューができないと宣告されます。脱臼のせいでうまく走れず、しかも道中で転んで倒れているところに……崖の上からマサが叱咤激励! マサのゲキのおかげか、それとも転んで手をついたときにうまいこといったのか、アユの脱臼した肩の骨がハマります。これが神に選ばれた人間の超回復。
腕を吊るしていた布を投げ捨て「アユ、どこまでも走ります!」と爆走。最下位からのごぼう抜きで1位でゴールインします。先週に引き続き、今回も虹がかかる超常現象!
虹つながりなのか(?)、舞台は現在に一度戻り、歌姫となったアユのライブシーンへ。しかし先週もそうでしたが、このライブシーンがあまりにも低予算感が! お願いだから、お願いだからライブのシーンには金かけてくれ!!!!!!!!!
3つのお約束?
2話まできたところで、どうやらこのドラマには毎週(?)のお約束事項があるのかもしれないと期待が湧いてきました。アユとマサの恋模様に加えて、
- 秘書礼香のブドウ芸
- マサ行きつけのバーのバーテン佐山(水江建太)によるa victoryヒットメドレーコーナー
- 神に選ばれた人間のみが起こす虹発生の超常現象
5月2日放送の3話では、このあたりにも注目したいところです。
最後にちょっと触れておきたいのは、2話でマサがバチバチの火花を燃やした音楽プロデューサーの輝楽天明(新納慎也)について。売れっ子音楽プロデューサーという設定といい、イニシャルがTKといい、なんとなく「小室哲哉がモデルかな?」と思っていたのですが、あまりにもぶっ飛んだデフォルメぶりに「……もしかしてこのキャラ、小室さんじゃないのでは? 特に具体的な描写はないし……」という気もしてきました。
しかし次の瞬間輝楽さんは「ゲットチャンス!」と発言。……やっぱりTKなんですね! どの時代のTKを参考にしたのか、最近は昔のTKの画像を見ては「これかな? うーん……それともこれかな?」と悩んでしまっています。
蟹めんま
奈良県出身の漫画家・イラストレーター。自身の約20年間のバンギャル生活を描いたコミックエッセイ『バンギャルちゃんの日常1〜4』(KADOKAWA)が発売中。30代に差し掛かったあたりから他人の恋バナをつまみながらの飲酒が日常化。Twitter:@kanimen
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