4割超が経済活動より「感染対策を優先」 若年層では「経済活動」派と「感染対策」派が2極化
世代間だけでなく、同世代間で意見が大きく分かれています。
社会調査研究センターは、「コロナ禍の世論」についての全国調査を実施し、5月25日にその結果を発表しました。調査では、感染対策と経済活動のどちらを優先するかなど、コロナ禍における民意が明らかになっています。
調査の対象となったのは、全国の1019人。社会調査研究センターが行う「コロナ禍の世論」についての調査は、4月8日、5月6日に続き、3回目となります。
42都道府県で5月21日までに緊急事態宣言が解除されたことについての質問では、半数以上の52%の人が解除時期は「妥当だ」と回答しました。
緊急事態宣言が解除された地域では「経済活動の再開」と「感染対策」のどちらを優先すべきかという問では、42%の人が「感染対策を優先」と答え、「経済活動の再開を優先」の 23%を大きく差をつけています。この質問では「どちらとも言えない」と回答した人が 33%を占め、感染の拡大とこの先の見通しについて、割り切れない気持ちの人が多くいることがうかがわれます。
回答を年代別にみると「経済活動の再開を優先」と回答した人の比率が最も高いのは18〜29歳と30代の若年層で32%、中高年層では低くなる(60代16%、70代14%)という傾向があります。一方で、「感染対策を優先」と回答した人の比率でも、18〜29 歳は51%と高い比率になっており、若年層において「経済優先」「感染対策優先」の回答が二極化していることが分かります。
無党派層の内閣支持率は一桁に
この調査での安倍内閣支持率は27%で、前回調査した5月6日(40%)、4月8日の調査(44%)から大きく低下しています。反対に、不支持率は64%と、前回から約20ポイント増加する結果に。支持政党ごとに見ると、自民党支持層は72%が内閣を支持するものの、日本維新の会支持層では18%(不支持率74%)、回答者の36%を占める無党派層では支持率が9%とまで低下していました(不支持率は76%)。
9月入学制は賛否拮抗
「9月入学制について賛成か、反対か」という質問では、「賛成」が前回調査の45%から38%に減少し、「反対」が30%から36%に増加。「賛成」「反対」がほぼ同じ比率になりました。賛成の度合いは18歳〜29歳で48%、30代で50%と若年層で高く、その傾向は前回調査と同様。40代以上の中高年層では、3割台にとどまる結果となっています。
5月25日の政府の記者会見で、安倍首相は今回の新型コロナウィルスの流行について「ほぼ収束できた」と述べ、全国で緊急事態宣言を解除しました。多くの人が今までの日常や経済活動、娯楽やレジャーなどの楽しみを取り戻したいと願いつつも、感染への不安を抱えるなか、どのように「新たな日常」が作られていくのでしょうか。
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