FCVってEVと何が違うの? トヨタ、燃料電池車「MIRAI」をフルモデルチェンジ 満タン850キロ走行可能に(1/3 ページ)
「空気をきれいにする機能」も搭載……!?!?
トヨタ自動車が燃料電池車(FCV)「MIRAI」をフルモデルチェンジし、2020年12月9日に発売しました。
MIRAIは、水素と酸素の化学反応によって発電した電力で走るクルマ。現行のEVより一歩先の技術やエネルギー社会を見据えた電動車と位置付け、2014年に初代モデルが登場しました。
フルモデルチェンジした今回の新型(2代目)は、乗車定員増、上質な車内空間の実現、長い航続距離を望む需要に沿い、クラウンクラスの車格・インテリアとした高級セダンスタイルに刷新し、FC(燃料電池)システムも一新しました。高度な安全運転支援システムも備え、高速道路での手離し半自動運転などを実現する自動運転クラス3相当とされる「Advanced Drive」搭載モデルも設定します(搭載車は2021年発売予定)。
一新したFCシステムは、水素搭載量を前モデルの4.6キロから約5.6キロまで拡大しつつ、FC昇圧コンバータヘのSiC(炭化ケイ素)半導体、2次電池としてリチウムイオン電池の採用といった新技術・部材の採用により発電効率を向上。航続距離を前モデル比プラス30%の最大約850キロ(Gグレード/WTLCモード)まで伸ばしました。
併せて「走れば走るほど空気をきれいにする」機能も備えます。PM2.5レベルの粒子まで補足するダストフィルター、有害な化学物質を除去しPM2.5の発生を抑制するケミカルフィルターによる空気清浄システムを搭載し、ゼロエミッションから進んだ「マイナスエミッション」とうたいます。きれいにした空気量を「空気清浄メーター」で視認できる機能も備えます。
このほかに災害時・非常時の電源供給需要に対応する「外部電力供給」機能も拡充。DC外部給電アウトレット(最大9kW)や車内AC100V電源(最大1500W)アクセサリーコンセントを標準で備えます。非常時給電システムを備えたAC100V電源は、一般家庭で約4日分の電力供給が可能です。
ターゲットは主にビジネス/企業/自治体利用層。4大都市圏を中心に拡充する水素ステーションとともに、トヨタは東京オリンピック・パラリンピック2020大会のサポート車両などとしても登用する計画です。
価格はGグレードで710万円(税込)から。エコカー減税、環境性能割、グリーン化特例、CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金)などの各種補助金の適用により、各グレードそれぞれ約140万円の優遇が得られます。
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