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» 2020年12月31日 22時00分 公開

【好きなゲームが世間のクソゲーな人】番外編:良ゲー/クソゲーの境界線の難しさ(1/3 ページ)

どんなゲームにも“楽しむためのポイント”があるのです、たぶん。

[今藤祐馬, ねとらぼ編集部,ねとらぼ]

 年末企画「自分の好きなゲームが世間ではクソゲーと言われている人インタビュー」。そもそもこの企画が成立するのは、ゲームの面白さには主観的な評価が関わっており、良ゲーとクソゲーの境界線が意外と難しいものだから。今回は番外編として「風来のシレン」シリーズ、「マッドマックス」「MORDHAU」という3作品のお話を伺いました。

番外編を設けた理由

 クソゲーというレッテルが貼られているタイトルはおそらく否定的な声のほうが多かったり、大きかったり、よく知られていたりするだけで、楽しんでいる人がいないわけではありません。裏返せば、良ゲーとされているタイトルにも同様のことがいえるでしょう。

 本企画のために、さまざまなゲームのファンにお話を伺ってみると“そのゲームを楽しむためのポイント”を教えてくれることが多く、「プレイヤーがそれを押さえているかどうかが、良ゲー/クソゲーを分ける場合がある」ということは確かだと思われました。

 この問題は、どんなゲームにも当てはまるでしょう。この番外編では「編集部で調べた結果、否定的な声も見られたものの、世間的にクソゲーのレッテルが貼られているとは言いがたい……けど、確かにちょっと人を選ぶかもしれないゲーム」を取り上げ、なるべく“そのゲームを楽しむためのポイント”が伝わるような形で記事化することにしました。

負けることをいとわないければ神ゲー「MORDHAU

 中世を舞台としたマルチ対戦剣戟アクションゲーム(Steam/2019年4月30日リリース)。読みとテクニックを駆使することでどこまでも強くなれるプレイヤースキル依存型のゲームで、格ゲー的な読み合いが求められる1on1では初心者は絶対に上級者に勝てませんが、「Frontline」「Invasion」というモードでは初心者にも常にチャンスがあります。

 これは参加者を赤青2つのチームに振り分けて陣取り合戦を行わせるもので、最大人数80人による大規模マッチともなれば戦場はもう混迷至極の阿鼻叫喚、1人を相手にしているあいだに背後から首を飛ばされるなんて至極当然。

 そのうえ、このゲームには馬職、弓職、火炎瓶、煙幕、バリスタ、投石器、投げ槍に投げナイフ、さらにはトラバサミやスパイクといった設置型のワナまで存在し、ワンマッチを死なずに終えることはほぼ不可能。死ぬことは前線に出るための必須条件と言っても過言ではありません。

 しかし、「MORDHAU」の素晴らしい点はまさにここにあります。このゲームのマッチの多くでは無限リスポーンが可能で、やられても数秒後には復活して、元気に前線へと走っていくことができます。

 デスペナルティーが極めて軽いため、一死一殺を信条に突撃特攻を繰り返すプレイヤーも少なくありません。そうしたプレイヤーは行動速度を上げるため、半裸に大剣などの高火力武器を装備しており、己の死をものともせずに乱戦のなかで得物をぶん回します。

 鈍重な鎧戦士が相手するには少し荷が重い相手なので、そんな大立ち回りを止めるのは弓職の仕事……と言いたいところですが、このゲームの弓は当てるのが難しく、見事にヘッドショットされるのは味方! 運よく死を免れた半裸男たちが得物を振り上げて……そこに着弾する味方のカタパルト! そして、なぜか自陣から飛んでくる敵のバリスタ!

 そんなカオスがこのゲームには詰まっています。マッチによっては、実力とは無縁の死をプレゼントされ続けることもあり、運が良くないときはただ歯ぎしりを強いられます。では、なぜプレイヤーたちは戦場にポップし続けるのか? どうして狂ったように死に続けるのか? 

 理由は人それぞれにあるかと思いますが、私が思うにそれは「『MORDHAU』というゲームは“英雄”を見せてくれるから」です。

 「このゲームではテクニックや実力があっても死ぬときは死ぬ」という話をしましたが、それはあくまでも上品な対人テクニックや剣戟の実力の話。

 真に「MORDHAU」の戦場に適応したプレイヤーは、前線という大災害地帯を無傷で駆け抜けるテクニックを備えており、矢を弾き、バリスタを避け、ワナを踏まず、そもそもカタパルトが当てるような位置にはおらず、敵に囲まれても2人くらいなら難なく切り抜けます(4人がかりで迫っても、見事にさばかれることすらあります)。

 そんな「MORDHAU」超人ならば、60キル/5デス(参考:400時間プレイヤーレベル92の私でキルレートは2.0くらい)という無双ゲーのようなキルレートをたたきだすことも可能。モルダラー(「MORDHAU」のプレイヤー)たちは、初心者のころにその怪物的な動きを脳に焼き付けられています。

 彼らがどうやって、あれほどの戦闘力を身に着けたのか。それは定かではありませんが、1つ、あらゆるモルダラーが実感できることとしては「このゲームはやればやるほど上達していく」ということです。

 1on1でなくても敵の動作は読めるようになっていき、対複数人のさばき方も少しずつ分かっていきます。そして、前述の通り「MORDHAU」では無限にリスポーンできるマッチが多いため、ストレスを感じることなく“死に覚え”に没頭できます。

 勝利至上主義者やチームプレイが好きな人にはオススメできません。そういった方にはストレスフルなクソゲーでしょう。

 死ぬことや負けることをいとわないければ「MORDHAU」は神ゲーです。さぁ一緒に頭をかっ飛ばしたり、かっ飛ばされたりしましょう!

 ただし、深くまで適応したモルダラーが吐き捨てる「クソゲー」は、このゲームのコンセプトとは無関係なクソ要素を指している場合があるのでご注意ください。「MORDHAU」は反応速度と読み合いのゲームですが、サーバー環境はお世辞にも良いとは言えず、ラグによって瞬間移動する馬やレイピア並みの速度で飛んでくるグレートソードが出現することもあります。

 また、実力差がかなり強く出るゲームにもかかわらず、オートアサインのシステムがなく、チーム間の戦力差は空気を読んで調節しない限り、覆ることがありません。偶発的に神モルダラーが複数いるチームと初心者チームが戦うことになった場合、起こるのは……(ガタガタ)。……え? 「どうして先にこの話をしないのか」って? そりゃ遊ぶ前からクソゲー扱いされちゃうからに決まってるでしょ!!

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