名作『オホーツクに消ゆ』×JR北海道「流氷物語号」 奇跡のコラボができるまで:月刊乗り鉄話題(2020年12月版)(3/4 ページ)
ゲーム業界出身の鉄道ライターとして「観光列車とゲーム業界」を結ぶ 私にしかできない仕事に挑む
オホーツクに消ゆの発売元は、かつて私が務めた出版社、アスキーです。制作はアスキーが発行するPCゲーム雑誌「ログイン」編集部。そして私は社員時代、ログインの広告営業を担当していました。ゲーム業界出身の鉄道ライターとして、観光列車とゲーム業界を結ぶ。私にしかできない仕事、運命を感じました。
しかしログインという雑誌は既に休刊しています。アスキーという会社は紆余曲折あってKADOKAWAグループの「アスキー・メディアワークス」「エンターブレイン」ブランドとして継承されています。許諾の窓口はここになるはずです。
まずは元ログインの編集者で、私が鉄道経営ゲーム『A列車で行こう』のガイドブック執筆でお世話になったHさんに連絡すると、「青柳さんに相談したら?」と助言をいただきました。KADOKAWAグループのゲーム関連ライセンスについては「株式会社KADOKAWA Game Linkage」が担っており、その取締役が青柳昌行さんです。KADOKAWAの執行役員でもあります。
青柳さんといえばログインの読者諸氏にとって「青柳ういろう」のペンネームで有名な編集者です。後にログインの編集長も務めました。彼は学生時代から編集部でアルバイトをしており、社員になるときに私と同期入社となり、一緒に新人研修を受けました。私がログインの広告担当になってからは、ともにPCゲーム業界を盛り上げるためがんばった仲間です。
青柳さんに連絡を入れると、まさに旧アスキー案件は彼の担当とのこと。話が早い。しかし「全てこちらで動くとコトが大きくなって時間もおカネもかかるよ。杉山さんのほうで権利者に許諾を得たほうが話が早いと思う」とのアドバイス。KADOKAWAのビジネスは映像化など大型案件ばかりです。観光列車にヘッドマークを付ける、お土産グッズを作るという程度の商いだと、KADOKAWAもこちらも経費負けしそうです。
堀井雄二さんや荒井清和さん……ゲーム業界レジェンドとの折衝、そしてライセンス契約に至る
ファミコン版オホーツクに消ゆの主な権利者は、原作者の堀井雄二さん、グラフィックの荒井清和さん、プログラムとBGMの上野利幸(ゲヱセン上野)さん。3人とも私の直接の知り合いではありません。
もっとも話が早そうな人物は荒井清和さんです。荒井さんはログインなどで連載された4コマ漫画「べーしっ君」や、「週刊ファミ通」のクロスレビュアーの人物イラストでもおなじみ。その荒井さんとつながる友人がいます。元アスキーの仲間で、現在はゲーム開発会社を運営する樋口浩路さんです。彼は2018年に荒井さんを起用したゲーム『にいがた歴史観光科学とかのミステリーアドベンチャー』を作っています(関連記事)。
樋口さんに連絡し、荒井さんに話をつないでいただくよう頼みました。後に知りましたが、当時、樋口さんは荒井さんのイラストを起用したゲーム『ダービースタリオン(ニンテンドーSwitch版)』のグラフィック制作を担当し、佳境に入っていたそうです。
堀井雄二さんは名作『ドラゴンクエスト』シリーズの原作者です。大御所です。樋口さんとはFacebookでつながっていました。しかし「スクウェア・エニックスに話を通したほうがいいのではないか」ということで、プロデューサーのM氏にメールを送りました。M氏からは面識がないにもかかわらず丁寧な返信をくださり「ファミコン版は当社に関係ないので、直接、堀井先生に連絡してほしい。堀井先生には用件を伝えます」とのこと。これがとてもありがたいことでした。
あらためて堀井さん宛てに「ご説明プレゼンテーション」を作り、樋口さんに託しました。何度かやりとりして、堀井さん、荒井さんから了承の返事をいただきました。ゲーム業界のレジェンドからのメッセージに感激しました(後述)。
上野利幸さんは、元ログイン編集長の河野真太郎さんとつながっていました。こちらもログイン読者には懐かしいですね。ログイン、テックウィンなどでオモシロ企画を次々にヒットさせた河野マタローさんです。私が広告営業担当だったころの編集長です。実は家が近く、残業で会社に泊まり込みそうな私を見かねて、ほぼ毎日、一緒にタクシーに乗せて送ってくださいました。
お世話になりっぱなしで恐縮しつつ、上野さんへの取り次ぎをお願いしました。そして上野氏からも真摯なメッセージをいただきました。「ファミコン版はBGMのみ関わっていて、音楽を使わないなら私の許諾は不要です。楽曲を使う場合はJASRACに連絡してください」とのことでした。
私はアスキーを辞めてから、ゲームライターもやっていました。ゲームライター時代は畏れ多くてお近づきになる機会もありませんでした。しかし、鉄道ライターの今になって、メッセージをやりとりさせていただけるとは……。これも全て「オホーツクに消ゆが好きだ!」という思いで突き進んだ結果です。世の中には情熱で開く扉があるんです。
さて、以上を青柳さんに伝え、KADOKAWAの許諾をお願いしました。そして「KADOKAWAとして、ゲームの舞台となった地域の活性化に協力させていただきたい」との回答をいただきました。ここから先は石黒氏に引き継ぎます。こうしてつい先日、正式なライセンス契約に至りました。ここまで半年以上、多くの方々に助けていただきました。
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