そういえば……鳴ってます。大切な役割があります。
駅の改札やホーム上で「ピーン、ポーン」という音や「鳥のさえずり」の音を耳にすることがあります。この音はBGM? 警告音……? 一体何のために流しているのでしょうか。

この音は「盲導鈴(もうどうれい)」。目が不自由な人に駅の改札口や出入口、改札などの位置を知らせて誘導するため設備です。「誘導鈴」や「誘導チャイム」とも呼ばれます。
音の種類は、2000年に施行された「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(交通バリアフリー法)」に基づき、2001年に発行された国土交通省の「公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン(バリアフリー整備ガイドライン)で、公共交通施設での統一基準が定められました。
その後2006年に施行された「バリアフリー新法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律:平成18年12月施行)」では、建物(商業施設など)や交通施設(駅など)、それらを結ぶ移動経路もバリアフリー化するよう義務付けられ、同じく、これに基づくガイドラインが制定されました。
このガイドラインにより、駅の改札口や地下鉄の地上出入り口では「『ピン・ポーン』またはこれに類似した音響(非音声)」、ホームの階段では「鳥の鳴き声を模した音響(非音声)」というように、場所に応じて具体的に発する音が定められました。音の大きさについても、周りの音に打ち消されないよう「周囲の音(暗騒音)よりも約10dB以上大きいこと」となっています。



ちなみにバリアフリー整備ガイドラインでは、トイレやエスカレーターでの音声案内の例や、案内サインやピクトグラムの表示方法、点字ブロックの配置などについても具体的に定められています。
普段は駅で聞こえる環境音の1つとして、鳴っているのは知りつつもあまり意識していないかもしれません。しかし無意味な音ではありません。駅で聞こえる「ピーン、ポーン」音と「鳥のさえずり」の音は、これを頼りに移動する人がいる、とても大切な音なのです。

(大泉勝彦)


