「ライブ活動を行う権利を有することを確認したい」 音楽4団体がコロナ禍でのライブ活動に関する共同声明発表(1/2 ページ)

「大切なのはルールを守り、それが行政機関によって認められている営業活動は守られるべきだという事」とコメント。

» 2021年07月10日 12時00分 公開
[Kikkaねとらぼ]

 音楽4団体が、コロナ禍におけるライブ活動に関する共同声明を発表しました。ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021などの中止を受け、「政府の対処方針・自治体のルールを守り、行政機関からの中止要請のない限り、ライブ活動を行う権利を有することを確認したい」としています。

音楽4団体 発表された声明(公式サイトより)

 声明を発表したのは、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンサートプロモーターズ協会、日本音楽出版社協会の音楽業界4団体です。

音楽4団体 日本音楽事業者協会(公式サイトより)
音楽4団体 日本音楽制作者連盟(公式サイトより)
音楽4団体 コンサートプロモーターズ協会(公式サイトより)
音楽4団体 日本音楽出版社協会(公式サイトより)

 政府の基本的対処方針に基づいて公演開催地各自治体との協議のうえで、感染拡大防止を第一義としてライブの場を広げてきた中、「業界独自のガイドライン」も制定してきたものの「政府や各自治体といった行政機関ではないところからライブ中止要請などが出され、その事によってライブを中止せざるを得ない事態が起きています」と同団体。

 「地域の感染拡大予防と医療体制の維持に昼夜ご努力されている医療従事者の皆様には感謝の言葉が尽きることはございません」と医療従事者への感謝を述べつつROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021が茨城県医師会など27団体より、ARABAKI ROCK FEST.20th×21が宮城県医師会・仙台市医師会・柴田郡医師会より中止要請を受け中止したことにも触れ、「地元の医師会が反対する中での開催は主催者にとって大きな負荷となるのは言うまでもありません」と見解を示しました。

 そのうえで国のガイドラインを守っている飲食店が地元の医師会から営業停止要請で休業するというような例は余り聞いたことがないとして、「大切なのはルールを守り、それが行政機関によって認められている営業活動は守られるべきだという事」とコメント。

 「地元のご理解とご協力は何より大切です。その上で私たちの活動も守っていただきたいと思います」と理解を呼び掛けています。

 

音楽4団体、コロナ禍におけるライブ活動に関する共同声明全文

 コロナ感染の収束が見えない中、日本中が安全を守りながらの経済活動の形を模索しています。私たち音楽業界も、ライブを中心にコロナ禍における新しい活動形態を探し、確立すべく努力を続けています。しかしライブ活動をする上での制約は多く、コロナ前の活動スケールには遠く及ばない状況が続いています。

 その中で私たちは政府の基本的対処方針に基づき、公演開催地各自治体との協議のうえ、感染拡大防止を第一義としてライブの場を広げて来ています。そして政府関係当局や専門家先生方の助言をいただき業界独自のガイドラインも制定し、お客さまの絶大なるご理解ご協力をいただきながら、より安全な形でのライブを行っております。しかしながら政府や各自治体といった行政機関ではないところからライブ中止要請などが出され、その事によってライブを中止せざるを得ない事態が起きています。最近では茨城県で行われる予定だった ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021が、茨城県医師会など27団体からの中止要請により中止を余儀なくされました。春に中止となったARABAKI ROCK FEST.20th×21でも宮城県医師会・仙台市医師会・柴田郡医師会の連名で主催者へ開催10日前に中止要請の手紙が届いていました。

 地域の感染拡大予防と医療体制の維持に昼夜ご努力されている医療従事者の皆様には感謝の言葉が尽きることはございません。しかしながら法的な中止権限はないとはいえ、地元の医師会が反対する中での開催は主催者にとって大きな負荷となるのは言うまでもありません。ライブエンタテインメント以外では、国のガイドラインを守っている飲食店が地元の医師会から営業停止要請で休業するというような例は余り聞いたことがありません。参加人数の多さ等、影響の違いはありますが、大切なのはルールを守り、それが行政機関によって認められている営業活動は守られるべきだという事です。無論、地元の方との協議や調整は必要です。むしろ私たちはそれを積極的に行っていきたいと思います。地元のご理解とご協力は何より大切です。その上で私たちの活動も守っていただきたいと思います。

 私たちは、あらためて政府の対処方針・自治体のルールを守り、行政機関からの中止要請のない限り、ライブ活動を行う権利を有することを確認したいと思います。このコロナ禍にあって厳しい経営を強いられている業界はたくさんあります。私たちライブエンタテインメント業界は昨年度、売上が80%減となり危機的な状況にあります。それほど大きな業界ではありませんが全国60万人を超える方々が仕事に従事しております。音楽を愛し、多くの方に優れたエンタテインメントによって社会に元気と活力を提供すべく働いています。

 ライブエンタテインメントの未来に向けた新しい在り方を皆さんとともに作ってまいりたいと思います。ご理解のほどよろしくお願いします。

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