なぜ「西九州新幹線」なの? 長崎新幹線じゃダメだった理由:月刊乗り鉄話題(2021年8月版) 「西九州新幹線」の素朴な疑問11選(1)(2/2 ページ)
【疑問 3】どんな電車が走るの?
西九州新幹線は「N700S」が採用されました。
N700Sは東海道新幹線・山陽新幹線の最新型車両(関連記事)です。JR東海が開発しました。
先代のN700Aは東海道新幹線・山陽新幹線の「16両編成」を前提に、必要な電子機器を分散させて搭載していました。それに対してN700Sは短い編成にも対応できる機器構成とし、海外の新幹線への輸出、将来の国内ローカル新幹線への採用も見据えて開発されました。
その「短編成」の採用第1号が西九州新幹線向けです。西九州新幹線はN700Sの6両編成で運行されます。
東海道新幹線のN700Sは伝統的な白地に青帯のデザインです。西九州新幹線は白地で裾を赤くした2トーンカラーで、窓の下に細い帯が添えられています。
【疑問 4】列車名は何になるの?
西九州新幹線の列車名は「かもめ」です。博多〜長崎間の特急列車としておなじみの列車名を継承しました(関連記事)。
正式路線名が西九州新幹線と決まる前、車両にN700Sを採用すると発表した2020年10月当時の仮デザイン(関連記事)では鳥が羽ばたく黄色いロゴマークが入っていましたが、2021年7月に発表した正式デザインでは「赤いロゴマーク」になりました。
赤はJR九州のコーポレートカラー。3つの輪の意味は不明ですが、長崎・佐賀・福岡を結ぶ輪かな、と思いました。
なお、2021年現在運行している特急「かもめ」は運転区間が博多〜武雄温泉間に短縮され、列車名は「リレーかもめ」に変わります。このリレーは「ある区間(ここでは博多〜長崎の区間)をリレーして接続する」を意味します。武雄温泉駅では、特急「リレーかもめ」と新幹線「かもめ」を乗り継ぐ場合は同じホームで乗り換えられるように配慮されています。
次回は、西九州新幹線の「最高速度」「短縮所要時間」「料金」の疑問を解説します。お楽しみに。
杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)
乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。日本鉄道全路線の完乗率は100%(2021年4月時点)
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想像しただけでドキドキです。
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