「鬼門の交番」には、破ると恐ろしいことが起きる「ルール」があった…… 正体不明の不条理な怪異を描いたホラー漫画(1/3 ページ)
先輩が怪異に半分足を突っ込んでいるような……。
「見るなのタブー」と呼ばれる、世界中の神話や民話に見られるモチーフがあります。日本では『鶴の恩返し』の「機織りをしているところを見てはいけない」などがあり、これらは物語においてほぼ例外なく破られる、いわば悲劇的な結末を見せるためのギミックです。
今回ご紹介する作品は、ある特殊な事情から「破れば恐ろしいことが起きるタブー」が多数存在する場所のお話で、やはりタブーは破られ怪異が現れるのですが……それに勝るとも劣らぬ「心強い味方」にもご注目ください。
念願かなって警察官になった男性。「鵺魅(やみ)交番」に配属され、期待と不安の交わる新たな日々が始まる、かと思いきや……男性の頭の中は不安でいっぱいなのでした。なぜなら男性の勤務地である鵺魅交番は、「日本全体の鬼門にあたる場所で、常識では考えられない現象が起きるため、それを防ぐために謎のルールを順守しなければならない場所」だったのです。
先輩によれば「鵺魅交番に初めて勤務する人間は、その日の朝9時から深夜0時まで入り口に立ち、決して中に入ってはいけない」というルールがあるそうです。これを破れば「呉(くれ)にやられる」と言い、さらに「呉は毎回姿を変えて人を騙す」とも言います。
不安にさいなまれながら、訳も分からず入り口に立ち続け……ようやく0時を迎えようとしていた頃。先輩はどこかに行ったのかいなくなっており、同時に男性の手をさする「何か」が現れたのです。
その「何か」は手を振り払われると、交番の中を荒らし回ります。男性が腕時計を見ると0時を回って少し経っており、これでルールは守ったはずと交番の中に立ち入るのですが……交番の中の掛け時計は0時前を指していました。
「呉は人を騙す」。男性の腕時計は「何か」……そこにいる呉が、先ほど時間をずらしていたのでしょう。ルールを破って交番の中へ入ってしまった男性は、正体を現しはじめた呉を前に身動きが取れなくなります。そして呉は「……腕くれ、足くれ……いのちくれぇ!!」と絶叫し、男性に襲いかかるのです。
絶体絶命の男性を救ったのは、どこからともなく現れた先輩でした。先輩は呉の髪の毛をひっつかんで力いっぱい引きずり回し、聖水が仕込んであるトイレの便器へとたたき入れ、そのまま下水へと流してしまったのです。先輩いわく「ヤバいヤツが出てきたら、聖水が入っているトイレへぶち込んで流す」のが、ここで生き残るためのルール、とのこと。
先輩によれば、この交番にはまだまだ大量のルールが存在しているそう。そのすべてを覚えきるまで、果たして男性は無事でいられるのでしょうか……。
作者は漫画家の名無そうはた(@souhata2013)さん。名無さんが原作を担当している作品『カゾク 地獄の連鎖』が、LINEマンガにて掲載中です。
名無さんは「鵺魅ルール」シリーズとして、本作品を含めた3本の漫画を描き下ろしています。「続きも描きますので気長にお待ち下さい」とのことで、シリーズの他作品は作者Twitterから読むことができます。
鵺魅ルール 鵺魅鏡
鵺魅ルール 笑み
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