一度泊まれば一生自慢できるぞ! 旧任天堂本社に泊まれるホテル「丸福樓」がついに開業、一足早く内部をレポート(1/3 ページ)

モダンで豪華な空間を堪能できます。

» 2022年03月31日 14時30分 公開
[しげるねとらぼ]
この建物、旧任天堂本社で現在はホテルなんです

 京都にある、任天堂の旧本社社屋。建造から90年近くが経つこの建物が、4月1日にホテル「丸福樓」としてオープンします。アール・デコ全盛期のデザインがギッチギチに詰まったこのレトロなホテルの、マスコミ向け内覧会に行ってきました。

 1889年、山内房次郎はかるたや花札の製造販売を手がける会社として「山内房次郎商店」を創業。1947年には屋号を変更し、現在の任天堂の前身である「丸福株式会社」を設立しました。さらに1950年には「任天堂かるた株式会社」に商号を変更。丸福樓が立つのは、この山内家が商売を始めた京都の鍵屋町です。ちょうど高瀬川と鴨川の間あたりの立地で、最寄駅は京阪電車の七条駅ですが、京都駅からも歩いてアクセスできる距離です。

正面玄関は左右の旗が目印です
入口左右には「山内任天堂」の銘板が
左が山内家の住居だった「ハート」棟、右が倉庫だった「クラブ」棟
中央のグレーの建物が新築の「ダイヤ」棟です

 この丸福樓を開業・運営するのは東京を拠点とするホテルマネジメント会社のPlan・Do・See。なので、現在の任天堂が運営しているホテルではありません。しかし丸福樓の建物は1930年代から1950年代にかけて実際に任天堂の本社社屋や倉庫だったもので、また当時3棟あった建物のうち中央の1棟は山内家の住居として長く使われていました。ホテルとして開業するにあたり、1棟目と2棟目の間に安藤忠雄設計の新棟を建設。任天堂の看板商品だったトランプにちなみ、入り口側から順に「スペード」「ダイヤ」「ハート」「クラブ」の4つの建物名がつけられています。

山内家のライブラリーが入った「スペード」棟

エントランスを入ると、かつては受付だったらしいスペースが
時計の下にくっついている、タイムカードの刻印機
エントランス付近。とにかくタイルの色味や配置がイケてる
壁の窓にもいちいち装飾が。タイルの角が四角く欠けてるのも芸が細かい〜
柱にもこういう感じで装飾が。マジモンのアール・デコだ……!
天井も手抜きがありません
照明もいちいち凝っている
おそらく地下室の採光用であろう、ガラス張りの床面
窓にはまっているフェンスにも丸福マークが

 メインエントランスがある「スペード」棟は、任天堂の本社事務所があった建物。事務所らしく、入ってすぐに受付だったであろうスペース(現在はレセプションルームとして利用)があります。とにかく入口付近からモダンな雰囲気が濃厚。壁や柱に貼られたタイルや照明器具は当時のままとなっており、また社員の出退勤を管理していた時計もそのまま置かれています。

「へ〜、このホテルの模型か〜」と近づいたら……
レゴやんけ

 このエントランスの脇がラウンジになっているんですが、そこにはなにやら精巧な丸福樓の模型が……。と思って近づいて見たら、なんとレゴでできとる。よくまあこんな色味と形がドンピシャのパーツがあるもんだと感心していたんですが、これは日本人唯一のレゴ認定プロビルダーである三井淳平さんの作品なんだそうです。そりゃうまいわけですわ……。

こちらがライブラリーの「dNa」
なんか頭が良さそうな本がたくさんあるぞ!
山内溥氏のエピソードに由来する片目の達磨
こちらは山内家に届いた手紙
小坂学氏の制作したケント紙製のファミコン

 この「スペード」棟の2階には、山内家の資産を背景に活動するYamauchi-No.10 Family Officeが企画したライブラリーdNaが設置されています。このライブラリーには任天堂の理念が表現されており、山内家宛ての手紙やRhizomatiks制作の花札を題材にした映像作品、山内溥氏が飾っていた片目の達磨に着想を得た達磨、美術作家の小坂学氏が制作したケント紙製のファミリーコンピュータ(関連記事)などを陳列。

前に立った人によって絵柄が変わるインタラクティブアート。左は山内家の山内万丈氏
ライブラリーの横の部屋はバーになってます

 さらにライブラリーの出入り口には作品内に潜り込めるインタラクティブアートや、隣室にはバーも用意。宿泊者による利用のほか、将来的にはこのライブラリーを利用したイベントなども開催する予定とのこと。天井が鏡になっている部屋なので、夜間に入ると展示物や棚の光が反射してすごいことになるようです。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2409/06/news108.jpg 33歳の「西郷どん」二神光さん、バイク転倒事故での急逝に衝撃 1年前の共演者は“願い”明かし「叶わないなんて」
  2. /nl/articles/2409/06/news036.jpg 「へー知らんかった」 わずか7年で“消えた駅” 東京メトロが明かす“知れば納得の歴史” 「だからあんなに……」
  3. /nl/articles/2409/06/news134.jpg 梨花、カリフォルニアの新居が豪邸過ぎる 「セレブな豪邸素敵」「こんな生活してみたい」と反響集まる
  4. /nl/articles/2409/06/news120.jpg 「虎に翼」“よねさん”俳優、ギャル風な激変で驚きの声「こんなにイメージが変わるとは」「雰囲気違いすぎる」
  5. /nl/articles/2409/06/news035.jpg サイコガンダムの胸部を開くと……“ギャップありすぎ”なまさかの中身に「なん…だと…!?」「吹いた」
  6. /nl/articles/2409/06/news124.jpg なんですぐ分かっちゃうんだ! 全身エイリアンな“大御所歌手”の正体が「隠せませんね笑笑」と即バレ
  7. /nl/articles/2409/04/news022.jpg 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  8. /nl/articles/2409/06/news038.jpg 飼い主と3日ぶりに再会した猫、全力で抱っこをせがみ…… “うれしい”が伝わる驚きの動きに「泣けてきちゃう」「愛が止まらないね」
  9. /nl/articles/2409/06/news033.jpg 車に乗った黒柴犬、行き先に気付いてしまい…… 哀愁漂う鳴き声に「ギューー!ってしたい」「かわいそうだけど、可愛い」と150万表示
  10. /nl/articles/2409/05/news039.jpg “電車でのご視聴にご注意を” 散歩前は超元気な柴犬→散歩後の激変が720万再生「5年くらい休まず散歩して来たんか?w」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  2. 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  4. 友人にメダカと睡蓮をあげる→3年後に見に行くと…… 想像を超える“楽園”に「こんなに……!?」「めちゃくちゃ綺麗」
  5. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  6. 「24時間テレビ」ラストスパートでのやす子へのわいせつ行為に非難 「胸触りにいってる」「気持ちが悪い」
  7. 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
  8. 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. 300円で購入した格安熱帯魚を、1年じっくり育てたら……宝石に化けた「価格に見合わない」激変に「ダイヤ感出て綺麗」「ラメがすごい」
  10. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」