河童と天狗だらけの公園を、高齢者が電動カートで激走! “妖怪のまち”で開催された「ポルカーグランプリ」に行ってみた(2/3 ページ)

» 2022年09月27日 20時00分 公開
[しげるねとらぼ]

 まずは11時に参加者が全員集合して、ポルカーの走行方法について練習。乗るのに免許のいらないポルカーですが、念の為の安全講習です。実際に走っているところを見ると、なんともまあのんびりした乗り物。レース用ポルカーの最高時速は約4キロということで、速度はほぼ歩いてるのと一緒。さらに念には念を押して、走行中は福伸電気の社員さんが随伴します。

予選タイムアタック開始!
ガジロウ、そして妖怪コスプレイヤーの皆さんも出現!
本気のやつじゃないですか、このコスプレ

 練習が終わってお昼も食べて、ということで、13時から予選タイムアタックを開始! 1台ずつのんびり走り出すポルカー! 特に封鎖されるでもない公園の中(まあ、時速4キロなので……)を、淡々とポルカーが走っていきます。後ろについて歩いていると「これ、タイムに差なんか出るのかな……」と思うんですが、時速4キロだからこそ微妙なコースの取り方やコーナリングの違いでタイムが違ってくる。

 そしてこのコース、案外高低差がキツい! 当日はけっこう暑かったため、アップダウンのあるところを歩くと時速4キロでもそこそこ高速に感じられるほど。そのポルカー、おれも乗せてくれよ! 坂道でもスイスイ動くポルカーのトルクの強さを感じたところで、無事ポールポジション獲得ドライバーが決定しました。

参加者の中でも最高齢の「とにかく進」さんが出走
取材に来たカメラマンとの距離がラリー並みに近い
坂だろうがなんだろうが、スイスイ走る
当日はかなり暑かったので、油断すると置いていかれるのだ
ま、待って……!
ゴール! 「とにかく進」さんはタイムアタックでは最速記録を叩き出しました

 予選終了後、ついにレースが開始。第1レースのポールポジションは、本レース最高齢(88歳)の「とにかく進」さんが獲得し、フラッグが振られると共に各車出走! 時速4キロでのんびり走るポルカー! ほとんどお散歩みたいな速度なんで抜きつ抜かれつのデッドヒートは特に発生せず、出走順に縦列を作って辻川山公園を走っていきます。なにこれ。

というわけで、レース開始!
フラッグが振られてから全車が出ていくまでそこそこ時間がかかる。時速4キロなので……
ゆ〜っくり公園の中を走っていくレーサーたち
電動だからエンジン音なども一切なし。いたって静か
なんなんだろう、これ……

 異変が起こったのは2周目。これまで圧倒的にトップだった「とにかく進」さんですが、ピットインで血圧を測ったところまさかの180超え。危ないって! というわけで強制的に5分間休憩。二番手だった「アーサーキット(82歳)」さんがトップに躍り出ます。まさか血圧が原因で抜かれるとは……。

 そして、自分も含め取材に来ていたテレビカメラや新聞社もこの血圧測定を頑張って撮影していたわけですが、ここまでカメラが並んだ血圧測定は初めて見たかもしれません。

2周目でピットイン! 血圧測定を開始!
こんなにカメラが並んだ血圧測定、兵庫県では初だと思う
血圧計は手動でシュポシュポするタイプのやつ!
血圧が180を超えてしまった場合、5分休んで再測定。血圧が下がってたら再出走です

 3周目のピットインでもみなさんもち麦麺を見事に食べ終え、そのまま「アーサーキット」さんがゴールイン! 優勝おめでとうございます! 割と淡々と休憩のベンチに戻っていくレーサーの皆さま。日陰の方が涼しいもんね。暑いし、ゆっくり休憩してください。

3周目ではもち麦麺を補給。お腹すくもんね
もっとまったりした食べっぷりを想像していたんですが、みなさん結構な勢いで完食
そのまま一周してゴール! 
日陰でよく休んでください

 2回目のレースではポールポジションを獲得した「アップルリツコ(76歳)」さんが血圧測定を難なくクリア。もち麦麺も平らげ、安定した走りのままゴールイン。おふたりには、高級ポルカーのレンタル権3カ月分が授与されました。おめでとうございます!

レースの合間には福崎町の町長さんのあいさつが挟まりました
第二レースからは血圧計が電動に!
もち麦麺をドライブスルー方式で食べる猛者も出現
優勝はこの2人! おめでとうございます!

 しかし、なぜこんな酔狂なイベントを開催しようと思ったのか……。実は開催の理由には、カッパのガジロウなど福崎町の妖怪を通じた町おこしの仕掛け人であり、2021年9月に亡くなった小川知男さんの存在がありました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  2. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  3. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  4. そうはならんやろ “0円の画材”と“4万円の画材”、それぞれでジョーカーを描いてみた結果に驚き【海外】
  5. 「秒速で1億円稼ぐ男」与沢翼、ドバイの大豪邸を“10億超”で売却 1000平米超の全ぼうに「こんな豪邸住んでみたい」「5億円も貰えるとかすげえ」
  6. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  7. 「これは早死にルート」 マクドナルドが提案する“休日の過ごし方”にツッコミ殺到 狂気のスケジュールに「過酷すぎ」「どうかしてる」
  8. 台風の日、祖母宅に「食べるものがない」と聞いた孫が食料を届けに行くと……? まさかの光景に「ホント良い子や」「エエッ!?」
  9. 売上7億円超の人気漫画『小悪魔教師サイコ』作画家・合田蛍冬氏が出版社を提訴した訴訟が和解 同一原作の後発漫画が出版されトラブルに 出版社は謝罪
  10. マクドナルド、兎田ぺこらとのコラボ匂わせ→斜め上の解釈で生まれた“架空のキャラ”に爆笑 「それにしか見えないw」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」