ケージの隅で震えていた元野良の成猫、根気強く距離を縮めた結果…… “成猫は人気がない”を覆す甘えん坊な姿に感動

第7回は保護猫「たると」ちゃんです。

» 2022年11月11日 19時00分 公開
[あだちまる子ねとらぼ]

 近年、動物の虐待や飼育放棄、悪質な業者による販売、不適切な飼養が社会問題となっています。個人や団体、地域が行き場をなくした動物たちを守るため、日々保護活動に取り組む一方で、動物たちが命を失う悲劇は後を絶ちません。

 私たちの身近な場所で繰り返されている、動物たちの殺処分衰弱死などの厳しい現実。しかしまた一方で、動物との心あたたまる出会いや愛に満ちた生活が、保護活動によって生まれ、営まれていることも事実です。微力でも地道に保護という選択を伝え続けていくことが、動物たちの命を守ることにつながるかもしれません。

 そこで、ねとらぼ生物部では保護動物と暮らす読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、尊ぶべき命の輝きや、愛する家族との暮らしの喜びを伝えていきます。

保護猫 ケージの隅で震えていたたるとちゃん

 第7回は飼い主・はらり(@HaraharaEsports)さんと暮らす保護猫「たると」ちゃん(現在の年齢:推定5歳半)。ケージの隅で震えていたたるとちゃんが甘えん坊になっていくまでの過程や、保護猫の迎え入れを考えている人にとって参考になるアドバイスなどをご紹介します。

―― たるとちゃんとの出会いと、保護当時の状況を教えてください

 はらりさん:私たち夫婦はともに実家で猫を飼っており、結婚式でも猫をテーマにするぐらいの大の猫好きです。保護猫のお迎えは、新築の一軒家に引っ越してから本格的に検討していました。

保護した成猫 荒川の土手で保護されました

 たるととは近所で保護猫ボランティア活動をされている方の紹介で参加した保護猫譲渡会で出会いました。当時、家族に不幸があり夫婦ともに心が弱っていましたが、たるとの存在が心の大きな支えとなりました。

かわいい保護猫 夫妻の心の支えとなったたるとちゃん

 たるとは譲渡会2カ月前のあられが降る寒い日に、荒川の土手で保護された推定2歳の野良猫でした。人間に全然慣れておらず、ケージの隅でこちらにお尻を向けて震えている様子を見た夫が「この子にしよう」と決めました。

―― たるとちゃんの現在の様子を教えてください

 はらりさん:家に来てから1カ月のあいだは全然触らせてくれず、人間を見ると威嚇してきました。それでもごはんはしっかり食べて、ケージから出るとダイニングの椅子やリビングのソファで気持ち良さそうにくつろぐようになりました。

 わが家に来てから1カ月目、尻尾だけは触らせてくれるようになりました。今では毎朝、毎晩「なでて! お尻トントンして! 肩もんで!」と甘えてきます。

ヘソ天猫 甘えん坊の猫ちゃんに!
ソファで寝る猫 すやぁ……

 たるとを引き取ってから半年後、同じボランティア団体さんから、飼い主を亡くし遺族に捨てられた推定1歳の猫の里親相談があり、もう1匹を迎え入れました。最初はお互い威嚇しあっていましたが、数週間で仲良くなり、今は毎日追いかけっこや鼻チューをしています。

ラブラブな猫 同居猫ちゃんとも仲良しに

―― 最後に、保護動物に対する思いを聞かせてください

 はらりさん:保護団体さんから「成猫は人気がないので引き取り手を探すのが大変」と聞きましたが、わが家のように共働きの家庭は成猫のほうが手がかからないのでおすすめです。時間をかければ家にも人にも懐きます。

 寒くなり、床暖房の上でゴロゴロする猫たちを眺めながら、全ての猫が幸せな生活を送れるといいな……と日々考えています。

お布団で寝る猫 お布団からひょっこりたるとちゃん
なでられる猫 なでなで気持ちいいね
猫ベッドで寝る猫 おいしそうなあんみつとタルトだ……!
猫の鼻チュー 鼻チューにきゅん

(了)

 はらりさん夫妻の心の支えとなったたるとちゃん。成猫だからこその魅力、そして根気よく接していくことで伝わる愛情があることに気付かされます。自身や家族の生活スタイルによっては、成猫を迎え入れる選択も視野に入れると良さそうですね。

 はらりさんのTwitter(@HaraharaEsports)では、たるとちゃんと同居猫「れあ(えくれあ)」ちゃんの写真や動画を公開中。もっふもふで幸せそうな日々の様子に、思わず目尻が下がりますよ。

猫のお尻 もふもふのお尻とGALLERIA
猫のカメラ目線 2匹とも決まってる!
猫2匹 はらりさん、ありがとうございました!

 ねとらぼ生物部では、引き続き「保護動物のエピソード&お写真」を募集しています! 犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。

 愛する家族との出会いのエピソードや、クスッと笑ってしまうかわいいお写真など、お気軽に【こちら】までお寄せください。皆さまからのご応募、お待ちしています。

オススメ記事

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2406/21/news116.jpg 都知事選掲示板に“ほぼ全裸”ポスターが掲出で騒動に→アイドルが懸念示す 「300万円を考えると安いものなんでしょう」「真面目に頑張りたい人が可哀想」
  2. /nl/articles/2406/21/news008.jpg 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」
  3. /nl/articles/2406/21/news019.jpg “男は餌代0円で、大量の魚を釣り上げます” 驚きの釣果と予想外な料理への変貌に「この人凄いな〜〜」「てっきりお刺身と思いきや」
  4. /nl/articles/2406/22/news028.jpg いつも遊びに来る野良猫がケガ→治療するもひどく威嚇され…… 「嫌われた」と思った翌日の光景に「涙が出ました」
  5. /nl/articles/2406/22/news026.jpg 「ファッションなんか年齢関係無く自由だろ」 80代母の“好きを着る”姿が210万表示「カッコよすぎィィィイ!」
  6. /nl/articles/2406/22/news008.jpg 家族がランチを注文する中、おばあちゃんが頼んだのは…… 自分に素直な姿が1800万再生「私もあなたのおばあちゃんみたいになりたい」【海外】
  7. /nl/articles/2406/19/news096.jpg 「エラー品ですかね?」 カッターの刃にあるはずの“あれ”がないと思ったら…… 「そういうの需要あります」「便利ですよ」
  8. /nl/articles/2406/21/news151.jpg 「読める?」 セガが“謎の暗号”で挑戦状 → フォロワーがゲームのように“攻略”して盛り上がる 「画面傾けてみて」
  9. /nl/articles/2406/20/news203.jpg もしや「これは扉?」と思い手をかけたら…… 築100年超の実家での“まさかの新発見”に「すごい!」「隠れ家みたい」 現在はどうなったか聞いてみた
  10. /nl/articles/2406/20/news177.jpg なぜ作った……? “100時間”かけて制作した「コンクリキーボード」がもはや芸術 狂気の手作業が80万再生「笑った」「バカで最高」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
  2. 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
  3. 「え?」 “ごみだらけの道”を掃除したら…… あらわになった“まさかの正体”に世界中が驚き 「信じられない」【海外】
  4. 185センチ木村沙織、生放送で櫻坂46メンバーの横に立つと……朝8時51分に驚きの光景 「あれ? 子供が混じってる?」「親子すぎる」
  5. 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
  6. 【今日の計算】「8−8÷8+8」を計算せよ
  7. フジ「アンメット」、池脇千鶴のサプライス姿が激変しすぎて“最も衝撃” イメージ覆す“肉づきたるみ顔”に「わからんかった」「びっくりして夜中に声出た」
  8. 「これどうやって使うの?」→「考えた人マジ天才」 セリア新商品の便利な使い方に「これ100円でいいんですか!?」
  9. 「この子はきっと豆柴サイズ」と言われた子柴犬、4年たつと…… 衝撃のビフォーアフターに「愛情詰まりすぎてw」「爆笑しました」の声
  10. 飼い主のことが好きすぎる超大型犬、最後は勢い余って…… 直視できないレベルの一撃に「何回見ても笑っちゃう」「襲われてる人がいます!!」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「今までなんで使わなかったのか」 ワークマンの「アルミ帽子」が暑さ対策に最強だった 「めっちゃ涼しー」
  2. 「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
  3. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 同情せざるを得ない衝撃の光景に「私でも笑ってしまう」「こんなん見たら仕事できない」
  4. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
  7. 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は…… 斜め上のキュートな活用術に「超ナイスアイデア」「こういうの大好きだ!」
  8. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  9. JR東のネット銀行「JRE BANK」、申し込み殺到でメール遅延、初日分の申込受付を終了
  10. サーティワンが“よくばりフェス”の「カップの品切れ」謝罪…… 連日大人気で「予想を大幅に上回る販売」