ケージの隅で震えていた元野良の成猫、根気強く距離を縮めた結果…… “成猫は人気がない”を覆す甘えん坊な姿に感動
第7回は保護猫「たると」ちゃんです。
近年、動物の虐待や飼育放棄、悪質な業者による販売、不適切な飼養が社会問題となっています。個人や団体、地域が行き場をなくした動物たちを守るため、日々保護活動に取り組む一方で、動物たちが命を失う悲劇は後を絶ちません。
私たちの身近な場所で繰り返されている、動物たちの殺処分や衰弱死などの厳しい現実。しかしまた一方で、動物との心あたたまる出会いや愛に満ちた生活が、保護活動によって生まれ、営まれていることも事実です。微力でも地道に保護という選択を伝え続けていくことが、動物たちの命を守ることにつながるかもしれません。
そこで、ねとらぼ生物部では保護動物と暮らす読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、尊ぶべき命の輝きや、愛する家族との暮らしの喜びを伝えていきます。
第7回は飼い主・はらり(@HaraharaEsports)さんと暮らす保護猫「たると」ちゃん(現在の年齢:推定5歳半)。ケージの隅で震えていたたるとちゃんが甘えん坊になっていくまでの過程や、保護猫の迎え入れを考えている人にとって参考になるアドバイスなどをご紹介します。
―― たるとちゃんとの出会いと、保護当時の状況を教えてください
はらりさん:私たち夫婦はともに実家で猫を飼っており、結婚式でも猫をテーマにするぐらいの大の猫好きです。保護猫のお迎えは、新築の一軒家に引っ越してから本格的に検討していました。
たるととは近所で保護猫ボランティア活動をされている方の紹介で参加した保護猫譲渡会で出会いました。当時、家族に不幸があり夫婦ともに心が弱っていましたが、たるとの存在が心の大きな支えとなりました。
たるとは譲渡会2カ月前のあられが降る寒い日に、荒川の土手で保護された推定2歳の野良猫でした。人間に全然慣れておらず、ケージの隅でこちらにお尻を向けて震えている様子を見た夫が「この子にしよう」と決めました。
―― たるとちゃんの現在の様子を教えてください
はらりさん:家に来てから1カ月のあいだは全然触らせてくれず、人間を見ると威嚇してきました。それでもごはんはしっかり食べて、ケージから出るとダイニングの椅子やリビングのソファで気持ち良さそうにくつろぐようになりました。
わが家に来てから1カ月目、尻尾だけは触らせてくれるようになりました。今では毎朝、毎晩「なでて! お尻トントンして! 肩もんで!」と甘えてきます。
たるとを引き取ってから半年後、同じボランティア団体さんから、飼い主を亡くし遺族に捨てられた推定1歳の猫の里親相談があり、もう1匹を迎え入れました。最初はお互い威嚇しあっていましたが、数週間で仲良くなり、今は毎日追いかけっこや鼻チューをしています。
―― 最後に、保護動物に対する思いを聞かせてください
はらりさん:保護団体さんから「成猫は人気がないので引き取り手を探すのが大変」と聞きましたが、わが家のように共働きの家庭は成猫のほうが手がかからないのでおすすめです。時間をかければ家にも人にも懐きます。
寒くなり、床暖房の上でゴロゴロする猫たちを眺めながら、全ての猫が幸せな生活を送れるといいな……と日々考えています。
(了)
はらりさん夫妻の心の支えとなったたるとちゃん。成猫だからこその魅力、そして根気よく接していくことで伝わる愛情があることに気付かされます。自身や家族の生活スタイルによっては、成猫を迎え入れる選択も視野に入れると良さそうですね。
はらりさんのTwitter(@HaraharaEsports)では、たるとちゃんと同居猫「れあ(えくれあ)」ちゃんの写真や動画を公開中。もっふもふで幸せそうな日々の様子に、思わず目尻が下がりますよ。
ねとらぼ生物部では、引き続き「保護動物のエピソード&お写真」を募集しています! 犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。
愛する家族との出会いのエピソードや、クスッと笑ってしまうかわいいお写真など、お気軽に【こちら】までお寄せください。皆さまからのご応募、お待ちしています。
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