子猫と見間違うほどガリガリな猫を保護→実はおなかに赤ちゃんがいて…… 死産を乗り越えた母猫の新しい暮らし
第8回は保護猫の「アオ」ちゃんです。
近年、動物の虐待や飼育放棄、悪質な業者による販売、不適切な飼養が社会問題となっています。個人や団体、地域が行き場をなくした動物たちを守るため、日々保護活動に取り組む一方で、動物たちが命を失う悲劇は後を絶ちません。
環境省Webサイト「動物の愛護と適切な管理」は、2020年4月1日〜2021年3月31日に殺処分された犬・猫の全国総数が2万3764匹と発表。昨今、国内では殺処分への否定的な意見と保護への関心が高まり、殺処分数は減少傾向、保護犬・猫の譲渡数は増加傾向を見せています。微力でも地道に保護という選択を伝え続けていくことが、動物たちの命を守ることにつながるかもしれません。
そこで、ねとらぼ生物部では保護動物と暮らす読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、尊ぶべき命の輝きや、愛する家族との暮らしの喜びを伝えていきます。
第8回は飼い主・わたなべ(@taurodont)さんと暮らす保護猫「アオ」ちゃん(現在の年齢:推定3歳)。保護時、子猫と見間違うほどガリガリだった猫ちゃんの、まさかの出産と回復をご紹介します。
―― アオちゃんとの出会いと、保護当時の状況を教えてください
わたなべさん:実家の庭に迷い込んできたそうで、家族が保護しました。首のあたりはかさぶただらけで脱毛症状態、長毛なのに外暮らしをしていたからか毛がもつれて毛玉だらけでした。
体はガリガリだったため生後3カ月〜半年ほどの子猫かと思いましたが、保護後1カ月で出産。保護直後に動物病院で診てもらいましたが、おなかの中に赤ちゃんがいることは見落とされていたようです。
おなかの中には4匹の赤ちゃんがいましたが、うち3匹が死産。生き残った1匹も脳に障がいがあるようで平衡感覚がなく、歩行がおぼつきません。この1匹は実家が引き取り、現在は先住犬の「ナナ」とともに暮らしています。
母猫は私が引き取り、「アオ」と命名。譲渡を受けた元保護猫「やくも」とすでに暮らしていたので、1匹も2匹も同じか……と、アオを迎え入れることに対するハードルはかなり低かったです。
やくもは一緒に暮らし始めて3年以上たった今も全く触らせてくれませんが、アオは全く臆せずベタ慣れ状態。わが家に来て3日で、へそ天で寝ていました。
―― アオちゃんの現在の様子を教えてください
わたなべさん:保護時の体重は1.3キロでしたが、現在は3キロまで増えました(それでも小さいですが……)。季節の折にトリミングなどをたしなみ、わが家のカースト頂点に立って、すり寄ってくる先住猫を鼻先であしらっています。
―― 最後に、アオちゃんや保護動物に対する思いを聞かせてください
わたなべさん:保護時、アオは手入れや避妊がされていない状態でしたが、見た目がすごくかわいく(親ばか)、逃げてきたのか遺棄されてしまったのかは分かりませんが、もしかしたら以前、誰かに飼われていたのではと思うほど人慣れしています。
本当は見かけた外猫を全員引き取りたいくらいの気持ちですが、家のキャパ的に難しいです。仕事が忙しく保護活動のようなことができないので、活動されている方には頭が下がります。外猫になってしまったとしても不幸にならず暮らしていける社会になるといいなと思います。
(了)
保護時、子猫と見間違うほどガリガリだったアオちゃん。子猫を身ごもった状態での外での暮らしはつらく、厳しいものだったでしょう。現在の写真からは、わたなべさんと暮らす日々にかけがえのない穏やかなときが流れていることが伝わります。
わたなべさんは自身のInstagramアカウント(@taurodont)にて、アオちゃんとやくもくんの写真や動画を公開中。実家で暮らす子猫「ライ」ちゃんの成長も見られます。これからもあたたかいお家で自由気ままに過ごす、みんなの姿を楽しみにしています!
ねとらぼ生物部では、引き続き「保護動物のエピソード&お写真」を募集しています! 犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。
愛する家族との出会いのエピソードや、クスッと笑ってしまうかわいいお写真など、お気軽に【こちら】までお寄せください。皆さまからのご応募、お待ちしています。
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