中古店で大量に並ぶ「同じモデル」のギター 人気アニメ流行→「挫折で売却」説も……実情は? 店舗に聞いた(1/2 ページ)

「ぼっち・ざ・ろっく!」の影響は。

» 2023年07月27日 18時30分 公開
[ねとらぼ]

 リサイクルショップの楽器売り場に、同じモデルのギターが大量に並んだ写真がTwitter上で話題を呼んでいます。ギターはロックバンドを描いた人気アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の主人公が愛用するモデル。アニメに触発されてギターを買った人が、習得に挫折して売却したのではないか、という指摘もありました。実情はどうなのでしょうか。ねとらぼ編集部は店舗に話を聞きました。

ぼっち・ざ・ろっく ギター リサイクルショップに「同じモデル」のギターがずらっと並んだ理由(画像提供:クノユウヒさん)

 「ぼっち・ざ・ろっく!」はロックバンドを結成した女子高生が、バンド活動を通じて成長していく姿を描いた作品です。はまじあきさんによる4コマ漫画が原作で、2022年秋〜冬にアニメ化され話題に。作品のヒットは、若者の間でバンドブームをもたらしたとも言われています。作品は「ぼっち」や「ぼざろ」の愛称で親しまれています。

 そうした中、Twitterユーザーでギタリストのクノユウヒ(@SkoolKiller2016)さんは7月中旬、あるリサイクルショップの楽器売り場の写真を投稿。そこには、黒いボディーが特徴のギターが何本も並べられていました。

 

 

 実はこのギター、「ぼっち・ざ・ろっく!」主人公・後藤ひとりが愛用している「レスポールカスタム」モデルのものでした。

ぼっち・ざ・ろっく 主人公・後藤ひとりが愛用するギター(画像は「ぼっち・ざ・ろっく!1巻、まんがタイムKRコミックスから)

 この写真を見たTwitterユーザーの間で浮上したのは、アニメの影響を受けてギターを始めたものの練習に挫折し、ギターを売る初心者が続出したのではないか、という説。弦を押さえる指の力加減が難しく、細かい運指も求められるギターは、初心者の習得が難しい楽器として知られます。

 ユーザーの間では「ぼざろの影響か…」「予想出来た光景だったとは言え早いな…」などの声が聞かれ、投稿者のクノユウヒさんも「みんなアニメ見て2,3ヶ月ぐらいで辞めちゃったんかな…」と心配していました。

実際のところは

 実際のところはどうだったのでしょうか。ねとらぼ編集部は7月25日、ギターを販売しているコメ兵名古屋本店本館の売場担当者に話を聞くことができました。

 

 

――このギターの量は「ぼっち・ざ・ろっく!」ブーム後に売りに来る人が増えているということでしょうか?

「『ぼっち・ざ・ろっく!』のブームは終焉したのではなく、まだ時期の確定していないアニメ第2期の放送に向けて、人気は加速している最中であると考えています。したがって当該のモデルにつきましては、まだ一般のお客様が売却された実績はほとんどなく、ほぼ全て当社が『ぼっち』ファンの方々のために全国から独自のルートで仕入れた商品です」

 コメ兵名古屋本店本館はギターの品ぞろえに特に力を入れているとし、「お客様に『この店、ヤベぇ!』と言っていただけるような圧倒的な品揃えをモットーに展示を心掛けている」と担当者は伝えます。今回の「後藤ひとりモデル」のギターもその一環で売っているものだといい、「ツイートの画像では『売れ残っている』ように見えるかもしれませんが、アニメ放映後の年末から現在までに、画像に写っているのと同じくらいの本数を販売しており、実は常に(在庫が)入れ替わっています」とのことでした。

 「ぼっち・ざ・ろっく!」と同じバンドアニメとしては、2009〜2010年に放送された「けいおん!」も人気を集め、若者を中心としたバンドブームが起こりました。担当者は「『けいおん!』の第2期が放送を終えてからおよそ1〜2年後くらいから劇中に登場したギターをモチーフとしたモデルの買い取りが増加し、その後数年間はかなりの本数が市場に溢れかえっていたと記憶しております」と当時の人気ぶりを振り返ります。

 そして、「現在では『けいおん!』は単なる一過性のブームでは終わらず、音楽アニメを語る上で欠かせないスタンダードな作品として昇華していったことから、劇中の登場モデルも安定した人気を誇っています」と、今もその影響が続いているとしています。

 今回の投稿について「想像を遥かに上回るバズりの様子を目の当たりにすることで改めて『ぼっち・ざ・ろっく!』の人気の高さを再確認した」という担当者は「弊社の商品にスポットを当ててくださったクノユウヒ様には大変感謝しております」と伝えました。

 「ぼっち・ざ・ろっく!」はこれから、「けいおん!」のような影響力を持つ作品になっていくのでしょうか。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた