【前編】今一番熱い“器楽奏者とボーカル融合”ガールズユニット「C;ON」を取材 異例尽くしのメジャーデビュー記念ライブで魅せた決意を1万7000字レポート(3/3 ページ)
16曲目はアイドルグループCANDY TUNEの立花琴未さんが出演したことで話題を呼んだ「もしも」。この日は会場の照明をすべて落として、キャンドル風のランプだけでしっとりと届ける演出が採用されており、C;ONの演奏力と歌唱力が際立っていました。
17曲目はメロウな雰囲気で人気の「曖昧=Libido(=の正確な表記はノットイコール) 」。楽器隊との息の合ったダンスやフォーメーションも見どころの1曲で、楽曲のイメージに合わせた照明の演出も非常に見どころがありました。
18曲目はSMAPの「SHAKE」をカバー。アップテンポなイントロから会場からはハンズクラップが上がり、メンバーのテンションも急上昇。聖奈さんと愛佳さんのお立ち台争奪戦が繰り広げられたり、会場から「Wo〜!」の声が元気に上がったりするなど、会場中に元気が充満するような雰囲気の中、メンバーは客席へ乱入。
至近距離でファンとの交流を楽しむメンバーがファンにマイクを手渡す場面もあり、天真爛漫に音楽を楽しむC;ONに会場が揺れるほどの大盛り上がりとなりました。
「ラスト4曲です! 盛り上がる準備できてますかー!」の掛け声とともに始まった19曲目は「S;ckkkkk」。愛佳さんによる「いけんのかよ、渋谷ー!」のあおりでスタートすると、愛佳さんはヒールを脱いでの本気モードのダンスと歌唱で会場を圧倒。迎え撃つのは色気MAXの栞音さんの艶声で、会場からは割れんばかりの「Oi!Oi!」コールと「Hey! Hey!」コールが上がり、激しい照明のフラッシュの中、客席からつきあがるこぶしが目に焼き付きました。
20曲目は佳子さんのサックスソロが印象的な「Now or Never」。赤をベースにした照明の中縦横無尽に照らすムービングライトとレーザービームが楽曲の世界観を激しく演出しており、ライブの鉄板曲をさらに盛り上げます。
この楽曲では杏実さんがキーター(ショルダーキーボード)で登場しており、メンバーと合流するのも見どころ。激しいソロも難なく笑顔で弾き上げてしまう杏実さんの確かな演奏力にファンも釘付けの様子でした。
21曲目は「Noisy」。「みんなでラスト、燃え尽きようぜ〜!」という煽りに呼応するかのようにブチ上がる客席に全力で届ける圧倒的熱量は今ノリにノッているC;ONだからこそ出せるものなのでしょう。「これがC;ONだー!」と全身全霊で“新しい世界”を届け切りました。
MC3
「C;ON最高!」の声が客席から上がる中始まったMC3では、avex(エイベックス)からのメジャーデビューが決定したことに対する率直な気持ちがメンバーから語られました。
まだメジャーデビューの実感は持てていないと語る中、栞音さんは「『私たち絶対売れます』っていう言葉をみんなに宣言し続けてきました。この『売れます』っていう言葉を現実にするために、今すごく私たちがんばらなきゃいけない時期だなって思っています。2階の関係者の皆さん、ぜひ私たちに力を貸してください!」とストレートに嘆願し、会場は大ウケ。
「私たち、結構売りやすい唯一無二のスタイルでやっているし、すごくまじめな子たち、すごく良い子たちだし、ココ重要だから聞いてください。割と実力派って言われている割に顔も悪くない!」と語りかけると、会場からは「かわいいー!」の大声援が上がります。茶目っ気たっぷりな宣伝に大照れしつつも深く深く腰を折り、集まった超満員の関係者に感謝の気持ちを伝えました。
その後結成7周年を迎えたC;ONでの活動について栞音さんは「すごくすごく楽しかったし、キラキラしていたけど、やっぱりその裏には葛藤だったり、悔しいこともたくさんありました。苦労話をするのも嫌だけど、『このまま地下アイドルで年を取って終わってしまうかもしれない』ってみんなで毎日のように口にしていたときがありました」と涙ながらに当時の心境を吐露。
「当時はこんなにたくさんの方がついてくれているわけじゃなくて、たった一人のがむしゃらに頑張ってくれるマネージャーと私たち5人で、たった6人でがんばってきました。すごく悩んだ時期もありました。前向きな愛佳と聖奈が『武道館を目標にしたい』と言ってくれたけど、私は自信がなくて、対バンで20〜30人しか集められない私たちが武道館を夢にするのはすごくおこがましいし、鼻で笑われるかもしれないって当時はすごく思いました。でもそんなときにやっぱり近くでファンの方が『C;ONならいけるよ!』ってすごくたくさん声をかけてくれて。ライブに足を運んでくれて。そんなみんなのおかげですごく支えられたし、そんなみんなにすごく力をもらいました」とあらためてファンに感謝しました。
またスタッフにも「ライブを作ってくれている音響さんや照明の方、カメラチームの皆さんだったり、会場の方。衣装さんだったり、メイクさんだったり、バンドメンバーのみんなだったりが、私たちの力以上にすごく輝かせてくれるし、かっこよくしてくれて、だからこそ私たちは自信を持てています。今関わってくださっている事務所の方、チームの方は寝る間も惜しんでがむしゃらに動いてくれて、やっぱりそんな姿を見てると、自分たちのためにこんなに動いてくれる人がいるんだってそれがすごく自信になりました」と感謝。
「そして一番はやっぱりこのメンバー。この5人でやってきて、4人にすごく支えられましたし、支え合ってやってきました。私はすごく4人を尊敬していて、1人1人に尊敬するところがたくさんあります。だから私自身も、もっともっと頑張らなきゃってすごく成長させてもらっています。やっと自信を持てるようになってきました。やっとつかんだメジャーデビューだからこそすごくうれしいです。夢のメジャーデビューだけど、もちろんここがゴールだとは思っていないし、これからの方がすごくつらいことがたくさんあると思うし、厳しい目で見られることもすごく多くなると思うんだけど、乗り越えてきた私たちなら、ファンのみんなを含めた私たちなら絶対これからも乗り越えられるって私はすごく自信があります。だから、これからも近くで私たちの傍で応援してくれるとうれしいです」と語り掛けると会場からは割れんばかりの拍手が上がりました。
そして最後となる22曲目について「そんな不安とか葛藤とか、でも希望とか光を描いた私たちの決意の曲になります。一つ一つの楽器の繊細な音だったり、私たち2人の歌声をみんなの心の奥にキュッて届けたいと思います」と「Canvas」を披露。
杏実さんによる伴奏の中、栞音さん、愛佳さんが歌い出す中、会場が一瞬静寂に包まれたかと思うと、メンバーの後ろのカーテンがオープン。そこには圧巻の光景が広がっていました。
メンバーの背後には宇都宮短期大学附属高校吹奏楽部と横浜Union Symphonic Bandのウインドオーケストラが控えており、圧巻のステージングが展開されていきます。声を震わせながら懸命に歌い上げる2人を吹奏楽系YouTuberでトランペット奏者のうっつー先生率いるスペシャル楽団が支える様子は会場中の涙を誘っていました。
沸きあがるアンコールの声援にこたえて再登場したメンバーたちから「今日はメジャーデビュー記念ワンマンライブということで、ここで重大告知があります!」と発表されたのは、「祝! 今秋メジャーリリース大決定!」と「パシフィコ横浜国立大ホール 2025年2月15日開催決定!」の2大告知。
客席数5000席という大きなホールでの開催に目を輝かせるC;ONがこの日最後に披露したのは1曲目に披露した「Last Order」のウインドオーケストラバージョン。
オーケストラのいる檀上で演奏と歌唱をたっぷり披露した最後には「以上、C;ONでした! オーケストラの皆さんに大きな拍手を!」「みんな最高だったよ! ありがとう! みんな大好き!」と感動のライブを締めくくりました。
続く後編では、1時間のロングインタビューで語られた、C;ONの覚悟と未来についてお届けします。
(Kikka)
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