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ニコニコ超会議は「達成感が足りない」 ニコ動運営長が明かす舞台裏と“次”の構想ボツになった企画とは?(2/2 ページ)

ニコニコ超会議から早1カ月が過ぎた。実はすでに来年の幕張メッセを予約しているという同社。果たして次はいつ、どんな形で実現するのか……!?

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あの中曽根OFFも ボツになった企画とは

 イベント初日、中野部長は午前4時半に会場に入り、早朝の列整理を担当した。午前6時半頃までは来場者が少なく「不安だった」が、午前9時頃には数千人規模の行列ができ、「これならなんとかイベントとして成立するんじゃないか」と胸をなでおろした。その後はさらに列が伸び、入場に時間がかかりすぎて批判を受ける一幕も。同社内には「来場者が7万人を超えれば御の字だ」と言う人もいたが、結果的には2日間で予想をはるかに超える人が集まった

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当日の行列

 開催中は同社と関連会社の社員約1000人がスタッフとして働いた。Webデザイナーがアルパカブースで列整理していたり、部長クラスの社員がニコ動オリジナルデザインのクレジットカードを販売していたりと、まさに総力を結集して運営にあたっていたのだ。「多くの社員が来場者の暖かさに感動したと言ってたし、出会いが楽しかったと言っていた。仕事の対価として給料じゃない何かで満足できる、そういうサービスに関われることがうれしいとみんなが話した」。

 とは言っても、今はただ達成感に浸っているわけではない。ニコニコ超会議は「きっと世間的には成功したと言ってもらえるレベルに達しているはず」と一定の成果は感じているものの、多くの社員は「やりきっていない」と口にしていたという。(中身はギリギリ死守できたとはいえ)当初の企画より見た目や中身で妥協した部分は細かく挙げればキリがない。「全体的にもっと当初のマックスのプランでやらせてあげたかったなと思うんです」と、スタッフを率いた立場の中野部長は振り返る。

 最後まで検討を続けたものの断念した企画がある。例えば「中曽根OFF」のように、来場者が一斉に同じ動きをするアイデアがそれ。会場全体を巻き込む企画で、一体感を演出する狙いだった。最後の最後まで形をかえて残そうとしたが、ほかの企画を邪魔しないよう配慮したり、安全を確保することが難しく、お蔵入りとなった。もし“次”があれば実現したいと、中野部長は口にする。

こちらはニコニコ動画ZEROの発表会で披露された映像。社員の皆さんが中曽根オフしてます

 ニコニコ超会議が運営側にもたらしたものは大きいという。中野部長は「社員が『こういうユーザーに囲まれて幸せだな』『頑張りたいな』と思えたことは、今後のガソリンになる。自分が何かやったとき『あいつはこういう顔をしているだろう』とイメージできるとより楽しくなる」と、スタッフの思いを代弁する。Webサービスにリアルイベントが合わさることで生まれる相乗効果に今後も期待しており、ニコニコ超会議のような取り組みを「繰り返していくのは義務だと思う」と明言する。

 実はすでに来年の幕張メッセの予約だけは済ませているが、実際に開催するかどうかは分からない。次のニコニコ超会議が1年後なのか2年後なのか4年後なのか……今、慎重に見極めている。「2回目をやるなら1回目よりずっとずっと楽しいものにしなければいけないので、プレッシャーを背負うことになるが、それでもやりたい」と中野部長は前向きに語っていた。

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