平均寿命100歳時代到来……夢の若返りも可能に?  NHKスペシャル「ネクストワールド」が描いた未来(2)

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【特選!Nスぺ】毎回骨太なテーマで楽しませてくれるNHKのドキュメンタリー番組「NHKスペシャル」。中でも特にネット上で反応が多かった回を取り上げ、当時の視聴者の感想と一緒に振り返っていく企画です。

 2015年の放送から30年後の2045年、私たち人類はどこまで進化するのかを追った「ネクストワールド」シリーズ。第2回では、来たる人生100年時代を実現する最新研究や未来の想定について描かれました。視聴者からはどんな反応が見られたのでしょうか。

私たちの未来 (C)NHK
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老化を鈍らせ寿命を延ばす物質「NMN」

 人間の老化を防ぐ物質として注目されているのが、NMNと呼ばれる物質です。これは、人間の体内にある長寿遺伝子・サーチュイン遺伝子を活性化させ、内臓機能を補正する物質であるとされています。この物質を糖尿病のマウスに1週間投与したところ、症状が劇的に改善したというのです。NMNを活用できれば、人間の平均寿命が100歳になる未来が見えるといいます。

 平均寿命が100歳まで延びることについて、視聴者からは意外と「地獄絵図」など悲観的な声も聞かれましたが、「飲むだけでいいのか。万能すぎる」とNMNに希望を持つ声もありました。しかし、内臓機能の回復だけでは不十分と見る人もいて「運動機能は完全にフォローできるのか?」と疑問の声もあがっています。

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ピンポイントで病巣に働きかけるナノマシン

 ナノマシンとは、20万分の1ミリの大きさでポリマー(高分子化合物)の中に高濃度の薬を内包したもので、体内に投与するとミクロ単位で病巣を狙い撃ちできるといいます。これはがん治療に大きな進歩をもたらし、ナノマシンががん細胞のタンパク質に反応し細胞内に侵入、そして細胞核で抗がん剤を放出して死滅させるのです。

 この仕組みには「スゲー」「もうそんな技術が」「これは期待」など希望を持つ声が多数寄せられています。また、従来の抗がん剤と違って副作用がほとんどないことも、視聴者の興味を引いたようです。そして、知人にがん患者がいるという人は「ナノマシンのがん治療はよ!」と切実な声をあげていました。

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実際に若返りの薬が実用化されたら……?

 ドラマパートでは、2035年にNMNの技術を応用した若返りの薬が発売され、保険適用されたという設定になっています。そして、若返りをテーマにしたドラマでは、ある老女が同窓会で倒れて10年間眠り続けて、目覚めるとかつての同級生が若返り、一方で老女の夫は自然に逆らうのを拒否し、老衰で亡くなっていたという展開でした。

 視聴者の中には、このドラマに「世にも奇妙な物語」を重ねる人が多数。そして「50代よりも70代の時の方が若い時代が来るのか」と不思議な感覚におちいったり、実際に若返りが実現する世の中を想像し「ずっと生き続けるのも疲れそう」と困惑したりと、さまざまな声が飛び交いました。

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生体データから死を解析し予知治療へ

 老化防止や若返りだけにとどまらず、2015年時点で病気や死を予知して適切な医療を提供する予知治療の研究が進んでいるといいます。たとえば、超薄型の半導体でできた電子皮膚を体に貼り付けて体調を監視し、異常を人工知能が警告するシステムを開発中とのこと。また健康な状態から死亡に至った人の血液サンプルからデータを抽出し、成分に共通点を見出し死との関係性を追求する研究が行われているそうです。

 体調を監視されるシステムについては、「もうズル休みできない」とがっかりするような声や「突然警告が現れたらびっくりして事故って死ぬかも」など、わりとリアルな想像をする声が見られます。また血液情報から死を予知できるかもという話では、「半分オカルトではないか」と戦々恐々の声も見られました。

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まとめ

 番組では、平均寿命が100歳に到達する根拠としてさまざまな技術や研究結果が紹介されていましたが、視聴者の声を見ると長寿には、懐疑的な意見が多かった印象です。さらに、人間が100歳まで生きた時の年金制度などに言及する声も。長寿のための技術革新に人々は感心する一方、同時に社会の仕組みも変化すべきという実情が垣間見えました。

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調査概要

調査期間2015年1月4日
調査対象Twitter
調査件数594件(10%サンプリング)
調査キーワードNスペ , #NHKスペシャル
調査方法対象期間のTweetを「SocialInsight」によるテキストマイニングにより分析
備考実数に近づけるため件数を100%に補正

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

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