爽快感と清涼感が絶妙にブレンドされた定番ゴルフゲーム最新作:「みんなのGOLF 5」レビュー(1/2 ページ)
まばゆい太陽、降りしきる雨、あかね色に暮れていく空。木々の揺らめきが風の存在を教えてくれ、遠く霞む水平線やはるかに臨む山々が心を和ませてくれる。確かに感じる大自然の息吹。その中を美しい弧を描いて飛んでいくボール。ここにはプレイステーション 3なればこそ可能になったエモーショナルな世界がある。
シンプルに整理されたゲームモード
「プレイステーション」プラットフォームを代表する人気シリーズであり、ゴルフゲームの定番中の定番である「みんなのGOLF」シリーズ。プレイステーション 3初進出作となったのが、ここでご紹介する「みんなのGOLF 5」だ。ハードを移行したことで何が変わり、何が継承されたのか。早速、ゲームモードから見ていこう。
ゲームモードは実にシンプル。1人プレイの“ひとりでGOLF”、1〜4人での対戦を行う“みんなでGOLF”、ネットワークに繋いで全国のプレイヤーと対戦やコミュニケーションを行う“オンライン”の3種類が搭載されている。いずれも対戦相手が違うだけで、ゴルフをすることは共通。まずは1人プレイで慣れ、それから対人戦にチャレンジしていくのがいいだろう。オンライン対応のゲームとしては、非常にオーソドックスで理解しやすい作りだ。
まずは「チャレンジモード」をやりこもう
ゲームモードの中で、もっとも基本になっているのが1人プレイで行う「チャレンジモード」だ。選択できるクラブやボールのバリエーション、使用可能なキャラクターやキャディを増やすには、このモードをプレイすることが不可欠となる。
チャレンジモードは参加する大会を選択することから始まる。特殊なルールが設定される場合もあるが、原則として普通にゴルフを行えばいい。負けても別にこれといったペナルティはないので、練習不足かな、と思っても気にせず挑戦することをお奨めする。最初はうまくいかなくても、何ホールか回っていれば、すぐに慣れてくるし、後述するキャラクターへの“愛着度”は勝敗に関係なくたまっていく。どんどん大会に臨もう。
参加できる大会はプレイヤーのランクによって分けられている。最初のランクはジュニア。ランクを上げるには、大会に優勝して“VSチャレンジ権”を蓄えていく必要がある。一定数貯めれば、ランクごとに設定されたキャラクターとマッチプレイをすることが可能になり、これに勝つことで昇格できるのだ。また、この時破ったキャラクターは、以降、プレイヤーキャラクターとして使用可能になる。
大会を選択したら、次にキャラクターを選ぶ。初期段階で使用できるキャラクターはジャスミンとコナンの2人。特にこだわりがなければ初プレイ時はジャスミンが使いやすいだろう。ランクをアップし、使用キャラクターが増えている場合は、そちらを使ってもいい。なお、同じキャラクターを使い続けると、愛着度が溜まっていき、それによって能力がアップしていく。頻繁に使用キャラクターを変えるよりは、1人を集中的に使っていくほうが強化という点では有利だ。
キャラクターはそれぞれに異なる能力を持っている。順に説明すると次のようになる。
- パワー:最大飛距離。ボールを飛ばす能力。高いとハイスコアが狙いやすい
- コントロール:ショットの安定度。これが高いと狙った方向がぶれない
- インパクト:ボールを正確にとらえる能力で、ゾーンの広さで表される。広いとミスショットが減る
- スピン:トップ&バックスピンのかかりやすさ。ショット時の弾道を低くし、ボールを転がりやすくするのがトップスピンで、逆に弾道を高くし、ボールの転がりを抑えるのがバックスピン。コースの特性に応じた的確なショットを打ちやすくなる
- サイドスピン:フェード&ドロースピンのかかりやすさ。フェードは反時計回りのカーブ(左に飛び出してから右方向へ飛んでいく)を描く弾道で、ドローは逆に時計回りのカーブを描く弾道のこと。フェアウェイが大きく曲がっているコースや木などの障害物がある場合に有効
- 得意/苦手な状況:キャラクターによる得手不得手。雨天が苦手、バンカーショットが得意などの個性がある
- 球筋:弾道の傾向。まっすぐ飛ぶストレート、前述したフェードとドロー、左へ曲がっていくフック、右へ曲がっていくスライスの5種類
プレイ感覚が大きく異なるショット選択
キャラクターを選んだら、最後にショットの方法を決める。「従来ショット」、「本格ショット」の2種類があるのだが、本格ショットこそが「みんなのGOLF 5」における、最大の変更要素。どちらにするかでプレイ感覚はまったく異なってくる。これについて詳しく説明していこう。
従来ショットは文字通り、これまでのシリーズで使用されていたショットの方法だ。
右の写真、下部分にご注目いただきたい。黄色のバーがパワーゲージで、スイングを始めるとバーが延びていく。適当なところで○ボタンを押すとパワーが決定するのだが、目盛りが打ってあるので、力加減を調節することが簡単だ。また、右下にある赤とピンクのバーがインパクトゾーン。ちょうど真ん中でボタンを押せばジャストインパクトになる。パワー100%、インパクトど真ん中で決めれば“NICESHOT!”の声がかかる。
一方、新しく追加された本格ショットはまったくやり方が違う。分かりやすく見るために横からのアングルでご紹介しよう。
従来ショット、本格ショットの2つはどちらがいいか、難しいとかいうことはない。パワーは従来ショットのほうが調節しやすいし、飛距離やインパクトゾーンの広さという点では本格ショットのほうが有利だ。とはいえ、操作感覚がかなり異なるので最終的には好みの問題といっていいだろう。
ただ、本格ショットは、バーを見て押すのではなく、選手のアクションを見てタイミングを計らなければならないので、一瞬のタイミングを逃せない緊張感がある。理屈よりもリズムが大切なため、一度ズレが発生すると立て直しに手こずることもある。プロの試合でも微妙な感覚が狂ってスコアを大幅ダウンさせてしまうことがあるが、それが再現されているのだ。このスリルはかなり楽しい。まあ、精神集中を求められるので長時間プレイしているとくたびれてくるという感もないではないが、それでも面白い。病みつきになる。
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