レトロゲーム大賞に「スーパーマリオブラザーズ」――「レトロゲーム・アワード2007」:東京ゲームショウ2007
人気番組「ゲームセンターCX」とのコラボレーション企画として行われた「レトロゲーム・アワード2007」で、レトロゲーム大賞に任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」が選ばれた。任天堂の宮本茂氏も登場。
CS「フジテレビ721」で放送されている人気ゲーム番組「ゲームセンターCX」と日経エンタテインメント!の企画により開催された、「レトロゲーム・アワード2007」。1985年から1987年に発売されたゲームの中で、ゲームセンターCXで取り上げられたものも含め164タイトルをノミネートし、公式Webサイトなどでの投票結果、および審査委員の選考を踏まえて大賞や最優秀新人賞、審査員特別賞などの各賞の作品が選出された。
審査委員は、ゲームセンターCXでおなじみ有野課長(よゐこの有野晋哉さん)、日経エンタテインメント!編集委員の品田英雄氏、そして本誌でもおなじみゲイムマン。もちろん3氏ともイベントに参加し、各賞の発表やトロフィーの授与なども行った。
まず始めに発表されたのは、「最優秀新人賞」。受賞したのは、メタルギアシリーズでおなじみ、コナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫氏だ。壇上に登場した小島氏は、「まだ1本しか作ってないんですけど、つぎはファミコンに挑戦してみたいと思います。」と、20年前の状態を想定した小島氏らしいコメントで会場をわかせた。
また、最優秀新人賞受賞についてどう思ったか、と聞かれたところ、「今日ここに来るまでちょっと意味がわかりませんでした(笑)」。その後も、MSX版メタルギアの画像を見ながら、「すごいですね、ゲームはここまで来ましたよ、色が出てます色が!」と、至る所で小島節が炸裂していた。
次に発表されたのは、「審査委員特別賞」だ。こちらは、有野課長が独断で選択したものだが、受賞したのは「魔界村」だ。受賞理由は、「芸人仲間から『コントローラ投げたくなる時とかないですか?』と聞かれるんですけど、そういう気持ちになることは一切ない、ゲームだったら何でも面白い、ということで選びました。」と有野課長。ゲームセンターCXを見ている人ならわかると思うが、魔界村は番組内での挑戦で16時間をかけて1周クリアし、エンディングかと思ったら1面からもう1周しなければならないことが判明し、「これ以上やったらゲーム嫌いになる!」とまで言わしめたソフトだ。選択理由も含め、さすが有野課長といった感じだ。
授賞式には魔界村の初代プロデューサーである藤原得郎氏が登場し、「有野さんに選んでいただいて大変光栄です。これからも苦しんでもらうようなソフトを作っていきたいと思います。」と語っていた。
続いては、「ゲーム秘宝館・殿堂入りゲーム」だ。こちらは、一般投票の上位4作品の中から審査委員の選考により選出された。ノミネートされた4作品は、タイトー「たけしの挑戦状」、アイレム「スペランカー」、ハドソン「高橋名人の冒険島」、カプコン「魔界村」。その中から選出されたのは「たけしの挑戦状」。当然、発表と同時に会場は笑いに包まれたが、誰が見ても当然の受賞と言っていいだろう。
トロフィーを受け取ったタイトーのプロモーションチームディレクター、豊田巧氏も「この手の賞は全て負けたことはありません(笑)」と語り、さらに笑いを誘っていた。ちなみに、プレゼンターはゲイムマンだ。しかし、マスク越しでも見るからに緊張した面持ちがわかるほどで、「『ぷっ』すま」の汚名返上は……!?
最後に発表されたのは、「レトロゲーム・アワード2007 大賞」だ。こちらは、まず投票の結果上位5作品に優秀賞が与えられ、1位に大賞が与えられるという形であった。優秀賞を受賞した5作品は、スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト」および「ドラゴンクエスト II 悪霊の神々」、アイレムの「スペランカー」、任天堂の「ゼルダの伝説」および「スーパーマリオブラザーズ」。
そして、大賞を受賞したのは「スーパーマリオブラザーズ」であった。しかも、授賞式には任天堂の宮本茂氏が登場し、有野課長からトロフィーを受け取った。宮本氏の登場は事前に伝えられていなかったこともあり、宮本氏登場とともに会場からは大きな歓声が上がった。「一般の投票で選んでいただいたということですごくうれしいです。だから自分で(賞を)受け取りに来ました。」と宮本氏。おそらくこれは宮本氏の本音だと思うが、やはりユーザーに支持されるというのは、ゲームクリエイターにとって何にも勝る栄誉なのだろう。
その後、壇上にはファミコン本体が運ばれ、宮本氏自らスーパーマリオブラザーズをプレイするというおまけ付き。宮本氏のプレイはゆっくりかつ確実といった感じで、「スムーズなプレイではないですね」との有野課長の突っ込みにも動じず、しっかり1-1をクリアしていた。最後に宮本氏が、再度ユーザーに感謝しつつ壇を下り、授賞式は終了となった。
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